2026/6/9
岸本さとこは、ネット上の偽・誤情報、デマが蔓延しないよう、ファクトに基づいた正確な情報を発信していきます。
また、デマや誹謗中傷に対して法的措置を含め毅然と対応します。
政治や選挙に関わるすべての人(候補者、支援者、スタッフ)へのハラスメントをなくし、若い世代・女性・マイノリティが立候補したいと思えるあたらしい選挙・政治文化をつくることを目指しています。
私はこれまで、できる限り誰かを批判するのではなく、政策や将来のビジョンを語ることを大切にしてきました。
しかし学童クラブの待機児童問題について、「私が児童館再編を止めたことが待機児童増加の原因である」「前区政の計画をそのまま進めていれば待機児童は解消できた」といった主張が繰り返されています。
令和5年(2023年)第4回区議会定例会でも、「事実上、児童館再編をストップさせることによって解消が先送りされることとなった学童クラブの待機児童問題」「計画を加速化、あるいは中身を拡充して進めれば、近い将来、保育園と同じように学童も待機児童解消が可能になる」 といった趣旨の発言がありました。
また、同様の説明はインターネット上でも繰り返し発信されています。しかし、私はこうした説明は事実を正確に表しているとは考えていません。
そこで今回は、児童館再編と学童待機児童をめぐる経緯について、事実に基づいて整理したいと思います。
当時の計画は、子どもの数が減り、小学校に余裕教室が生まれるという人口予測を前提としていました。しかし実際には子どもの数は大きく増加し、学校内への学童整備だけでは対応できない状況となりました。
さらに、児童館再編によって児童館内学童クラブを廃止した学校でも、現在も多くの待機児童が発生しています。
今回は、その事実関係を整理します。
Q1:そもそも児童館、学童クラブ、児童館再編とは何ですか?
Q2:児童館再編を続けていれば学童待機児童は解消できたのですか?
Q3:では、「児童館再編で待機児童が増えた」というのは嘘なのでしょうか?
Q4:現区政は何も対策をしてこなかったのでしょうか?
Q5:これからどうするのですか?
学童クラブは、主に保護者が就労している家庭などの小学生を対象に、放課後や長期休業中の生活の場を提供する事業です。
一方、児童館は、乳幼児親子から中高生まで、誰でも利用できる子どもの居場所です。学童クラブの利用の有無にかかわらず、子どもたちが自由に立ち寄り、過ごし、地域とつながることができる場所でもあります。
前区政では、児童館を段階的に廃止し、児童館で行っていた学童クラブや小学生の放課後の居場所機能を学校内に移していく「児童館再編」が進められていました。
その背景には、子どもの数が減少し、小学校に余裕教室が生まれるという人口予測がありました。
いいえ、そうとは言えません。
実際に区議会では、「児童館再編をストップさせたことによって学童待機児童の解消が先送りされた」「前区政の計画を加速化していれば学童待機児童は解消できた」といった主張がなされています。
しかし、この主張は、当時の計画が置かれていた前提条件と、その後の現実の変化を十分に踏まえたものとは言えません。
杉並区では2014年(平成26年)に区立施設再編整備計画を策定する際、国立社会保障・人口問題研究所の人口推計を参考にしました。その推計では、杉並区の年少人口(0~14歳)は2015年をピークに減少し、2025年には4万2千人を下回ると見込まれていました。
しかし実際には、年少人口のピークは2021年まで後ろ倒しとなり、2025年の年少人口は5万9千人を超えています。区立小学校の児童数も、2015年度の約1万8900人から2025年度には約2万2600人へ増加しました。その結果、学級数が増え、余裕教室を活用した学童クラブ整備は当初の想定よりも難しくなっています。
つまり、「児童館再編を続けていれば待機児童は解消できた」という主張は、計画の前提となっていた人口予測と、その後の現実との大きな乖離を考慮していません。
私は、こうした状況を踏まえ、児童館再編の計画を見直しました。
それは単に施設を残すためではありません。児童館が担ってきた、子どもたちが自由に利用できる居場所としての機能や役割を大切にしながら、現実の学童需要にも対応していく必要があると考えたからです。
【参考】
・2025年年少人口予測 約4万2千人
・2025年年少人口実績 約5万9千人
・2015年度 区立小学校児童数 約1万8900人
・2025年度 区立小学校児童数 約2万2600人
いいえ。そうとも言えません。
これまで児童館から学校内へ移転した学童クラブは9校あります。移転直後は待機児童が減少したり、ゼロになったりしたのは事実です。
しかし、その後さらに学童需要が増加した結果、2026年5月1日現在、その9校のうち7校で計155人の待機児童が発生しています。
これは区全体の待機児童372人の約42%に当たります。
一方、当時廃止された児童館内学童クラブの受入枠数は、最も少ない施設でも62人ありました。
仮に学校内学童を整備した後も児童館内学童クラブを存続していたならば、現在発生している155人の待機児童の多くは受け入れることができた可能性があります。

もちろん、待機児童増加の直接的な要因は、想定を超える児童数の増加と学童需要の上昇です。
しかし、年少人口が大きく減少するという前提で児童館の廃止を進めたことが、結果として受け皿不足につながった側面があることも否定できません。
【参考】
・区全体の待機児童数 372人
・再編済み9校で発生している待機児童数 155人
・全体に占める割合 約42%
いいえ。
私は就任以来、学童クラブの受入枠拡大に取り組んできました。
旧堀ノ内松ノ木会議室を活用した松ノ木第二学童クラブ、旧定期利用保育施設和田堀を活用した堀ノ内南第二学童クラブ、ふれあいの家しみず正吉苑を活用した沓掛学童クラブ校外育成室など、学校内だけでなく学校近接地や区有施設も活用して整備を進めてきました。さらに現在は民間施設も活用しながら受入枠の拡大を進めています。
学童クラブは保育園とは異なり、自力通所が原則です。
学校の近くで、安全性や育成環境、必要な面積などを満たす場所を確保しなければならず、整備は決して容易ではありません。しかしだからこそ、利用できる施設や地域資源を最大限活用しながら、受入枠の確保を進めています。
なお、前区政の最終年度である2022年4月1日時点でも242人の待機児童が発生していました。つまり学童待機児童の問題は、私の就任後に突然生じた問題ではなく、人口増加や学童需要の上昇の中で長年続いてきた課題です。
現在の待機児童を解消する責任はもちろん私にあります。しかし、その原因をすべて現区政だけに求めることは、事実関係を正確に表しているとは言えません。
2026年5月1日時点の学童待機児童数は372人です。
昨年同時期より100人以上減少しましたが、依然として大きな課題です。
私は、区立施設の活用、民間施設の活用、学校における放課後等居場所事業の充実などを総合的に進めることで、2028年5月1日の待機児童解消を目指しています。
子どもたちには安心して過ごせる放課後の居場所が必要です。
そして保護者の皆さんには、安心して働き続けられる環境が必要です。
私は、学童クラブの待機児童解消を進めるとともに、学童クラブに通う子どもも、通わない子どもも安心して過ごせる居場所を地域の中に確保していきたいと考えています。
児童館は、そのための大切な社会資源の一つです。
過去の計画をめぐる対立に終始するのではなく、今の現実を直視し、子どもたちと保護者のために何が必要かを考え、実効性のある対策を積み重ねていきます。
杉並区長 岸本さとこ(岸本聡子)
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