2025/7/9
先日の議会で、私は京丹後市における公民連携のあり方について質問を行いました。現在、多くの地方自治体で「公民連携」という言葉が盛んに使われています。行政だけでは解決困難な課題に対して、民間の知恵や資金を活用しようという取り組みは、確かに時代の要請に応えるものです。
しかし、この公民連携が真にまちづくりに資するものとなるためには、どのような視点が必要なのでしょうか。私は「ローカル公民連携こそまちづくりにつながる」という考えで質問に臨みました。
私が質問で申し上げた「ローカル公民連携」とは、一般的な言葉ではないかもしれませんが、京丹後市において、京丹後市民や京丹後市内の民間事業者、市内の地域の方々と、行政とがどれだけ連携を強めていけるのか、思いを一緒にできるのか、相乗効果を生めるのか、こういった意味で捉えて発言させていただきました。
私は現在の京丹後市の公民連携について、都市部や市外の大企業との連携を強めていきたいと進めているのではないかなと指摘しました。
もちろん市外のアクターの方々との連携ということは重要ではあるんですが、私はその中心には京丹後市のローカルの民間プレイヤーがいることが必要条件で、その上で市外のプレイヤーが重なってくるというふうに考えていくべきだと思っています。
私は市長に対して、一般的な読み取りの中で、市としての予算がなかなか組めないので民間の力が必要なんですという風にも受け取れるなと思っておりますが、私は公民連携のまちづくり、もっと前向きな議論を進めていかないと関わってもらえないと。お金がないから助けてくださいだと、前向きなまちづくりにつながっていかない、と問いました。
市長からは、京丹後のまちづくりにあたっては今各分野で様々な課題が大きな規模ベースにおいても山積をしている状況で、行政面において職員の力や予算の現状では限界があるのは否めないとの答弁がありました。その中で市内外の民間の力や知恵、資金を活用して連携を進めることが効率的効果的な行政運営につながるということ、また市内外の連携により民間の集積や交流人口・関係人口の拡大を通じて民間活力を高めることができるとの説明がありました。
私は市長の答弁を受けて、市民の方々からの感情的な思いを言葉にさせていただきました。京丹後市の役所と市外の人が来てやってるだけだというふうに受け取っておられる方の市民の方々の声がとても多く私は受け止めています。
市長が見ておられる市の中の様々な課題、これは市民の課題であると思います。この市民の課題を解決しようとする住民の力をいかに高めるかという視点で、この市外の方々の知恵や資金ということを市が持ってくると。
おそらく市長の頭の中ではきっとそういう構想が描かれているんだと思うんですけれども、実態としてはそう映っていないケースが多いのではないかと指摘させていただきました。
私は具体的に公民連携を推進していくために市役所としてどういうふうに体系的に進めていくのかについて質問しました。
市長公室長の回答:
市長公室長からは、今年3月に京丹後市公民連携指針を策定し職員の共通認識を図っているところで、政策企画課が公民連携の相談窓口担当となり旗振り役として市役所全体での公民連携を推進していくとの説明がありました。
そのための職員向け公民連携マニュアルも策定を進めており7月中には完成させたいとのこと、また7月から8月にかけて民間提案制度として一定のテーマを設けて民間から提案いただく制度もスタートさせるとのことでした。
私は公民連携の前提となる事業者選定プロセスについて、直近5年間の中で1社しか応募がなかった事例数やその全体から見た割合について質問しました。
総務部長の回答:
総務部長からは、直近5年間で公募型プロポーザルにおいては70件を発注し、うち参加者が1社だったものが33件で割合としては47%程度、競争入札では2,462件を発注し、うち参加者が1社となったものが143件で割合としては6%弱になるとの回答がありました。
私はこの数値をどのように考えておられるのか、これは多いと捉えているのか少ないなというふうに捉えているのか、またこれは健全として捉えているのかと追及しました。
総務部長の回答:
総務部長からは、本市はもともと大都市部に比べて地元の業者数などが少ない中で、複数の応募も一定ある中で必ずしも複数応募の割合が低いとは言えないと考えているとの答弁がありました。ただし、公募型プロポーザルや競争入札での発注の際には複数の参加者を想定期待しているとのことでした。
