2025/6/4
こんにちは。兵庫県川西市議会議員の長田たくや(ながたく)です。
前回ブログ(年金制度の改正)では、正直「なんとなく反対やな」と思っていましたが、自分でもよく分かってないなと感じ、少し勉強してみました。
今回は、その中でも遺族年金改革について取り上げます。
■ 遺族年金制度の改正
遺族年金は、まだ身近に感じない方も多いかもしれません。
年金制度と同様に、遺族年金も「国民年金」と「厚生年金(=会社員)」があります。

子供がいない夫婦だとこのようなイメージになります。
【改正前】
例えば、夫婦で共働き、子供なしの40歳夫婦
・夫が亡くなる→生涯にわたり遺族年金をもらえる
・妻が亡くなる→受給権なし(空白地帯)
夫婦で共働き、子供なしの56歳夫婦
・夫が亡くなる→生涯にわたり遺族年金をもらえる
・妻が亡くなる→60歳以降に受給できる
これらの性差や年齢制限が撤廃され、以下のような制度に変わります。もちろん、子がいれば年齢を問わず優先して支給されます。

「男性が働き、女性が扶養される」が前提の制度設計だったわけです。つまり役割による差異ではなく、明確な性差が制度にありました。今回の改正でその点が見直されました。
■ 批判的な意見
批判的な意見としては「無期限の給付が原則5年に短縮された。トータルとして受給額が減るぞ!」という点です。一方、政府は、「5年あれば生活の立て直しは可能だろう」という考えのようです。これは、近年の女性の就業率上昇を背景にしていると思われます。

2005年と比べても確かに女性就業率は増加しています。
しかし、増加要因のほとんどは、3倍以上に増加した非正規雇用なのです。だから、年金制度全体でも「パート・非正規でも厚生年金に入れるようにする」という方向性の改正が行われたのだと考えます。

■ 生活再建の現実的課題
色々考えてみますと、以下のようなケースの場合、ちょっと厳しい現実なようにも思えます。
(ケース)夫婦45歳、専業主婦で子なし、夫が死亡
・妻は5年間の遺族年金を受給
・その後は収入ゼロ → 自立が求められる
・65歳以降は老齢基礎年金のみ(国民年金)
以上のような状況となります。妻の年齢やスキルを考えるとどうでしょうか。ちょっとしんどいように思えます。
厚生年金を納めていなければ老齢基礎年金(国民年金)のみとなり、普通に生活するのは難しいでしょう。そのため、亡くなった夫(厚生年金加入者)の保険料納付歴の一部を、生存している配偶者の将来の老齢厚生年金に分割して加算できる制度が設けられています。
一応、政府も最悪なケースを想定はしているようです。
ただし、総じて考えると、本制度は専業主婦(夫)のライフスタイルを変える転換点とも言えます。2028年度で40歳以上の夫婦は除外されますが、今後は夫婦が共に働くことを前提とした社会像が一層明確になったように思います。
■ 配慮措置
収入が低く生活が厳しい方のために、年収額による配慮措置がとられるようです。
私が調べる限りは、やはり専業主婦(夫)にとってはインパクトのある制度改正だなと感じました。
現行制度にて、例えば夫60歳、妻30歳のような極端に年齢が離れた夫婦がいるとします。夫が急死した場合、妻は生涯にわたり遺族年金をもらい続けることができます。”味噌汁の味を濃くして・・・ふふふ・・・”みたいな、昼ドラ展開を新制度は防ぐことはできそうですね。冗談はさておき、そのような女性は「社会的資源の損失」と考えるのだと思います。
いかがでしょうか。今回の改正がすべて正しいとは限りませんが、少なくとも制度の背景にある考え方や現実とのギャップを知ることができました。もし、他にも懸念点や見落としがあればぜひご指摘ください。
参考資料:次期年金制度改正の全体像(案)
参考資料:遺族厚生年金の見直しに対して寄せられている指摘への考え方
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵な1日でありますように。
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