わたなべ 友貴 ブログ

「杉並区の」給食費無償化。こんな施策には賛成できません。

2023/10/1

東京23区で流行りの給食費無償化。

 

 

岸本さとこ杉並区長は、昨年の区長選挙の目玉公約の1つに掲げていました。

 

 

しかし、財源に課題があることが当選してからわかったそうで(財政調整基金をじゃぶじゃぶ使うつもりだったようですが、そんなことはできません。応援した立憲共産党さんは、選挙中に教えてあげればよかったのに)、給食費無償化を議案にできたのは、23区でもほぼドンケツの順番になりました。

 

 

私は、そもそも給食費無償化に否定的な立場です。

 

 

教育施策は、給食費無償化のようなバラマキではなく、教育の質向上や教育環境の充実に優先的に取り組むべきだと考えています。

 

 

それでも、杉並区が給食費無償化を提案してくるのであれば、反対ありきではなくしっかり議論はしてみたい、とも考えていました。

 

 

なぜなら、23区の他の自治体はほとんど給食費無償化を実施している(する予定)以上、後塵を拝した杉並区は他の自治体の好例をパクりまくり、一番いい制度設計ができているものと思っていたからです

 

 

しかし、結果的にはもう『残念すぎる制度設計でした。

 

 

答弁を聞いても、賛成できる要素はゼロ。

 

 

正直、バラマキ公約実現を優先した、自己満足としか思えません。

 

 

その主な理由は

1.公立以外に通う世帯への手当が全く考えられていない

2.不登校の子供のいる世帯への手当が全く考えられていない

3.次年度以降の財源見通しが全く立っていない

4.保護者向けアンケートの結果無視

 

 

この4点です。

 

 

それぞれ解説します。

 

 

まず、1.公立以外に通う世帯への手当が全く考えられていないことです。

 

 

今回の区の制度では、公立小・中学校に子供が通う世帯の給食費を無償化する(徴収しない)としています。

 

 

したがって、私立、国立、都立に通う子供がいる世帯には、一切恩恵はありません。

 

杉並区は答弁で、この施策は『少子化対策であり、子育て支援である』という謎理論を展開しています。

 

 

仮に、子育て支援であるならば、子育て世帯全世帯を対象にしなければ理屈は通りません。

 

しかし、公立以外の子育て世帯は排除。

 

 

杉並区にとって、公立以外へ子供を通わせている世帯は、子育て世帯ではないようです

 

 

これは、厳しい言葉ですが、『差別』です。

 

 

差別を生み出すような施策に、私達会派は賛成するようなマネは決していたしません。

 

 

ちなみに、中野区は公立とそれ以外の子供に差が出ないように、それぞれに給食費相当額を現金支給していますし、墨田区は、公立の給食費を非徴収とし、それ以外の子育て世帯へ3万円の現金を支給するそうです。

 

 

他の自治体の施策をうまくパクればいいのに、区の答弁は『現金支給にすると、そのお金が子供に使われる保証がないので』駄目駄目だそうです。

 

 

中野区さん、墨田区さん、杉並区が施策を強烈にディスって申し訳ありません。。。

 

 

次に『2.不登校の子供のいる世帯への手当が全く考えられていない』ことです。

 

 

不登校の子供のいる世帯は、給食費の支払いを止めることができます。

 

 

そうしたご家庭では毎食子供に自宅で食事を食べさせているわけで、金銭的負担は給食費を支払っている世帯と同等、もしくはそれ以上です。

 

しかしながら、そうしたご家庭のことには一切目を向けていません。

 

 

答弁では「給食費の支払いをしていないから、今回の対象ではなくても問題ない」と、見事に不登校の子供のいる世帯を切り捨てました。

 

 

最低です。

 

 

また、『3.次年度以降の財源見通しが全く立っていない』ことについても疑問です。

 

 

今回の杉並区の給食費無償化は、10月から3月までの下半期分で、約9億5千万円の予算額です。

 

 

この9億5千万円の出どころは、昨年度予算を執行できなかった事によって生まれたものとの答弁です。

 

 

コロナ禍で、事業が消化しきれなかったものが多かったという趣旨の答弁もあり、言ってみれば「ラッキーヒット」でダブついたお金、ということです。

 

 

来年度も給食費無償化を続けるためには、これまで約17億円の予算が必要と考えられていましたが、昨今の物価高の影響もあり、到底その額では足りなくなるであろう、という答弁もありました。