私はこの答弁に対して反論しました。京丹後市は事業者が多いまち、社長が多いまちだと市長がPRするなかで、部長は事業者の少ないまちだからやむを得ないという。
これは市の発注の仕方の工夫であったりとか、市内の皆さんと思いが共有できている、市民の人たちが必要だと、事業者の人たちが必要だということの中でプロセスを組めていけば、市長がおっしゃられる「社長が多いまち」ということがいい形で働くような形ができるのであろうと思いますし、逆に今までの発注の仕方等がそれを効果的に発揮できなかったという指摘があるのではないかと述べました。
私は具体例として、網野交流センターのサウンディング調査について、何社来られて、その中に市内の事業者さんはどの程度おられたのかと質問しました。
建設部長の回答:
建設部長からは、サウンディング調査については5社で、市内の事業者には残念ながらご参加いただけなかったという状況でしたとの回答がありました。
私は市長に対して直接的に問いました。このサウンディングしていて市内事業者はここに入ってきていないと。このことをどのように受け止めておられますかと。
市長の回答:
市長からは、我々としては市内の事業者も含めて参加を求めながらということでしたが、網野交流センターという大切な施設、規模のある施設がしっかりと市場性を持ってどう運営していくのかという専門性が求められ、国内他の地域の事例との経験なども含めた様々な評価がなされるということで、結果市外の事業者の皆様の参加しかなされなかったが、市内の事業者の皆様含めて引き続きしっかりと手続きにあたってはやっていくとの回答がありました。
私はこれに対して厳しく指摘しました。政治は結果責任だということの中で、「求めたけど来られませんでした」ということが一つの今の市の実情を表す結果だと思います。ここをきちっと取り返していく、そのためには「なぜ求めているのに来てもらえなかったのだろうか」ということをきちっと向き合っていただく必要があるのではないかなということは指摘をさせていただきます。
私は過去20年以上の市政を振り返って指摘しました。事業効果を高めることもちろん大切ですけれどもそれが市内の事業者だったり市民にどう根付いていくのかこの視点があれば。例えば20年かけていれば市長が掲げるまちづくりの思いであったりとか市内の課題を解決するために、一定外からの知恵をいただきながらとか専門性をいただきながら地元事業者でそれができるようになっていくということもあったかもしれないし、市内の事業者の人たちができる技術も含めてその中でまちづくりを最大化していく。この視点ももっともっと必要ではなかったかなと思っています。
私は公民連携を進める上での構造的な課題についても指摘しました。一般的に市役所の組織というのは、議決も含めて予算のサイクルと連動して、意思決定のスピードは重たいものだと思っています。これは必ずしも悪いということではなくて、サイクルがきちっとあるということの中で一定の重たさを持って意思決定されていくということだと思いますが、これは民間のスピード感とは大きく溝があるところだと思っています。
また人事においても一つのプロジェクトが複数年かけて行われていくわけですけれどもその途中で人事が丸々変わってしまうということがあるというのも市役所の起こりうることの一つだと思います。
私はこれらの課題を踏まえて、公民連携として、今申し上げました行政特有の重たさ、これをどのようにして効果的に発揮させていこうとするのかについて質問しました。
市長公室長の回答:
市長公室長からは、どうしても行政の手続上決定に時間を要することはあると思うが、全国の先進事例なども参考にしながら窓口になる政策企画課が進捗管理を行ったり、職員への意識づけを進めて迅速な議論や意思決定ができるように進めていきたいとの回答がありました。
私は単に窓口を設置するだけでなく、市民地域の中での積極的なアプローチが必要だと提案しました。こんなことできませんかと、誰々さんのところでこんなことしませんかということなど、市役所を挙げて地域に出ていってアプローチをしていくということが必要だというふうにも思います。
