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【高知市議/甲木良作】特定不妊治療助成503件、市一般財源は約47%減|政策効果の見える化を求...

2026/9/17

【高知市議/甲木良作】特定不妊治療助成503件、市一般財源は約47%減|政策効果の見える化を求める 予算決算常任委員会・厚生分科会報告

高知市議会9月定例会では、9月17日から予算決算常任委員会・厚生分科会が開かれ、こども未来部所管の令和7年度決算について審査しました。

以下、質疑の要旨をご報告します。

今回、私が質疑した一つが、特定不妊治療助成事業です。
令和7年度の決算額は3,059万4千円。令和7年度から県内統一の不妊治療助成制度が始まり、高知市でも対象年齢、助成回数、助成額が拡充されました。

従来は、対象となる妻の年齢が40歳未満、助成回数は夫婦1組につき1回限り、助成額は1回4万円でした。令和7年度からは対象年齢が43歳未満となり、助成回数は1子につき3回または6回までに拡充。県制度に加えて、高知市が独自に1万円を上乗せし、助成額は最大7万円となっています。

【市の一般財源は減少、一方で助成件数は2倍以上に】

決算を比較すると、令和5年度の助成件数は229件、決算額は910万8千円でした。
令和7年度は503件、3,059万4千円です。
件数は229件から503件へ、約2.2倍に増加しました。
一方で、令和7年度は県費2,575万3千円が充当されたことで、高知市の一般財源負担は令和5年度の910万8千円から484万1千円へ約47%減少しています。

私は分科会で、
「市の財政負担を抑えながら利用が大きく伸びたという点では、政策効果の高い事業であったと考える。制度改正初年度となった令和7年度を、市としてどのように評価しているのか」と質疑。

市からは、県との協議を経て制度拡充が図られ、その成果が件数の増加にも表れていること、財源面でも制度が整ったことから、出生数の向上に資する事業と評価しているとの答弁がありました。

【「503件」は503組ではなく、延べ件数】

「令和7年度の503件は、503組の夫婦が利用したという意味なのか。それとも延べ件数なのか」と確認。

答弁は、「延べ件数」でした。

令和7年度からは、年齢に応じて1子につき3回または6回まで助成を受けられるため、同じ方が複数回利用したケースも503件の中に含まれています。
つまり、助成件数が229件から503件へ増えたことだけでは、実際に何組の方へ支援の裾野が広がったのかまでは分かりません。

【「相当数の妊娠成立」とは、どの程度なのか】
さらに、高知市の事務事業評価調書には、
「治療の結果、必ずしも妊娠が成立するものではないが、申請の中で相当数の妊娠成立を確認しており、人口減少対策としても事業効果が見込める」
と記載されています。

そこで私は、
「『相当数』とは具体的にどの程度なのか。把握可能な範囲で妊娠成立件数や割合を示せないか」と質疑。

市からは、全ての利用者を追跡できているわけではないものの、把握できる範囲では40%程度とみているとの答弁がありました。

ただし、これは全利用者を追跡した確定的な「妊娠率」ではありません。その点には注意して受け止める必要があります。

さらに、
「では、令和5年度も同じ40%程度だったと考えているのか」

と確認したところ、令和5年度について同様であるかは分からないとの答弁でした。

このことからも、制度拡充前後を比較して政策効果を検証するには、助成件数だけでは十分ではないと考えます。

【高知市独自の「1万円上乗せ」の根拠も確認】
高知市は、県の助成制度に独自に上限1万円を上乗せしています。
その根拠についても確認しました。

市からは、もともと高知市では1回当たり4万円の助成を行っており、県制度が始まったことで従来の支援水準を下げることは好ましくないとの考えから、1万円を上乗せしたとの説明がありました。

高知市が県制度に1万円を上乗せし、最大7万円としたこと自体は、市長説明でも示されています。

【「何件使われたか」から「何が変わったか」へ】
私は最後に、今回の制度拡充について、市の一般財源負担を抑えながら支援を大きく広げられた点は一定評価できると申し上げました。

その一方で、今後さらに事業の政策効果を検証するためには、助成件数だけではなく、実利用組数、初回利用者数、複数回利用の状況、そして把握可能な範囲での妊娠成立など、成果がより分かる指標を持つ必要があると考えます。

現在の事務事業評価では、成果指標として「特定不妊治療助成件数」が設定されています。令和7年度実績は503件ですが、事業評価をさらに進めるのであれば、その先にあるアウトカムを見ることも重要です。

不妊治療は、極めてプライバシー性の高い分野です。
個人情報への十分な配慮を前提としながらも、公費を投入する事業である以上、
「何件利用されたのか」だけではなく、「何組の方に支援が届き、その結果どのような成果につながったのか」
を、可能な範囲で市民に説明できることが大切だと考えています。

こうした成果の見える化について部長の見解を求めたところ、今回の指摘を踏まえ、今後、高知市としてこの事業がさらなる支援につながるよう努めていくとの答弁がありました。

令和7年度の制度拡充は、県費の活用によって市の一般財源負担を約47%減らしながら、助成件数を2倍以上に広げたという特徴があります。

以上、一部ご報告でした。

決算審査を、次の政策改善につなげていきたいと思います。

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著者

甲木 良作

甲木 良作

肩書 高知市議会議員 甲木良作|地域のかかりつけ市議・1児の父・元高校教師・経営者
党派・会派 無所属

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