2026/6/26

【ご報告】大分市議会議員研修会に参加しました 〜「不当要求」とコンプライアンスについて〜
6月定例会の閉会後、大分市議会にて開催された議員研修会に参加いたしました。今回のテーマは、地方政治において非常に重要となる「議員と市職員との関わり方」についてです。市民の皆様に信頼される議会であるためにどのような学びがあったのか、ご報告させていただきます。
■ 議会全体の取り組み
冒頭の司会では、議員には常に高い倫理観と誠実な政治活動が求められることが強調されました。また、昨年の事案を受けた再発防止策として、利害関係者との連絡には個人の携帯電話を使用せず、職場の電話や公用パソコンを使用する原則が執行部で取られていることが共有され、議会全体でコンプライアンス向上に取り組む姿勢が示されました。
■ 「不当要求」とは何か?
講師には、内田阿部法律事務所の阿部弁護士をお招きし、「不当要求の防止」についてご講演いただきました 。
阿部弁護士によると、不当要求に当たるかどうかの判断基準には以下の3つのポイントがあります。
1. 議員としての地位や権限を背景にしているか
2. 要求内容が妥当か(例:特定の人への優遇、入札の最低落札価格の漏洩要求などはNG)
3. 要求の手段が適切か(例:威圧的な言動、長時間の拘束、暴言などはNG)
特に、要求内容自体は正当であっても、手段が威圧的であれば不当要求に当たり得るという点は、常に意識すべきポイントです。
■ 裁判例から学ぶ「認識のギャップ」の怖さ
講演では、実際に起きた2つの裁判例が紹介されました。一つは宮城県議会議員による補助金に関する口利き事案、もう一つは大分県内で過去に起きた用地補償金の不正増額事案です。
大分県の事案では、絶大な影響力を持つ大物県議の介入により、当初から補償額が最終的に約4.4億円まで不正に引き上げられました。議員側から明確な脅し文句がなくても、「政治的な決着」を求める議員からの要求に対し、職員側が人事面の不利益などを恐れて過剰に忖度し、文書の改ざんまで行ってしまったという痛ましい事件です。
ここで強調されたのは、「議員側と職員側の認識のギャップ」です。議員側は「ただ意見を伝えただけ」と思っていても、受け取る職員側は強い圧力を感じて報復を恐れてしまう場合があり、このギャップが問題の根本にあると指摘されました。
■ 無自覚に行われるハラスメントと「共感力」
さらにハッとさせられたのは、不当要求やハラスメントの多くは「無自覚」に行われているというお話です。
ある大学教授のハラスメント裁判例を参考に、立場の弱い部下(職員)は不快に思っていても逆らえず、精一杯気を遣って相手に「合わせてしまう」心理が解説されました。これに対して、相手が仕方なく合わせているだけであることに気づけない「他人の気持ちを想像する力(共感力)の欠如」が、問題行動をエスカレートさせる大きな原因になるとのことです。
■ 「同調圧力」に負けない風通しの良い組織へ
最後に、周囲が異常に気づいていても機嫌を損ねることを恐れて誰も声を上げられなくなる「アッシュの同調圧力」の危険性について説明がありました。不当要求を防ぐためには、「議員の言うことを聞いて当たり前」といった無意識の特権意識を見直し、お互いが率直に話し合える風通しの良い風土を作ることが何より重要であると締めくくられました。
■ 所感と今後の決意
今回の研修を通して、「自分は大丈夫」と過信せず、常に相手の立場に立って自分の言動を客観視することの重要性を痛感しました。市民の皆様の代表として市政に要望や意見を届けることは議員の大切な役割ですが、その手段や職員とのコミュニケーションにおいて、常に高い倫理観を持ち続ける必要があります。
この記事をシェアする
ホーム>政党・政治家>つつみ 英貴 (ツツミ ヒデキ)>【大分市議会だより(34)】大分市議会コンプライアンス研修を受けました(不当要求について)