2026/7/13
こんにちは、練馬区議会議員高橋しんごです。
標記の「公職選挙法及び特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律の一部を改正する法律案」が成立いたしました。
今回の改正を、単に「メールが自由に使えるようになった」と捉えるのではなく、政治家自身の情報発信の信頼性が、これまで以上に問われる制度変更と受け止めるべきです。
参議院では2026年7月13日に可決され、改正法は原則として2027年3月1日に施行されます。電子メールについて送信主体や事前同意などの選挙運動上の規制が廃止され、ウェブサイト等と同様の規律に統一されます。また、選挙運動などで使用するAI生成・改変画像や映像には、一定の場合を除いて、その旨を端末画面上に正しく表示する義務が設けられます。
法律上送信できることと、政治家として送信すべきことは別です。
事前同意が不要になったとしても、無差別に大量のメールを送れば、「迷惑メールを送る政治家」という印象を与えかねません。したがって、法定基準を最低ラインとし、例えば次の自主基準を設けるべきです。
選挙運動上の事前同意規制がなくなっても、個人情報保護、名誉・信用、他人のメールアドレスの取扱いなど、別の法的・倫理的問題がなくなるわけではありません。具体的な運用は、今後示される総務省の通知やガイドラインも確認する必要があります。
改正法では、実際に撮影されたものと誤認されるおそれがあるAI生成・改変画像などについて、原則としてAIを利用した旨の表示が求められます。一方、軽微な改変や、実写と誤認されるおそれのないものは除外されています。
しかし政治家としては、法律上の対象になるかどうかを細かく争うのではなく、少しでも誤解を招く可能性がある場合は、
※この画像は生成AIを使用して作成したイメージです。
と明示する方が適切です。
特に避けるべきなのは、実際には存在しなかった街頭演説、住民との交流、災害現場、視察、著名人との面会などを、現実にあった出来事のように見せることです。政策の完成予想図やイメージ図にAIを使う場合も、「現在の計画を示す正式な図面ではない」ことまで表示した方が安全です。
改正法では、選挙に関してインターネットを利用する者に対し、候補者について虚偽の事項を公表したり、事実をゆがめて選挙の公正を害したりしないよう求める責務も明文化されました。
そのため、政治家本人の発信については、
事実、評価、推測、将来の公約を明確に分けること
が重要になります。
例えば、
を使い分けます。
数字、予算額、議会での発言、他候補者に関する情報には、可能な限り出典や原資料を付けるべきです。誤りが判明した場合は、投稿を黙って削除するだけではなく、訂正内容と訂正日時を明示する運用が信頼につながります。
一般有権者も電子メールによる選挙運動が可能になるため、候補者本人が適切に運用していても、支援者が誤情報や未確認情報を大量に送信するリスクがあります。
選挙前に、後援会やボランティア向けの簡潔なガイドラインを作るべきです。
内容としては、
という基本事項が必要です。
「支援者が勝手にやった」という説明では、政治的な責任を免れられない場合があります。候補者側が事前に教育し、問題を認識した際には速やかに停止を求める体制が必要です。
今回の法改正を契機として、次の姿勢を公表することに意味があります。
制度が緩和されたからこそ、政治家側には、より慎重で節度ある情報発信が求められます。私は、無差別なメール送信や、受信者が不快に感じるような過度な配信は行わず、配信停止の意思を尊重します。また、生成AIを利用した画像や映像については、法律上の義務の有無にかかわらず、誤解を招く可能性がある場合には明確に表示します。
選挙は、情報量や拡散力だけを競うものではありません。事実に基づく政策論争と、有権者が冷静に判断できる環境を守ることも、政治家の責任です。新しい制度を積極的に活用しながら、透明性と信頼性を最優先に取り組んでまいります。
最も重要なのは、「使えるようになった手段を最大限使う」ことではなく、「有権者から見て信頼できる使い方を先に示す」ことです。

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