2026/3/1
2025年11月6日の参院本会議で、高市早苗首相が竹中平蔵氏(小泉内閣での経済財政政策担当大臣)を「我が国の経済再生に貢献した」「金融システムの安定強化などに尽力された」と公式に評価した発言が、X(旧Twitter)で再燃し、「国賊」「売国奴」といった厳しい批判が殺到しています。

この騒動は単なる過去の蒸し返しではありません。高市政権の経済路線が、竹中氏の「新自由主義的構造改革」の延長線上にあるのではないか――そんな疑念が、私の胸に重くのしかかっています。
私は竹中平蔵氏の政策に、根本的な疑問を抱いています。このまま進めば、日本は確実に危機にさらされるでしょう。なぜなら、彼の推進した「痛みを伴う改革」は、表面上の金融安定化を優先するあまり、国民の生活基盤を根底から破壊したからです。
小泉政権下で竹中氏が主導したのは、不良債権処理(いわゆる「竹中プラン」)と労働市場の規制緩和です。
不良債権処理自体は、銀行システムの崩壊を防いだという点で一定の評価は可能です。しかし、そこにセットで押し進められた**労働者派遣法の大幅緩和**が問題の本質です。製造業への派遣解禁、派遣期間の延長などにより、非正規雇用が急増。1990年代後半の約20-30%から、現在では約4割にまで膨れ上がりました。
結果はどうなったか。
- 若者を中心に「不安定雇用」が常態化し、賃金は上がらず、ボーナス・退職金も期待できない。
- 結婚・出産を諦める人が増え、少子化が加速。
- 正社員と非正規の二極化が固定化され、格差社会が深刻化。
竹中氏本人は「派遣労働者は全体の3-4%に過ぎない」「格差拡大は暴論」と反論しますが、これは詭弁です。非正規全体(パート・契約社員含む)の増加を誘発したのは、明らかに竹中氏が象徴する規制緩和路線です。企業は「正社員を守るため」に非正規を調整弁として使い、結果として日本全体の消費力と内需が弱体化したのです。
さらに、竹中氏がパソナグループ(人材派遣大手)の会長に天下った事実は、批判を避けられません。自ら緩和した規制で利益を得る「政商」の典型ではないか――こうした声が根強いのも当然です。
竹中氏は近年、「日本の年金は太っ腹すぎる」「厚生年金は廃止すべき」「月7万円のベーシックインカムで年金・生活保護を代替」と繰り返し主張しています。
これが実現すれば、高齢者の多くが実質的な減収に直面し、医療・介護も自己負担増。コロナ禍でさえ「ショック療法」で一気に変えるべきだと公言した人物です。

「弱者切り捨て」「新自由主義の権化」――こうしたレッテルは、決して感情論だけではありません。彼の政策は一貫して「市場原理至上主義」「自己責任論」を押し進め、国民のセーフティネットを削ぎ落としてきたのです。
高市首相がこうした人物を「貢献した」と公に認めた背景には何があるのでしょうか。
高市政権は「責任ある積極財政」を掲げていますが、竹中氏の影響が残る限り、本当の意味での「強い日本」にはなりません。移民政策の拡大(特定技能の上限撤廃など)や、さらなる規制緩和が進めば、格差はさらに広がり、国民の不満は爆発するでしょう。失われた30年をさらに延長し、日本を「低賃金・不安定社会」のまま沈没させるリスクが極めて高いのです。
私は保守的な価値観を大いに許容していますが、だからこそ竹中氏のような「グローバリスト寄り」の新自由主義政策には反対です。
- 真の経済再生とは、国民の生活を安定させ、内需を活性化させること。
- 非正規を増やして企業だけを楽にするのではなく、正社員を増やし、賃上げと安心できる社会保障を再構築すること。
- 外国人労働力に頼る前に、日本人の働きがいと出生率を回復させる本気の対策を打つこと。
高市首相には、竹中氏評価を再考していただきたい。国民の多くが感じている危機感を、軽視してはいけません。Xでの「国賊」批判は過激ですが、その根底にあるのは「もうこれ以上、日本を売り渡さないでほしい」という切実な叫びなのです。
日本を危機から救うためには、私たち一人ひとりが声を上げ続けるしかありません。

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ホーム>政党・政治家>おおさか 佳巨 (オオサカ ヨシキヨ)>高市首相が竹中平蔵氏を絶賛した本当の意味――日本を危機に導く「構造改革」の亡霊が蘇る