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日高 ちほ ブログ

川西市行政視察 創政MISATO会派報告書

2026/8/5

「何をやめるか」を決められる三郷市へ:
ー川西市の挑戦に学ぶ、市長のリーダーシップと行政経営の真髄ー
 
三郷市議会 創政MISATO
佐藤 裕之
高橋 誠一
日髙 千穂
鈴木 優作
 
1. 視察の概要
 
・視察先:兵庫県川西市 川西市役所
・視察日時:2026年8月4日14:00~15:30
・調査テーマ:川西市行政経営基本方針
 
2.はじめに:なぜ今、兵庫県川西市に学んだのか
 
【視察の結論】 「行政経営とは『何を行うか』以上に、『何をやめるか』を冷徹かつ情熱的に決めることである」
今、私たちの三郷市は大きな転換点に立っています。令和8年度の予算規模が20年ぶりに前年度比マイナスとなった事実は、これまでの「右肩上がりの拡大」や「前例踏襲」が通用しない時代の到来を告げています。
今回、私たちが視察先に選んだ兵庫県川西市は、三郷市よりもさらに厳しい財政指標に直面しながらも、聖域なき見直しを断行し、持続可能な街づくりへと舵を切った「改革の先駆者」です。一見、遠く離れた自治体ですが、実は三郷市と川西市には、私たちの未来を占う上で無視できない「意外な共通点」と「決定的な違い」があります。
3. 三郷市 vs 川西市:データで見る「私たちの街の現在地」
両市のデータを比較すると、三郷市民の皆様が直視すべき厳しい現実が浮き彫りになります。
比較項目
兵庫県川西市(視察時データ)
埼玉県三郷市(直近データ)
人口規模
約15.3万人(令和7年1月時点)
約14.2万人(令和8年6月時点)
地形
北部に山地が広がり起伏が激しい
関東平野の一部でほぼ平坦
都心アクセス
大阪・梅田まで約20〜30分
都心まで電車・高速で好アクセス
経常収支比率
約100%(令和5年度)
100.7%(令和6年度)
将来の人口
12万人まで減少の推計
現状は微増傾向

【データから読み解く三郷市の危機】

「家計のゆとり」はすでにゼロ以下: 自由に使えるお金の割合を示す「経常収支比率」は、100%を超えると「貯金を取り崩さなければ新しいことができない」極めて危険な状態を意味します。三郷市(100.7%)は、すでに川西市(約100%)以上に余裕がない状況です。

数字が示すのは、「現状維持は衰退である」という警告です。この厳しい数値を打破するためには、単なる節約ではなく、意思決定の「仕組み」そのものを変える必要がありました。

 

4. 変革のエンジン:市長の「覚悟」と「8年スパン」の政治決断

川西市の改革が成功している最大の要因は、市長が「自分が責任を取る」という退路を断つ姿勢を示し、行政の計画を政治の責任と一致させたことにあります。

 

■ なぜ「5年」ではなく「8年」の計画なのか

川西市は、従来の5年単位の計画を捨て、あえて市長任期(4年)の倍数である「8年」の計画期間を設定しました。

民意との一致: 5年区切りでは、市長が交代しても前任者の計画を引きずることになります。8年(4年×2)にすることで、市長が自らの公約を計画に直結させ、実行に責任を持つことができます。
社会変化への対応: 5年という固定的な期間では、急速な技術革新や社会情勢の変化に追いつけません。8年計画をベースに、毎年内容を修正(ローリング)し、市長選のある4年目に大規模な見直しを行う仕組みが、今の時代に求められる合理性です。

 「引いたらいけない」批判の矢面に立つトップの姿勢

補助金の見直しなど、反対が予想される場面で川西市長は決して部下を盾にしませんでした。深夜まで関係団体と直接向き合い、対話を重ねた市長の言葉が胸に刺さります。

「反対の声が集まる場面ほど、トップが前面に出なければならない。ここで引いてしまったら、改革は絶対に無理だ」 この「覚悟」こそが、全370事業のゼロベース見直しを支える真の原動力となっています。

5. 徹底解説:市民サービスを守るための「聖域なき見直し」事例

川西市は「単なるカット」ではなく、「サービスを維持・向上させるための転換」を実践しています。

毎年約10億円の赤字補填が続いていた市立病院を、民間病院と「統合・移管」し、市の建設費負担を半減させつつ、移管後4年で黒字化を達成しました。さらに、民間ならではの柔軟な経営により救急の受け入れ率も向上。財政再建と医療の質向上を両立させた「三方良し」の成功事例です。

老朽化したセンターを廃止する際、単に「なくす」のではなく、活動の場を既存の公民館等へ移す「代替措置」を徹底しました。これにより、3,000万円のコストを削減しただけでなく、空いた施設を民間に貸し出して「賃料収入」を得るという、攻めの姿勢に転じました。

近隣自治体と連携し、複数社が競り下げ方式で最安値を競う「リバースオークション」を実施。三郷市も近隣の八潮市・吉川市・草加市などと連携すれば、即座に大きなコスト削減が期待できるモデルです。

さらに川西市の行革は、安易な「人減らし」ではありません。DX(デジタルトランスフォーメーション)などで残業代(約6,500万円)を削減する一方、「職員の数は確保する」という方針を掲げています。これは、過度な人員削減によるサービス低下を防ぎ、職員が創造的な仕事に集中できる環境を作るためです。

 

6. 三郷市の未来を創る「7つの提言」

視察の総括として、私たち「創政MISATO」は以下の7項目を提言します。

 

・「理念・考え方・金額」を分けた3層の計画構造:総合計画(理念)・行政経営基本方針(考え方)・実行プラン(金額と事業名)の3層。削減額と新規事業が同じ紙に載るため、市民が全体像をつかめる。

市長任期に合わせた計画期間:4年の倍数で設計し、市長選のタイミングに見直しを置く。市長が任期途中で前の計画を引きずらず、民意と計画が一致する。

「やめる」なら代替措置とセットで:老人福祉センターの廃止では、活動の受け皿を公民館等に移し、跡施設は貸付で収入化した。「やめる」だけでは、サービスの低下で終わる。

負担増は市民のメリットとセットで:学童保育の育成料は、待機児童の解消を待ってから引き上げた。値上げ単独では「値上げだけするな」となる、という順序の設計。

近隣自治体との共同調達:電力調達のリバースオークションを近隣自治体と共同で実施。三郷でも、八潮・吉川・草加などとの枠組みが同じように成り立つ。

人を減らさない行政改革:時間外勤務の見直しで残業代6,500万円を削減する一方、職員数は確保する方針。人を減らさずに働き方を変えるという設計。

説明から逃げない姿勢:補助金の見直しでは、市長自身が関係団体と直接向き合った。反対の声が集まる場面ほど前に出る——制度の前に、姿勢の問題。

 

7. 結びに:市民とともに歩む新しい政治

行政改革の本当の目的は、お金を削ることではありません。「新しい三郷の未来に投資するための財源を生み出すこと」です。

川西市では、約300ページに及ぶ「決算成果報告書」を公表し、一つひとつの事業の効果を市民へ誠実に伝えています。三郷市においても、こうした「情報の透明性」こそが、市民の皆さんの信頼と、改革への参画を生む土台になると確信しています。

「これまで通り」が通用しない時代だからこそ、私たちは「何をやめるか」を語る勇気を持たなければなりません。私たち「創政MISATO」は、市民の皆さんと共に、痛みを伴う改革の先にある「希望ある三郷」を創り上げるため、全力で取り組んでまいります。

 

#三郷市議会議員

#創政MISATO

#行政視察

 

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日高 ちほ

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