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郡山市の道路管理革命:AIで効率化と安全を両立する617万円の挑戦

2025/8/26

 

令和7年度郡山市の補正予算です。

デジタル新技術を活用した舗装点検を実施

~道路ストック整備事業~

として617万円が予算としてつけられました。

 

従来の人手中心の舗装点検からデジタル新技術を活用した舗装点検により作業を効率化し、適切な舗装の補修につなげることで、市民の安全・安心の確保を図るとしています。

デジタル新技術を活用した舗装点検の郡山市補正予算617万円



 

これについては次の記事でこのようなことを書きました。

 

郡山市が取り組む「道路の維持管理」と、最新のAI技術を使った ...



 

郡山市でも、過去5年間(2020~2024年度)で道路損傷による車両事故が合計77件発生しています。

内訳は、路面のくぼみが45件、側溝蓋の損傷が22件、その他が10件。

特に、くぼみによる事故が全体の約6割を占め、凍結や融雪が影響する東北の気候も一因と考えられます。

これらの事故は、車両の破損や市民の経済的負担につながり、放っておくと重大事故のリスクも高まります。

 

この予算案の内容について以下のような質疑がなされました。

●AIによりどれだけ人員と時間を削減できるのか

●事業効果はどれくらいか

 

1. 従来の人手中心の舗装点検と比べてどれぐらい時間の削減が見込まれるのか

従来の舗装点検では、週2回以上の頻度で職員による道路パトロールが行われ、パトロール後に目視で確認した損傷箇所や補修箇所の記録を道路パトロール日誌に記載する作業に1~2時間程度を要していました。デジタル新技術の導入により、公用車に搭載したカメラで撮影した映像をAIが画像解析し、損傷レベルを診断するとともに、道路パトロール日誌が自動作成されます。これにより、以下の時間の削減が見込まれます。

  • 内業時間の大幅な短縮:従来1~2時間かかっていた道路パトロール日誌の作成時間が、AIによる自動作成によりほぼゼロに近づくと推測されます。具体的な短縮時間はシステムの処理速度や運用体制に依存しますが、少なくとも1~2時間程度の作業時間が削減されると考えられます。
  • パトロール自体の効率化:カメラとAIによるリアルタイム解析により、職員が目視で確認する負担が軽減され、パトロール時間の短縮も期待されます(具体的な時間短縮量は運用状況により変動)。

 

2. 作業の効率化により補修段階でどのような適切化が図られるか、事業効果について

デジタル新技術の導入による作業効率化は、舗装の補修段階において以下のような適切化と事業効果をもたらします:

  • 損傷箇所の見逃し防止:AIによる画像解析は、目視よりも高い精度でポットホールや舗装の損傷箇所を検出します。これにより、従来見逃されていた損傷箇所の特定が可能となり、補修の漏れが減少します。
  • 早期発見と迅速な対応:AIが損傷レベルを自動診断することで、損傷箇所の早期発見が促進されます。これにより、劣化が進行する前に補修計画に反映でき、補修のタイミングが最適化されます。
  • 劣化の進度予測:AI解析により、損傷箇所の劣化進行度を予測することが可能となります。これにより、優先度の高い補修箇所を特定し、限られた予算内で効率的な補修計画を立案できます。
  • 補修計画の精度向上:自動作成される道路パトロール日誌は、損傷箇所の位置や状態を正確に記録するため、補修計画の策定がよりデータ駆動型となり、適切な補修方法や時期の選定が向上します。
  • 市民の安全・安心の確保:損傷箇所の早期発見と適切な補修により、道路の安全性が向上し、市民の安全・安心が確保されます。例えば、ポットホールによる交通事故リスクの低減が期待されます。

 

以下の表に、道路劣化診断システムと舗装定期点検の概要を整理します。

項目 道路劣化診断システム 舗装定期点検
予算 320万円 297万円
実施箇所 幹線道路、生活道路 幹線道路
実施内容 公用車にカメラ等を取り付け、職員がパトロールを実施し、AIで損傷度を解析 点検業者に委託、専用車両でひび割れ率をAI解析
運用主体 職員(公用車使用) 外部委託(点検業者)
解析対象 損傷度(ポットホール、ひび割れ等) ひび割れ率
目的 パトロール効率化、損傷箇所の早期発見、補修計画の最適化 詳細なひび割れ解析、定期的な点検データ収集

 

デジタル新技術やAIを活用した舗装点検の導入により、効率化が進む一方で、土木技術者の目視による経験や技術の蓄積に影響を与える可能性が考えられます。

 

私は数年前に、福島県の建設事務所で発注者支援の業務を民間企業の一員として携わったことがありますが、土木技術公務員のレベルは毎年下がっているとのこと。

 

新技術の導入は、技術者の役割を再定義する機会でもあります。目視中心のスキルが一部減少する一方で、以下のような新たなスキルが求められます。

  • データリテラシー:AIや専用車両のデータを理解し、補修計画に活かす能力。例:ひび割れ率データから舗装材の選定を提案。
  • システム管理:カメラやAIシステムの運用・保守、誤検知の検証スキル。
  • 予防保全の専門性:劣化予測やデータ分析を基に、道路のライフサイクルコストを最適化する戦略立案。
  • 市民対応:効率化で生じた時間を活用し、市民からの苦情対応や地域ニーズの反映を強化。

これにより、技術者の「目」は、従来の損傷観察から、データ駆動型の分析や総合的な道路管理へと進化していくのでしょう。

 

 


✍️ 大坂佳巨(おおさか よしきよ)
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肩書 土木技術者・元国務大臣秘書
党派・会派 無所属
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