2026/9/16
今日の一般質問では10項目を取り上げましたが、そのうち5番目の「録音、通報、区民の声。AIはどう整理するか」の項目だけは、調査から原稿まで生成AIに任せて作りました。議場でもそう宣言します。ここでは、実際にAIに何を頼み、どこで私が手を入れたのかを、順番に書いておきます。
使ったのはClaudeというAIです。最初に送った指示は次のとおりです。
「私のこれまでの議会質問から、文京区の先端技術導入についての一般質問をAIにすべて任せて書かせる思考実験を行う。あなたは、文京区議会議員の高浜直樹として、最新のデジタル社会、自治体DXを調査して、文京区に生かせそうな課題を100個調査して。」
返ってきたのは、窓口、電話と広聴、子育てと教育、防災など10分野に分けた100項目のリストでした。ただ、この段階ではまだ「世の中で話題になっていること」の一覧にすぎません。どれを選ぶかの物差しがないので、ここから質問は作れません。実際「私の過去の質問原稿を読んで質問文を100問生成して」と指示してみました。数分で出力されましたが、どれもそれらしく質問になっていましたが、私が議員として発言すべきと思えるものはありませんでした。
ここで方針を変え、この4年間に私が一般質問で取り上げた先端技術やAIの話題と、それに対する区の答弁をまとめさせました。AIの整理では、実現まで進んだのは育成室の電子申請と学校の連絡アプリくらいで、残りの多くは「研究してまいります」「検討してまいります」で止まっていました。
おもしろかったのは、AIがその答弁の中から「もう一度使える言葉」を抜き出してきたことです。たとえば令和6年9月に通話録音を提案したときの「AI文字起こしの導入も含め研究してまいります」、令和7年11月にLINEでの不具合通報を提案したときの「道路管理区分に応じた情報整理等に課題がある」という答弁です。AIはこれらを並べて、区ができない理由として挙げているのは技術ではなく、所管の分かれ方や前例のほうではないか、と指摘してきました。これは自分では気づいていなかった見方でした。
ちなみにAIは最初、通話録音を提案した時期を令和6年6月と取り違えていました。議事録で確かめて9月に直しています。日付や数字は、最後は人間が一次資料で確かめる必要があります。
最新の動きを調べて、テーマを絞りました
言葉のストックから、電話のAI文字起こしとLINE通報の2本を1つの項目にまとめることにしました。区民が区に何かを伝える入口という点で同じ話だからです。
原稿を書く前に、最新の動きをAIに調べさせました。他区ではAIによる電話応対の実証が始まっていること。本年10月1日から、カスタマーハラスメント対策がすべての事業主の義務になること。福岡市はLINEで道路などの不具合を受け付け、市の管理ではないものは管理者に情報を渡す運用をしていること。こうした材料がそろったことで、「区の答弁が挙げた課題は、すでに他の自治体が運用で解いている」という組み立てができました。
原稿そのものはAIが書きましたが、方針はこちらで決めています。1項目900字以内に収めること。記号を使わないこと。答弁が区民の実利につながらない問いは削ること。そして、答弁を書く課が1つに決まらず、複数の課で考えてもらう形にすること。
途中で、区民の声のホームページでの公開も3つ目の入口として加えました。令和5年6月に「公開することが有用であると判断したものを掲載」と答弁されていた件です。庁内で共有できているものを、なぜ区民には共有できないのか、という問いにしています。AIで大量の意見をまとめて読み解く「ブロードリスニング」という言葉も、聞いてすぐ分かるよう説明を添えました。
学校の電話対応では、スクールロイヤーの配置について私が知っている事実を伝え、論点を組み直す案も出してもらいましたが、字数の関係で最終的には外しています。
タイトルも何度か案を出させました。最初は「AIはどう受け止めるか」でしたが、区民の声を受け止めるのは区であってAIではありません。この項目でAIが実際にやったのは、別々の課が持っている3つの話を1つに整理したことです。そこで「AIはどう整理するか」に変えました。
振り返ると、この項目の材料は、すべて私がこの任期中に行った質問と、区のご答弁です。AIが新しく作ったのは、それを1つの課題として並べ直したことだけでした。それでも、4年分の答弁を読み直して「できない理由の正体」を言い当てるところは、1人で作業していたら何日かかったか分かりません。
録音、通報、区民の声。区の中では所管がすべて違いますが、区民から見れば同じ1つの区役所です。明日、区長と教育長がどう答えるのか。答弁が出たら、予想とどこが違ったのかも含めて、またここで報告します。
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ホーム>政党・政治家>たかはま なおき (タカハマ ナオキ)>【文京区議会】質問を、AIに全部書かせてみた件、種明かし。