2026/7/30
こんにちは、練馬区議会議員高橋しんごです。
今日は、以前より私のSNSを見て頂いていた訪問者が会派にお越しになられ、短い時間ではありましたが、様々なご意見を伺う事が出来ました。
練馬区で重度訪問介護事業所を経営し、ご自身も障害当事者である方が、障害者が直面する制度的課題や、介護現場の運営上の困難について伝え、改善を求めるために意見交換をさせて頂きました。
主な議題は多岐にわたり、
①「見えない障害」に対する社会的理解の不足と、その象徴であるヘルプマークの機能不全
②インクルーシブ教育の理想と現実の乖離
③介護人材確保を阻む処遇・制度上の問題(特に移動支援の採算性の低さや賃金体系)
④介護報酬請求における「月遅れ請求」という非効率な慣習など。
これらの課題解決のため、診断書に基づく公的な障害認定制度の創設、個別最適な教育環境の構築、介護報酬・加算の見直し、そして返戻制度の是正などを具体的に提案いただきました。
私も問題意識を共有し、今後の具体的な解決策を連携して模索していきます。
顧客は、練馬区で重度訪問介護事業所を経営する傍ら、とある団体の副幹事を務められており、非常に勉強させていただきました。複数の「見えない障害」を持つ当事者であり、これらの経験から、障害当事者と介護事業者の両方の視点で社会課題の改善を目指しているとの事で、私自身のブログで事故による後遺症について言及していたことから、当事者目線での理解を期待され、今回の面談が本日設けられました。
また、議論はご自身の家族史や原体験(練馬区大泉地域の部落差別の歴史など)にも及び、社会的マイノリティが直面する課題の複雑さや、地域史理解の重要性についても共有させていただきました。
外見からは分かりにくい「見えない障害」を持つ人々が、社会的な理解を得られずに困難に直面している。特にヘルプマークは、誰でも簡単に入手できるため、ファッションアイテム化・キャラクターグッズ化しており、本来の機能を果たしていない。その結果、本当に支援が必要な人がマークを提示しても正当性を疑われ、適切な配慮を受けられない状況がある。顧客自身も、病気の症状や障害の特性により公共の場で誤解される経験があり、マークが障害の証明として機能していないと、ご指摘いただきました。
知的障害者の移動支援など短時間(例:2時間)のスポット業務は報酬が低く、事業所の採算を圧迫している。
長時間支援(例:12時間)から人員を割かざるを得ず、事業全体の収益性が悪化。
さらに、ヘルパーの移動時間は報酬評価されず事業所の持ち出しとなり、人材確保をより困難にしている。
これについては、所管課長さんともお話をさせて頂きましたが、現在、国で初めての調査が行われており、来年4月の改定に向けて検討いただいているとの事で進捗を見守りたいと思います。
介護分野の賃上げは公費に依存し、物価高騰に対応できていない。
練馬区は処遇改善の対応が遅れ気味であり、新宿区のように医療支援分野で手当を拡充し人材確保に成功している事例との差が生まれている。
保育分野に比べて住居手当などの支援も不十分である。
介護福祉士などの資格が、必ずしも現場の実務能力を反映していない。
手当目的で資格が取得され、教科書通りの知識では対応できない現場の実態と乖離している。
これにより、実務能力が高い無資格者より経験の浅い有資格者が評価される矛盾が生じ、人材確保の障壁になっている。
請求書の軽微な記載ミス(例:時間の重複)があっただけで、請求全体が差し戻され、報酬の支払いが1ヶ月以上遅延する慣習が存在する。
これは事業所のキャッシュフローを著しく悪化させ、特に小規模事業者にとっては倒産にも繋がりかねない経営上の大きなリスクとなっている。
請求業務自体も電子化と手書きが混在し、非効率である。
インクルーシブ教育において、多動傾向のある子どもがいることで授業が中断され、他の健常児の学習権が保障されないという問題が発生している。
画一的な統合教育ではなく、一人ひとりの特性に合わせた教育方法の確立が急務だが、その「さじ加減」が非常に難しい。
また、マイノリティを保護する動きがマジョリティ側の不公平感を生み、「逆差別」として新たな分断を招くリスクも指摘。
今回のお話を通じて、障害のある方が日常生活の中で直面している困難は、本人の努力だけで乗り越えられるものではなく、制度や社会の側に改善すべき課題が数多く残されていることを、改めて強く認識しました。
とりわけ、外見からは分かりにくい障害への理解、ヘルプマークのあり方、個々の特性に応じた教育環境の整備、介護人材の確保と処遇改善、移動支援の報酬体系、そして介護報酬請求における返戻の問題は、障害当事者の生活だけでなく、支援を担う事業者の経営や、現場で働く方々の暮らしにも直結する重要な課題です。
制度は、本来、支援を必要とする方を守り、現場で支える方々が安心して働き続けられるものでなければなりません。しかし、実際の運用が複雑化し、かえって当事者や事業者に過度な負担を強いているのであれば、その仕組み自体を見直していく必要があります。
今回いただいたご意見を一度の面談で終わらせることなく、まずは個々の課題を整理し、練馬区で改善できるもの、東京都や国に働きかけるべきものを明確にしてまいります。その上で、所管部署への確認や他自治体の先進事例の調査を進め、議会での質疑や政策提言につなげていきます。
当事者の声と現場の声に丁寧に耳を傾け、理想論だけではなく、実際に利用する方、支援する方、そして地域社会全体が納得できる制度をつくることが、政治の役割です。誰もが必要な支援を適切に受け、自らの特性や尊厳を大切にしながら暮らすことのできる練馬区を目指し、今後もしっかりと取り組んでまいります。

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