私は質問の最後に、市長に対して最も重要な指摘を行いました。市長が京丹後には可能性があふれているとおっしゃっておられました。私は全く共感をして賛同しています。ただこうして見る中で、市長が京丹後市を見た時に可能性を感じていて、市長が市外の方と交流をしているというふうに受け止めておられて、京丹後市民の可能性を開いていくと、ここが弱いんじゃないかと、欠けているんじゃないかという指摘は、やっぱりせざるを得ないかなと。市民の声を聞く中で思っています。
京丹後ローカルの方々との、この市民との連携、これを市がどうやって市外とつないでいくのか、市長がどうつなげていくのか、市長がつながるのではなくて、市民の方々をどうつなげていくのか、この視点が極めて重要だと思っております。市長の見解をお伺いいたします。
市長からは、「そのように見えているということであれば、反省をしっかりとしないといけないと思いますし、外とのつながりというのは最終的には市民の皆さんと、そして市外の皆さんがウィンウィンの形でつながって、互いにより良くなっていくというようなことが目指すところでありますので、その間に入る過程はあると思いますけれども、そういうような形で市内外の連携が進んで市民の皆さんの活力が高まりますようにしっかりと努めてまいりたい」との回答がありました。
私は最後に次のように述べました。少し触れましたけれども京丹後市民の可能性をいかに開いていけるのか。これが各種のまちづくりあるいはまちづくり施設の整備に、もっともっと盛り込んでいただくということを指摘いたしまして私の一般質問とさせていただきました。
今回の質問で明らかになったのは、公募型プロポーザルの47%が1社応募という現実です。これは京丹後市が「事業者の多い町」「社長の多い町」であるにもかかわらず、市の発注や連携のあり方に課題があることを示しています。
執行部は「地元業者数が少ない」と説明しましたが、重要なのは、なぜ地元の事業者が市の事業に参画しにくい状況になっているのかを真摯に分析し、改善することです。
網野交流センターのサウンディング調査で市内事業者が1社も参加しなかったという事実は象徴的です。
なぜ地域の事業者に声が届かないのか、どうすれば参画してもらえるのかを根本的に見直す必要があります。
私が提案する「ローカル公民連携」は、地域の事業者や市民を中心に据え、その力を最大化するために市外の知恵や資金を活用するという発想です。
市役所は単に相談窓口を設置するだけでなく、積極的に地域に出向いて「こんなことはできませんか」「誰々さんのところでこんなことをしませんか」といった提案型のアプローチを行う必要があります。制度を作ることと、それが効果的に機能することは別の問題だからです。
行政の重厚な意思決定プロセスは民間のスピード感と大きく異なります。この溝を埋めるためには、全国の先進事例を参考にしながら、迅速な議論と意思決定ができる仕組みづくりが必要です。
複数年プロジェクトの途中で担当者が変わってしまう人事異動の問題についても、適切な引き継ぎ体制の構築と、全部局が自分ごととして取り組む意識の醸成が重要です。
京丹後市には確かに可能性があふれています。しかし、その可能性を開花させるためには、市民が主体となって市外との交流を深め、その結果として地域全体が発展していく仕組みづくりが不可欠です。
公民連携は手段であって目的ではありません。真に目指すべきは、地域の活力向上と市民の幸福度向上です。そのためには、地域に根ざした「ローカル公民連携」という発想が不可欠です。
今回の質問を通じて、京丹後市の公民連携が抱える構造的な課題が明らかになりました。市外との連携を否定するものではありませんが、その交流の核には必ず地域の市民や事業者がいるべきです。
京丹後市の豊かな可能性を最大限に活かすために、今こそ地域に根ざした公民連携のあり方を真剣に考える時期に来ています。市民一人ひとりが当事者意識を持ち、建設的な議論を通じて、より良いまちづくりを実現していくことが求められています。
私は今後も、京丹後市民の可能性を開いていくことを最優先に据えた政策提言を続けてまいります。そして、真にローカルに根ざした公民連携が実現するよう、議会でも市民生活でも動き続けたいと思います。
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