2025/6/29
地域公共交通は、単なる移動手段ではなく、交通弱者の支援、高齢者の健康維持、学生の通学機会を確保し、心のつながりを育む「思いやり」の装置である。
特に郡山市の課題を踏まえ、地方の持続可能性と住民のウェルビーイングを支えるため、以下の視点からその再生を考える。
郡山市では、車依存による移動格差が深刻である。家計調査によると、過去20年で車の維持費は3割増に対し、公共交通の利用はコロナ禍で4割減(コロナ前でも2割減)。小規模自治体では家計負担が年6万円増え、運転できない高齢者や若者の外出が制限される。
郡山市では、10年間で自家用車保有が1.1倍に増えた一方、バス利用は2割減(10年前比79%)。特に定期外収入の落ち込みが大きく、高齢者の利用が73%に低迷し、外出を諦めるケースが心の健康を損なう。

JR郡山駅周辺では、県内最多の利用者を抱える駅西口で送迎車による慢性的な渋滞が発生している。
市は2027年度からロータリー改修(一般車・タクシーのレーン分離、事業費約6000万円)を計画し、今年度は社会実験と基本設計を進める。この渋滞対策は、バスの定時運行を支え、高齢者や学生の移動を助ける思いやりにつながる。
規制緩和後、公共交通のマネジメントは地方行政に委ねられたが、郡山市では課題が山積している。
福島交通は、多様な高校がある郡山の特性を活かし、定期輸送(通学利用)で健闘するが、全体の利用減少は止まらない。
補助路線制度は赤字リスクを軽減するが、収益性の低さからダイヤ改善や路線図提供が不十分で、路線図を求めた際に用途を問われるケースもある。
行政の運行費補助は現状維持に留まり、将来投資が不足。市民参加の場や責任分担も不明確で、佐渡市の調査のように外出を諦める市民の移動不安が心の負担となる。これが、郡山の公共交通衰退の元凶だと考える。
衆議院国土交通委員会で審議されていた地域公共交通活性化再生法の改正案は、信頼性(品質・性能保証)と楽しさを高める施策を提案していた。
青森県八戸市の「まち全体をバスターミナル」構想は、停留所整理や10分間隔の運行で利用者が6%増え、街に笑顔と活気を呼び戻した。
前橋市の6社共同経営や徳島市の鉄道・バス共創も成功例である。
福島県郡山市では、福島交通の路線図提供が進むが、駅周辺の渋滞対策と連動したバス運行の最適化が必要だ。農山村では、通院や通学を支える性能保証と財源確保も求められる。
郡山での再生には、行政・事業者・市民の協働によるガバナンスが不可欠である。法定協議会での意思決定、データ駆動型施策(DX)による運行最適化を進めるべきだ。
ファイナンス面では、協議運賃のガイドラインや公費支援で福島交通の経営を安定させ、運転手の待遇改善につなげる。
郡山駅のロータリー改修を行えば、バスの定時運行を通じて高齢者が安心して通院し、学生が学校に通える社会を支えるとされる。これは、効率化を超えた思いやりである。人口減少が進む中、郡山でもバスの減便・廃止リスクが高まる。市場原理に委ねず、公共交通を「まちづくりの装置」として位置づけ、市民の声を取り入れることが重要だ。
一方で、郡山駅前の道路で飲酒運転事故により学生が死亡した。これは歩道と車道が分離していないことから生まれた。まずは利用の効率性よりも命を守ることだと思った。
公共交通は、経済やまちづくりを超えて、心の健康と生活の喜びを支える。郡山では、駅周辺の渋滞解消でバスの利便性を高め、高齢者が健康のために出歩き、安全に学生が学びの場に通い、交通弱者が社会とつながることで、地域全体が温かさに満ちる。誰もが自由に移動し、楽しみを分かち合える郡山を目指し、思いやりを乗せたバスを走らせよう。
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