2026/8/2
こんにちは。古田ひろきです。
これまで滋賀県が導入を検討している「交通税」について、その凍結を目指して活動を続けてきました。
https://go2senkyo.com/seijika/170841/posts/1305878
交通税は、バスや鉄道など地域公共交通を維持・充実させるための新たな財源として県が検討しているものですが、住民の負担を新たに増やす前に、まだまだやるべきことがあります。
その「やるべきこと」の一つが、今回取り上げる「公共ライドシェア」です。
実は大津市では、この公共ライドシェアについての検討が、すでに2年ほど続けられています。
検討から早期に実証へ移行するべきであり、今後、働きかけを行っていきます。
そこで、公共ライドシェアを大津市で実際に実現するために何が必要かを、現状・制度・他市事例・メリットと懸念点の全4回に分けて整理していきます。
今回はまず、大津市が公表している地域公共交通計画などの資料を手がかりに、現状を整理します。
大津市はまちづくりの方針として「コンパクト+ネットワーク」を掲げ、地域公共交通を重要な役割として位置づけています。
ただし、市自身が認めているとおり、路線バスをはじめとする地域公共交通は、利用者数の減少による経営環境の悪化と、運転手不足という二重の課題に直面しています。
特に注目したいのは、市の第2次地域公共交通計画(案)で示された自動車分担率です。
市内移動における自動車の分担率は約46%とされています。
この数字の背景について、パブリックコメントでは「ダイヤの不便さや運転手不足だけが原因ではなく、それ以前から自動車を使う生活スタイルが定着していたのではないか」という指摘も寄せられています。
つまり、大津市では自動車での移動が定着していることを前提としつつ、その上でバスや乗合タクシーだけでは対応しきれない移動ニーズがどこにあるのかを見極める必要がある、ということです。
大津市はすでに、交通が不便な地域に対して独自の対応を始めています。代表的なのが、志賀地域で運行されている「デマンド型乗合タクシー」です。
事前予約に応じて運行するこの仕組みは、路線バスの維持が難しいエリアでの移動手段として位置づけられています。
市の地域公共交通活性化協議会では、この乗合タクシーの停留所の追加や移設についても継続的に協議が行われています。
地域を回っている中で、乗合タクシーでは家の前まで来てくれないため足が不自由な人のニーズに対応できていないという声も頂いています。
また、山中比叡平学区のように、地域住民自身が交通のあり方を市と一緒に検討している事例もあります。
こうした動きは、大津市が「交通空白地」を単なる統計上の話ではなく、実際に生活に困る人がいる場所として認識していることの表れといえます。
ここで注目したいのは、同じ滋賀県内の甲賀市の動きです。
甲賀市では、バス運転士不足への対応として、土山地域の路線バス4路線のうち3路線を対象に、自家用車と第一種運転免許を持つドライバーが運行する「甲賀流公共ライドシェア」の実証運行がすでに始まっています。
運行管理は地元の事業者に委託し、タクシー・バス事業者との共同運営という形を取っているのが特徴です。
大津市よりも人口規模の小さい自治体とはいえ、「同じ滋賀県内で、公共ライドシェアという制度が実際に走り始めている」という事実は、大津市にとっても他人事ではありません。
大津市の交通課題は、「バスがない」という単純な話ではありません。
この3つが絡み合っている以上、路線バスの維持や乗合タクシーの拡充だけでは限界があります。
大津市で「公共ライドシェア」の検討がすでに2年ほど続けられているのも、こうした課題の複雑さを踏まえた動きだと言えます。
新たな税による負担増を検討する前に、まずはこの制度をどう実現していくかを、私たちも一緒に考えていきたいと思います。
次回は、よく混同されがちな「日本版ライドシェア」と「公共ライドシェア(自家用有償旅客運送)」の制度的な違いを整理し、大津市にとってどちらがより現実的な選択肢なのかを考えていきます。
出典:大津市地域公共交通計画/第2次大津市地域公共交通計画(案)、大津市地域公共交通活性化協議会資料、滋賀県ホームページ(甲賀流公共ライドシェア実証運行について)
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