 

 

このお金をどのように確保していくのか。

 

 

あらゆる委員が答弁を求めても、「なんとか頑張ります!」という趣旨以上の答弁はありませんでした。

 

 

給食費無償化は、一度始めてしまえばやめることはできません。(道義的に。答弁も出ていた。)

 

 

にも関わらず、「頑張ります、でも駄目でした」となったら、区の貯金(財政調整基金)を切り崩すような蛮行に走ることは目に見えています。

 

 

しかし、財政調整基金は喫緊の課題に向き合う際に取り崩す趣旨のものであり、給食費無償化の制度趣旨にはそぐわないものです。

 

 

なぜなら、杉並区で給食費を支払うことができずにいる世帯はほぼいないからです(答弁あり)。

 

 

本当に苦しい世帯には、既に就学援助という仕組みがあるので、そちらで十分。

 

 

こうして話を順に詰めていけば、杉並区の無計画な給食費無償化施策が明るみになります。

 

 

それにもかかわらず、財源見通しの立たないリスキーな話を丸呑みする議員達。

 

 

仕事しましょうよ。

 

 

私としては、しっかりと当初予算で財源が確保できた段階でしっかり審議しましょうよ、次年度当初からの施行を目指してみればいいじゃない、という、いわば助け舟を出したつもりでしたが、無駄でした。

 

 

そして、極めつけは「4.保護者向けアンケートの結果無視」です。

 

 

区は、公立に通う保護者に独自にアンケートを取っており、その結果では、給食費無償化を望む声は全体の3位。

 

 

第1位は、人的措置の充実、第2位は、体験学習等の充実でした。

 

 

結果を無視するなら、アンケートなんかするなよ。。。みっともない。

 

 

学校現場の人員不足は深刻です。

 

 

吉田あい幹事長の紹介した保護者からの声を引用します。

 

 

《人員不足から、あるベテラン教員によゆうがなくなり、児童に不適切な発言を行って、給食を食べることを共用してしまった。※解決済み もちろん、ベテラン教員の言動は許されないが、そこに至る状況になってしまった職場環境に根本原因があると思います。先生が笑顔で過ごせない環境で、子供が笑顔になれるわけがありません》

 

 

こうした苦しい生の声を、私達会派は本当に多く聞いていてきました。

 

 

だからこそ、委員会でも厳しく指摘し、本会議でも釘を差してきました。

 

 

しかし、行政にも、議案に賛成した議員たちにも、一切届きませんでした。

 

 

申し訳ありませんが、人の心を何処かに置き忘れてきてしまったとしか思えません。

 

 

対話を重視する岸本さとこ区政にも関わらず、保護者の生の声すら無視する姿勢は許せません。

 

 

公約だからと、聞きたくない声をなかったものにする、最低な区政です。

 

 

議論した総務財政委員会では、7時間議論が行われ当日の委員会終了時間は午後10時。(私の誕生日でした、家族での誕生日パーティーはできず)

 

 

残念ながら、議案は維新・立憲・共産・公明・田中朝子議員の賛成によって委員会を可決してしまいました。

 

 

もっとも、6名で会派を構成する公明党さんから、「公立へ通わせている世帯以外への対応を強く要望する」旨の意見が付されたことは重要です。

 

 

 

つまり、来年度予算で区が公立以外への手当に予算をつけていなければ、「公明党は賛成できない」ということです

 

しかし、区は答弁で公立以外への現金での手当を否定しましたので、一体どうやって手当するのか。

 

また、公立以外への手当が仮に何らかの方法でできたとしても、予算総額は膨れ上がり、ますます財源確保が難しくなります。

 

場当たり的な答弁でその場を乗り切ろうとするから、こういうことになるんです。

 

本会議で反対したのは下記の17名。

 

反対⇒自杉10・無都4・セン1・れ耕1・無所1

※次年度予算で、仮に上記の理由で公明が反対すれば賛否がひっくり返る可能性があります。

 

こうして、稀に見る愚策ともいえる「杉並区における給食費無償化」がスタートしてしまいました。

 

今後は、適正な失効になっているのか、費用対効果はどうか、財源はどうかなど、議論のステージは変わりますが、引き続き、教育関係予算の優先順位を正しい方向へ引き戻せるように、尽力してまいります。

 

※以下、7時間質疑を聞きながら書き上げた意見開陳を添付します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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肩書 杉並区議会議員
党派・会派 自由民主党

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