2021/6/25
「ヤングケアラー」介護を担う子ども、若者の現実 渋谷智子 著を読んだ。
今月18日に閣議決定した「骨太の方針」にヤングケアラーへの支援について「早期発見、把握、相談支援など支援策の推進、社会的認知度の向上などに取り組む」と初めて明記された。
国の支援が本格化する事を受け、愛知県も秋までの実態の調査を行い、調査書をまとめる事を知事が表明した。
これより先には某国会議員との意見懇談の議題になったり(私は不参加)少しずつ、確実に社会的認知、問題の表面化が起きていると思う。
「ヤングケアラー」とは、「家族等の介護や世話をする18歳未満の子ども」のことである。
本来は大人が担うケアを子供が日常的におこない、重い負担や責任を担わされている事により危惧しているにはその当事者が低年齢である点である。
元々、こうした点に目を向けたのはイギリスで始まった事で知られている。
(参考にした三菱UFJ銀行の調査ではカナダの事例が載っている。)
「平成24年度就業構造基本調査」で15歳から29歳の介護者の数として17万7600人と言われている。
2025年には団塊の世代が75歳を迎え「大介護時代」が到来すると言われている。
政府の対応に加えてコロナ禍での経済的な不安、また両親が病気を患っての介護と様々なケースがある事を知った。
著書の中では神奈川県藤沢市と新潟県魚沼市の調査が克明に載っている。
興味がある方は参考にされると良いと思う。
都市部と地方(失礼!)の調査は今後、政府が広範囲で掘り下げた調査を行う事でもっと細部に渡って興味深いデータが浮かんで来る事だろう。
今回読んだ本の当事者は小学校高学年から中学生までの様々なケースが載っている。
一番胸が痛んだ箇所は、小学2年生の弟の弁当を作って時間が無く、自分の弁当は作れず、おまけに運動会に遅刻してしまい、参加する種目に出られなかった個所である。
事情を知らない先生は遅刻した事で生徒を叱り、罰として参加させなかった。
勿論、ちゃんとした事情をこの生徒が話せば良かったのかも知れない。
それが言えない事情がある事でズルズルと遅刻→不登校というステップを踏んでしまうのであろう。それぐらい闇は深いのだ。
この話には続きがあって、後日この家庭の事情を先生方が知り、出身である小学校の校長先生が生徒に話を聞いた時に、安心したのか今まで抑えていた気持ちが解放されたのだろう。「人間はこれ程、涙を流せるものなのか」と言うくらい泣きながら話したそうだ。
誰が悪い訳では無い。生徒でも学校の先生でも親でも無い(一部のケースは除いて)
ただ、こうしたケースを表面化させ、解決するのは非常に難しいと思う。
主な支援が複雑と感じるケースとして
○保護者の問題
○子供自身の認識等の問題
○経済的な問題や利用出来る福祉サービスが無い
等が挙げられている。
それには日頃から生徒に寄り添い、学校、地域、役所の各担当窓口が連携を持たないと問題を吸い上げ、解決に至る事は難しいと思う。
如何に日頃から子供を注意深く観察しコミュニケーションを取っている事が大切だと思うが教師にその時間があるのか?
更に教師への負担を押し付ける事だけは避けたいものだ。
ここにも現代の日本の複雑な問題が絡んでくる。
参考
新社会 6月22日号
三菱UFJ銀行「ヤングケアラーの実態に関する調査研究報告書」平成31年 3月
一般社団法人 ケアラー連盟




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