2024/12/21
こんにちは。兵庫県川西市議会議員の長田たくや(ながたく)です。
川西市が誇る多田神社(リンク)ですが、昨今、中国系企業によって差し押さえられたと報道がありました。
参照:多田神社境内に16億円の根抵当権 川西の国史跡、急死宮司が担保に借金か

まず関係所管に確認しましたが、現在、民-民での係争中であるため市としては特に動くことはないとのことです。
私自身も人の死が関連していることや、わからないことも多いため不用意な発信は控えていました。インフルエンサーが取り上げ、市民の方からも問い合わせを受けましたので、現時点で私が把握している範囲をお伝えします。
(衝撃事実とかないのであしからず)

■ 多田神社は重要文化財に指定
多田神社は国の重要文化財に指定されています。したがって、「文化財保護法」により、所有者には以下のような責任が課されています。また、市町村も法的に関わるため、本市では主に生涯学習課、生活環境部がその役割を担っています。
(所有者の管理義務及び管理責任者)
第三十一条 重要文化財の所有者は、この法律並びにこれに基いて発する文部科学省令及び文化庁長官の指示に従い、重要文化財を管理しなければならない。
本法での罰則規定も設けられています。
第百九十五条 重要文化財を損壊し、毀棄し、又は隠匿した者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。
2前項に規定する者が当該重要文化財の所有者であるときは、二年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
ただ、これらの罰金や刑がどれほどの抑止力となるかは不明な点もあります。
多田神社の所有者は、宗教法人となっているので、宗教法人法の縛りも受けるはずです。まだ勉強不足ですが、そのあたりの関係がどう整理されているか、詳しい方がおられたらご教示願いたいです。
なお、余談ですが、この法律には「国民の心構え」という項目もあります。
(心構えがある法律なんてあるんですね)
(国民、所有者等の心構)
第四条 一般国民は、政府及び地方公共団体がこの法律の目的を達成するために行う措置に誠実に協力しなければならない。
■ 鬼切丸は、重要文化財指定されていない
多田神社には”鬼切丸”という刀があります。以下のように一般公開された経緯もある歴史的な品物です。
参照:鬼討伐の伝説の宝刀「鬼切丸」 川西・多田神社で一般公開へ
しかし、この刀自体は重要文化財の指定を受けておらず、あくまで個人の所有物となっています。したがって、市もその管理に関わることはできません。
なお、北野天満宮にある同じ名前の刀「鬼切丸」は文化財指定がされています。指定をするか否かは、所有者が申請をして国が判断をするそうです。
■ 外国人企業が土地を買う事
今回の件で、多くの方が心配していることではないでしょうか。昨今、相互主義の関係にない、いわゆるお互いの国の土地を買える関係にない中国が、一方的に日本の土地を購入しているという問題があります。
関連する法律は、戦前に作られた外国人土地法(リンク)しかなく、発動したこともない名ばかりのものだそうです。それに対して、2022年9月に重要土地調査法(リンク)が施行されましたが、禁止するという法律ではなく、穴をふさぐには至っていません。
■ 下村博文氏のブログ
下村博文 元衆議院議員のブログにまとめられているのですが(リンク)、「日本は世界貿易機関(WTO)に加盟し、1994年に『サービスの貿易に関する一般協定』(GATS)に加盟する際、外国資本の呼込みが優先され、米国や中国とは異なり、外国人による土地取得を規制する留保条項を盛り込みませんでした。」とあります。
私自身、協定の中身までしっかり確認できていませんが、留保事項を設けないノーガードのやり方は、女性差別撤廃条約の批准(当ブログ参照)と似ている印象を受けました。
そのブログにて、「実際に外国資本による日本の土地取得・不動産購入への規制が現行法で可能か?というと非常に難しいです。日本においては、諸外国に見られるような外国人向けの規制はなく、永住権の有無や日本国籍の有無に関係なく土地・不動産の購入・所有が認められています。」とあります。ここがネックであり、国会議員一同でこの問題には対処すべきなのです。夫婦別姓などウツツを抜かしている場合じゃない!
■ 日本もやっていた論
日本も1980年のバブル期に、多くの海外の土地や文化財を買ったりして、批判されていた時期もありました。今となっては信じられませんが、三菱地所が1989年にニューヨークの象徴的なロックフェラー・センターを買収したこともあります。
それと同じじゃないかとの見方もあるかもしれませんが、中国政府とは、相互主義の関係でもない上、2010年7月「国防動員法」を施行しており、日本にとって明らかな安全保障上の懸念となりました。有事の際、この法律をもって日本に在住する約65万人の中国人が、中国政府の命令で動員される可能性があります。
■ 中国の国防動員法について政府答弁
中国の国防動員法に対する懸念については、山谷えり子氏が質問主意書にて政府見解を確認しています(リンク)。しかし、”御指摘の「国防動員法」は、他国の法律であることから、同法律の個々の規定の解釈について、政府としてお答えすることは差し控えたい。”とふざけた回答となっています。
■ 抵当権と根抵当権
私、土地や事業関係に詳しくなくて、根抵当権(ねていとうけん)の読み方や意味すら知らなかった。そんな方のためにその違いを簡単にお示しします。多田神社の場合は、根抵当権16億円と報道されています。
・抵当権➡1回ぽっきり
目的:特定の借金(債権)を担保するための権利。
特徴:1回の借金や特定の金額を担保する。借金が完済されると抵当権は消滅。
例:家を購入するために銀行から借りた3000万円の住宅ローンに対して、その家に抵当権を設定。
・根抵当権➡上限までなら何回も
目的:一定の範囲内で複数の借金(債権)を担保するための権利。
特徴:上限額(極度額)を設定し、その範囲内で何度でも借金を担保できる。取引が継続する場合に有効。借金が完済しても、新たに借り入れる可能性があれば根抵当権は消滅しない。
例:取引先と継続的に取引をする企業が、上限5000万円の根抵当権を設定して運転資金を随時借り入れる。
■ まとめ
今回の多田神社の件は、川西市が誇る文化財の行く末の不安と、もう1つは所有者が国防動員法が適応される中国系企業ということでの不安、この2点と私は考えています。
特に後者は人の命に関わることでもあるので、中国人を見たらすべてそう思えと言っているわけではなく、そういった法的な背景を持つ国があるんだという情報を知っておくべきだと思います。本件をきっかけに、市民の皆さまとともに文化財保護や安全保障について理解を深めることが重要だと感じています。私もあらためて勉強していきたい。
本件は係争中でもあり、その行く末を見守りたいと思います。内情を知っているというわけでもありませんし、市議としてどうすべきかも現時点で思いつくことがありません。本件をきっかけとした文化財への理解や、安全保障に対する関心の向上、それらに寄与する程度かと現時点では考えております。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵な1日でありますように。
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