2022/10/7
無園児への支援について(宇治市の就学前教育についてその3)
前回のブログでは宇治市でも幼児教育センターを設置する予定とご報告するとともに、生まれによる機会格差が教育格差へとつながっている現状を改善するため、保育園も含めた広い意味での幼児教育の質を高めることが必要ではないかと提案いたしました。
今回は私が文教福祉常任委員会などで市に対して要望した、いわゆる「無園児」への支援についてブログでご報告いたします。
*このブログの内容は可知悠子『保育園に通えない子どもたち―「無園児」という闇』ちくま新書2020年、山口慎太郎「未就学児への支援、重点的に」日本経済新聞令和3年6月2日朝刊を参照しています。
無園児とは認定NPO法人フローレンス代表理事の駒崎弘樹氏が提唱した、3~5歳で幼稚園や保育園に通っていない未就園児のことです。地域社会とのつながりを絶たれている「無縁」とかけて「無園児」と呼ぶことで、未就園児が様々な障壁によって幼稚園や保育園に通う自由が奪われている状況を強調されています。
上掲書では無園児は低所得、多子、外国籍など社会経済的に不利な家庭に育ち、発達や健康に問題を抱えている傾向があると指摘をされています。前回ブログでもご報告したように「生まれ」による機会格差が教育格差となり、それが所得格差となっていく、貧困の連鎖がまさに就学前の段階から始まっているわけです。
幼児教育保育の無償化は素晴らしい施策ですが、無償化をしても無園児となる子供たちがいることからもわかるように、それだけでは就学前から始まっている「生まれ」による格差を是正することはできません。
もちろん、子ども庁の発足に併せて5歳児に対する幼児教育の「義務化」など様々な子ども支援を国も実施をしていくべきだと思いますが、基礎自治体としても取り組むことができる支援策はあると思います。
まずは現状を把握する必要があり、5歳児・4歳児で幼稚園・保育園などに通っておらず、「認可外保育支援施設」や「幼稚園類似施設」などにも通っていない無園児は市内にどのくらいいるのか、その原因は、などを市でも調査をするべきかと思います。
その上で、実情にあわせ、無償化の対象とならない費用を支援することや、費用以外に就園の障壁となっているもの(言語、健康、発達上の課題など)を取り除く支援策を実施していき、無園児の就園を促す施策が必要です。公立幼稚園の重要性はこういったところで発揮ができるのではないかと思います。
また、0~2歳児以降の保育も、福祉の側面が強い現状から、幼児教育としての役割を拡張し、たとえば一時保育を早期の幼児教育の場としていくことや、乳幼児期からの切れ目のない支援と早期の幼児教育及び就園の促進との連携など、無園児支援だけでなく、宇治市として独自の子育て支援施策が発展していけば、そしてその中心が幼児教育センターとなれば一番いいのではないかと考えています。
幼児教育の充実は格差を是正するために非常に効果的かつ効率的な政策とされています。また、子ども子育て支援の充実は、国にとっても非常に有益な次世代への投資であるとともに、基礎自治体にとっても人口転出超過を改善するための数少ない根拠のある政策です。
引き続きわたくしも幼児教育、子ども子育て支援について提言してまいりたいと思います。
宇治市議会議員 かどや(角谷)陽平 公式サイトはこちら

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