2026/4/27
いわき市で稼働を控える「ばいじん等の造粒固化施設」

これは、単なるリサイクル設備ではありません。これは、日本のバイオマス政策が抱えてきた課題と、その突破口を同時に示す象徴的なプロジェクトです。
日本ではこれまで、固定価格買取制度(FIT)によりバイオマス発電が急拡大してきました。しかし実態としては、
●発電効率は決して高くない
●燃料の輸入依存(木質ペレットなど)
●補助金頼みの収益構造
といった課題も抱えていました。
つまり、「電気を作ること」だけを目的にすると、バイオマスはコスト高の政策になりやすいのです。
しかし今回のように、発生する副産物(ばいじん・汚泥)まで含めて再利用することで、
廃棄物 → 資源 → インフラ材料
という完全循環が成立します。
採石場の埋め戻しや下層路盤などに活用できるということで、私も仕事上、路盤のためにこうした建設材料を多く使っています。これがコストカットにつながればさらなる利用促進につながることでしょう。
ここに、バイオマスの本当の価値があります。
今までの木材だけのバイオマス発電から、地面に向けた方向性というのは

通常、ばいじんや汚泥は「処分費用」がかかる“負債”です。
しかし再資源化できれば、
処分費 → 投資
廃棄物 → 商品
へと転換されます。
これは、地域から外へ出ていたお金を、地域内に留める効果を持ちます。
人工地盤材として活用できれば、
●道路の路盤材
●採石場の埋め戻し
などに利用可能です。
つまり、公共事業で使う資材を「外から買う」のではなく「地域で作る」ことができる。
これは地方経済の自立に直結します。
単なる発電所ではなく、
処理技術
品質管理
土木材料としての応用
といった複合技術が必要になります。
これは「雇用の質」を高め、地域に技術が蓄積される構造です。
コンクリートにおいてはこれまでエコな物がけっこう開発されてきていますが、砕石などについてもっと欲しいなと思っていたところです。

一方で、バイオマス政策には慎重に見るべき点もあります。
●有害物質(重金属など)の管理
●長期的な環境影響
●補助金依存からの脱却
特に人工地盤材として使う以上、「安全性の担保」は絶対条件です。
ここを曖昧にすれば、逆に地域の信頼を失います。
ドーピー建設工業株式会社の人工地盤材今回の施設が示しているのは明確です。
バイオマスは「電気を作る政策」ではなく
「地域で資源を回す産業」へ進化すべき
という方向性です。
エネルギー問題、廃棄物問題、地域経済――
これらをバラバラに扱うのではなく、一体で解決する。
その鍵が「循環設計」にあります。
ここで注意しなければならないことは、外国の輸入木材などに依存するバイオマス発電は地域で資源を回すものではないということ。これをぜひ肝に銘じていただきたいです。
あくまでも目的は、地域で自給自足ができるエネルギー政策が重要ということです。
我が国の将来を考えれば、外国に依存しなくても済む経済社会を作っておくことが必要だからです。
私が掲げている「地域内循環」や「減価する通貨」とも、本質的には同じ構造です。
外に流れていたコストを止める
地域内で価値を再生産する
バイオマスは、その物理的な実装モデルとも言えます。
この施設が成功するかどうかは、単なる企業の問題ではありません。
「地方が自立できるか」という、日本全体の問いに対する一つの答えになるはずです。
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ホーム>政党・政治家>おおさか 佳巨 (オオサカ ヨシキヨ)>バイオマスは「ゴミ処理」か、それとも「地域経済装置」か―福島県いわき市の新施設