2026/8/19
子どもの「行きたくない」どう寄り添う㊤不登校に悩む子どもや家族への関わり方について。
多治見市議会議員の片山たつみです。
不登校に悩む子どもや家族への関わり方について、不登校ジャーナリストの石井しこう氏のインタビュー記事が公明新聞に掲載されたので紹介します。
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【2026年8月19日 公明新聞より】
誰もが「不登校」当事者になり得る時代/不登校ジャーナリストの石井しこう氏に聞く
小中学生の不登校が約35万人に達する今、これは誰にとっても当事者となり得る身近な課題と言えます。特に夏休み明け前後は、子どもの不安が高まりSOSが増える時期。社会全体でどう支えていくべきかを上・下の2回にわたって考えます。今週の上では、不登校に悩む子どもや家族への関わり方について、不登校ジャーナリストの石井しこう氏に話を聞きました。
■ズル休みは心を守る知恵
■夏休み明け前後は不登校が最も増加
――夏休み明けの前後、周囲は何に気を付けるべきですか。
石井しこう氏 この時期は、年間で最も不登校の子どもが増えるタイミングです。夏休み中に一見元気に過ごしていても、心の中では学校への強い不安や苦しさを人知れず抱えている子がたくさんいます。休み明けが近づき、体調を崩すなどのサインが見られたら、大人の理屈で無理に登校させようとせず、温かく見守る姿勢が大切です。本人の「行きたくない」という意思を何よりも尊重してください。
――もし実際に子どもが行き渋り始めたとき、親や祖父母など立場に応じた関わり方は。
石井 親御さんは不安に共感し、無理をさせない環境づくりに徹してください。祖父母の方は、孫への直接の助言は避け、悩むわが子(孫の親)の「聞き役」になり、その心を支えるケアに回りましょう。
また、周囲の「近い関係の方」は、「職場」と「ママ友・地域」で役割が大きく異なります。
まず職場の同僚や上司は、介護休業制度など相談窓口の「情報提供」をぜひ行ってください。不登校の初期ケアには介護休業が使えるのですが、会社側は、制度が使えることを従業員へ伝える義務があります。自分から休みを言い出しにくいので、職場からの具体的な情報提供や声掛けは非常に大きな力になります。
一方でママ友さんや地域の友人は、逆に具体的なアドバイスや情報提供を「控える」ことが重要です。「あそこに相談した?」といった情報は、かえって「解決に向けて動けていない自分」を責めることになり、親御さんを傷つけます。ママ友さんは、そばで話を聞く「傾聴」に徹し、「アドバイスは相談されてから」という大原則を守って、孤立を防いでください。
■助言より話を聞いて親を孤立させないで
――周囲の人が悪気なく親御さんを追い詰めてしまう「NGな関わり方」は。
石井 最も避けるべきは、原因を親の「育て方のせい」にすることです。また「引きこもりになるから早く解決しないと」など憶測で不安をあおるのもNGです。特に母親に対し「仕事を辞めて付き添うべきでは」と勧めるのは、生きがいを奪う追い込みになります。
周囲の人は助言をグッと飲み込み、親御さんが今何に苦しんでいるかを丁寧に聞き取り、孤立させないことが第一歩です。
■否定のない安心基地。そのままでいい場所
――子どもが回復し、一歩を踏み出すために必要なのはどんな場所か。
石井 それは「安心基地」です。「何もしなくても、その場にいるだけで認められる場所」です。失敗や苦しい経験を乗り越える力は、この安心基地があって初めて育まれます。家庭がまずはそうした否定されない空間になることが第一です。
また、親でも先生でもない「斜めの関係」の大人の役割も大きいです。こうした大人は不登校の話題に踏み込まず、ゲームなど「雑談ができる余裕のある人」として接するのが理想です。あくせくせず楽しそうに生きている大人には心を開きやすく、それが新たな安心基地になります。
――行き渋る子どもたちへメッセージを。
石井 学校がつらいなら、身を守るために「仮病」を使って休んで大丈夫。大人だって、うそをついて休むことがあります。それはズルではなく、限界が来る前に心を守るための知恵です。まずは1日休んで、それから明日を考えましょう。
■学校だけに縛られず学び方選べる時代へ
――これからの社会全体として、不登校の子どもたちをどう支えていくべきでしょうか。
石井 不登校を問題行動とするのではなく、多様な学び方や育ち方の一つの選択肢として認める社会にすることです。これからは、学校だけにこだわらず、その子に合った学び方を選べる時代です。
また、悩んだときに「ここに電話すればいい」という一本化された相談窓口の構築も急務です。セーフティーネットを整備し、学校以外の選択肢を皆が温かく認め合える、寛容な社会をめざしたいですね。
いしい・しこう 1982年東京都生まれ。「不登校生動画甲子園」などSNSを活用したイベントを企画・運営。近著に『小学生不登校 親子の幸せを守る方法』(KADOKAWA)など。

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