2025/11/16
戦後80年🍀沖縄・伊江島のガジュマルが語る実話/映画『木の上の軍隊』鑑賞記(ちょっとネタバレあり)
第35回 TAMA CINEMA FORUMにて、映画『木の上の軍』の上映と、平一紘監督、井上麻矢氏(こまつ座代表)のトークイベントに参加してまいりました。舞台版(2016年)と映画版(2025年)を続けて鑑賞し、この実話が持つ重みと、平和へのメッセージを深く受け止めました。
◆映画の概要
作家・井上ひさし氏の戯曲を映画化した『木の上の軍隊』の舞台は、沖縄本島から北に浮かぶ美しい島、伊江島です。
これは、太平洋戦争終結後、それを知らぬままガジュマルの木の上に潜伏し続け、約2年間も「戦い」を続けた2人の日本兵の実話に基づいています。過酷な状況下での樹上生活を通じて、戦争が人間の尊厳や命をいかに理不尽に奪っていくかを鮮烈に描いた作品です。
◆伊江島料理「しまぶくろ」と『木の上の軍隊』のポスター
この映画を鑑賞する以前から、私は沖縄と伊江島に強い縁を感じていました。
今年10月、沖縄を訪問した際、那覇市内でうちなんちゅの方に連れて行っていただき訪れたのが、伊江島料理の「しまぶくろ」さんでした。お店の玄関や店内には、伊江島の特産品とともに、この『木の上の軍隊』のポスターが誇らしげに貼られていました。
「『木の上の軍隊』のポスター貼られているんですね。」と話かけさせていただき、店主の方が熱を込めて語ってくださったのです。
「この映画は、伊江島での実話を元にしたもの。ぜひ多くの人に伊江島を訪れて、この物語の背景を知ってほしい」
その熱意に心を動かされ、私は即座に12月に伊江島(伊江村)への訪問を決意しました。映画鑑賞は、伊江島訪問を前に、物語の舞台となった地へ想いを馳せる貴重な機会となりました。伊江島は、沖縄戦で激しい地上戦が行われた場所であり、戦後80年を迎えるにあたり、私たちが向き合うべき歴史の原点です。
◆ 映画が問う「戦争」と「平和」
『木の上の軍隊』を鑑賞し、改めて考えさせられたのは、「戦争の終わりとは、本当にいつだったのか」という問いです。
戦後も戦い続けた日本兵たちの姿は、私たちに「戦果」や「勝利」といった表層的な言葉ではなく、戦争がもたらす人間の孤独と理不尽さを突きつけます。
2人の日本兵を隠し、命を繋いだガジュマルの木は、彼らにとっての命綱でありながら、社会から隔絶された閉じられた戦場そのものでした。生命力溢れるガジュマルの木と、その上で生命をすり減らしていく日本兵たちの対比が、戦争の矛盾を象徴しています。
トークセッションで、井上麻矢氏が語られた、父・井上ひさしの「平和」への思い。(アゲハ蝶のお話が素敵でした。)そして平一紘監督の「沖縄出身者」としての視点から語られる言葉一つ一つが、この実話を単なる歴史物語ではなく、「今を生きる私たちへのメッセージ」として強く響かせました。
◆沖縄を描くもう一つの側面『ミラクルシティコザ』
10月の沖縄訪問時、那覇空港内の映画館で、平一紘監督のもう一つの作品『ミラクルシティコザ』を鑑賞しました。
『木の上の軍隊』が、戦争の悲劇という重い歴史の側面を描くのに対し、『ミラクルシティコザ』は、戦後の基地文化が生んだロックンロール、そして力強く生きる現代の沖縄のエネルギーを描いています。
平監督は、戦争の悲惨さも、その後に生まれた独自の文化も、沖縄の光と影、過去と現在を多角的に描くことで、私たちが沖縄を「基地問題」や「戦争の悲劇」といった一面だけで捉えることなく、多層的な視点を持つことの重要性を示していると感じました。
戦争体験者が少なくなる中、歴史を記憶し、それを次世代へ「語り継ぐ」ことこそが、平和な未来を築くための私たちの責務です。
『木の上の軍隊』は、私たちに「平和」は自然にあるものではなく、絶えず築き、守り、語り継ぐ努力によって維持されるものだと教えてくれます。
12月の伊江島訪問を通じて、私はこの物語の舞台を実際に肌で感じ、さらに深く歴史を学びたいと思っています。その経験を松戸市の皆様と共有し、平和推進や次世代への教育に活かしてまいります。
映画『木の上の軍隊』、そして沖縄の歴史に触れて、「戦争とは、平和とは」を考えるひとときを持っていただければ幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
◆映画『木の上の軍隊』公式サイト
https://happinet-phantom.com/kinouenoguntai/






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