2026/6/1
浜松市のスズキ歴史館を訪問し、電動車いす(セニアカー)の普及を通じた高齢者の移動支援や安全対策の現状について学びました。
スズキ歴史館は、自動車や二輪車の製造を通じて発展してきたスズキ株式会社の歴史や技術を紹介する施設です。館内では創業以来の歩みやものづくりへのこだわり、環境・安全技術への取組について説明を受けるとともに、高齢化社会に対応した移動手段の一つであるセニアカーについて視察しました。
セニアカーは、道路交通法上は歩行者として扱われる電動車いすであり、高齢者や歩行に不安を抱える方々の移動を支える重要な手段です。買い物や通院、地域活動への参加など、日常生活における近距離移動を支援することで、高齢者の外出機会の確保や社会参加の促進につながっています。

今回の視察では、実際にセニアカーの試乗を体験しました。操作は想像以上に簡単で安定性も高く、安全面への配慮が随所に施されていました。徒歩では負担を感じる距離でも無理なく移動できることから、自動車運転免許を返納した後の移動手段として有効であることを実感しました。
一方で、普及に向けた課題も感じました。まず、購入費用は決して安価ではなく、多くの高齢者にとって導入のハードルとなっています。また、セニアカーは歩道を走行するため、十分な幅員の確保や段差解消など、安全に利用できる道路環境の整備が欠かせません。歩道が狭い地域や起伏の多い地域では、利用しづらいケースも想定されます。

しかしながら、高齢化が進む中で、セニアカーを利用する方を見かける機会は以前より増えているように感じます。特に公共交通が十分ではない地域や、日常生活圏内での移動に課題を抱える地域では、高齢者の生活を支える有効な移動手段として定着しつつあります。
兵庫県においても、高齢化の進展や運転免許返納者の増加が見込まれる中、高齢者の移動手段の確保は重要な課題です。地域公共交通の維持・充実に加え、セニアカーをはじめとする多様な移動手段の活用についても検討を進める必要があります。また、安全に利用できる歩道整備やバリアフリー化を進めることは、高齢者だけでなく、誰もが安心して移動できるまちづくりにもつながります。

今回の視察を通じて、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるためには、移動の自由を確保することが重要であると改めて認識しました。今後の県政においても、高齢者の外出機会の創出や健康寿命の延伸、地域コミュニティへの参加促進につながる施策について検討を深めてまいります。
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