2025/6/3
現在の国際情勢から考えても、今後の食糧危機は考えられることでしょう。また、エネルギー危機が起きても大丈夫な社会を作っていくことは何よりの安全保障になると思います。
まずそこで、四年以内に福島県の食料自給率を100%にして、エネルギー自給率も100%にする地産地消をするということを考えてみましょう。
福島県の令和4年度の食料自給率はカロリーベースで75%、生産額ベースで79%であり、エネルギー自給率は一部地域で100%を超える事例があるものの、県全体では未達である点に留意します。なお、食料についてはカロリーベースで考えることとします。これは物価の高騰などに左右されるからであり、江戸時代までは石高制度を基準にしていたことからです。
令和4年度のカロリーベース食料自給率は75%を100%に引き上げるには、生産量の増加と消費構造の変革が必要です。
●食料自給率(カロリーベース)100%に向けた取り組み
カロリーベースの食料自給率は、県内で消費されるカロリーのうち県産食品で賄われる割合を示します。福島県は米、野菜、果物の生産が強く、米は全国7位(2022年)の生産量を誇りますが、肉類や小麦、油脂類の自給が課題です。
●高カロリー作物の生産拡大
米の生産・消費強化: 米はカロリー供給の主力(1kgで約1,500kcal)。福島県の米生産量(約40万トン、2022年)を10%増やすため、スマート農業(ドローン、AIによる収量最適化)を導入。学校給食や公共施設での米中心のメニューを100%県産米に統一し、消費を促進します。
このため愛知県豊田市で行われた「おむすび通貨」をお手本にして、期限付きの地域通貨でコメの生産量拡大を行う方法を考えてみましょう。
●福島版「おむすび通貨」の導入
通貨の設計: 「ふくしまおむすび通貨」を発行し、1単位=1kgの福島県産米(コシヒカリや天のつぶなど)に連動。通貨は紙幣または電子アプリ形式で、県内提携店舗(スーパー、飲食店、直売所)で使用可能。有効期限(例:6ヶ月)後に通貨は県産米と交換可能。
発行主体として福島県、地元JA(例:JAふくしま未来)、県内商工会が連携し、一般社団法人「ふくしま物々交換局」を設立。豊田市の「物々交換局」を参考に運営します。
インセンティブとして、通貨利用者に県産米の割引クーポンや地域イベント参加権を提供することとします。例えば地域通貨で支払うと10%引となるなど。
●耕作放棄地及びスマート農業
福島県の耕作放棄地(約1.5万ha、2020年推定)を活用し、米生産面積を5%増(約3,150ha増)。高収量品種(例:天のつぶ、収量約550kg/10a)を優先導入し、1haあたり約5.5トンの増産を目指す。ドローンやAIを活用した精密農業を全県で展開。 例えば、種まきや肥料散布の効率化で、10aあたり収量を5%向上(約25kg増)。
●エネルギー自給との連携
バイオマス発電: 米ぬかや籾殻を活用したバイオマス発電を拡大。生産増に伴う副産物をエネルギー源とし、エネルギー自給率向上に寄与する。
農場ソーラー: 豊田市の地域資源活用に倣い、休耕地や農場に太陽光パネル(福島県産)を設置。発電した電力で農業機械を稼働し、米生産のコストを削減。
●イモ類・豆類
イモ類・豆類の栽培拡大: サツマイモ(1kgで約1,300kcal)やジャガイモ(1kgで約760kcal)はカロリーが高く、栽培に適した土壌が多くあります。耕作放棄地を活用し、これらの作物を地域ごとに集中的に栽培。豆類(大豆など)はタンパク質補完にも貢献していきましょう。
●畜産業
畜産の強化: 肉類はカロリーが高く(牛肉1kgで約2,500kcal)、自給率向上に必須です。福島牛の飼育を拡大し、飼料を県内で生産(牧草や米ぬか活用)。小規模養鶏や養豚も地域単位で推進。
●米食回帰キャンペーン
パンや麺類の消費を減らし、米を中心とした食文化を復活。県民1人当たり米消費量(約55kg/年、2022年)を70kgに引き上げるキャンペーンを展開。「地産地消月間」(10月・11月)を年間化し、米粉パンや米粉麺を普及。
●学校給食の県産化
学校給食を100%県産食材(米、野菜、イモ類、福島牛)に切り替え、1食あたり約700kcalの地元カロリー供給を実現。県内約1,000校(推定)での実施で、年間約1億kcalの自給を確保。
●食品ロス削減
県内消費のカロリー損失(約10%)を減らすため、フードバンクや地元直売所を活用。余剰農産物を加工品(ジャム、冷凍食品)に転換し、カロリー供給を安定化。
●小規模農家の支援
若手農家や新規就農者に補助金を支給し、カロリー効率の高い作物(米、イモ類)を優先栽培。地域ごとの「カロリー自給マップ」を作成し、不足カロリーを補う作物を明確化。
●カロリーベース自給率の試算
現状では、令和4年度のカロリーベース自給率75%(約1,500億kcal/年、人口約180万人として1人約2,300kcal/日)。不足分25%(約500億kcal)を補う必要があります。
目標は米生産10%増(約60億kcal増)、イモ類・豆類栽培2倍(約50億kcal増)、畜産20%増(約100億kcal増)で、不足分の約3分の1をカバーします。残りは消費構造の変更(米食回帰、食品ロス削減)で達成。
●エネルギー自給率100%に向けた取り組み
エネルギー自給率については、地産地消との連携を強化します。
再生可能エネルギーの拡大: 風力(沿岸部)、太陽光(空き地)、バイオマス(農業廃棄物)、小水力(山間部)を加速します。南会津郡下郷町の100%自給モデルを県内10地域に展開。
スマートグリッドを用い、電力使用を最適化し、農場のエネルギー消費を地元電力で賄う。
●地産地消の推進
食とエネルギーの連携が必要です。農場で生産されたバイオマス(米ぬか、野菜くず)をエネルギー源に活用。農家が自家発電し、余剰電力を地域に供給。
●4年以内のアクションプラン
1年目(2027): 「ふくしまおむすび通貨」発行開始。耕作放棄地3,000haを米生産に転換。スマート農業の試験導入(10地域)。新米キャンペーンを10月・11月に開催。
2年目(2028): 学校給食の県産米100%化達成。通貨提携店舗を県内1,000店舗に拡大。こども商店街を郡山市・福島市で開催。米生産量5%増(2万トン)。
3年目(2029): スマート農業を全県展開。通貨利用で米消費量を1人あたり60kg/年に引き上げ。バイオマス発電所を5箇所新設。米生産量8%増(3.2万トン)。
4年目(2030): 米生産量10%増(4万トン)達成。カロリーベース自給率95%以上、エネルギー自給率100%を目指す。通貨モデルを全国に発信。
●エネルギーの地産地消を進めるには
福島県は「再生可能エネルギー先駆けの地」を目指し、2040年頃にエネルギー需要の100%を再生可能エネルギーで賄う目標を掲げています(福島県再生可能エネルギー推進ビジョン)。
日本国内の太陽光パネル生産は京セラやソーラーフロンティア(出光興産子会社)などが担っていますが、福島県内に製造工場は限定的です。
福島イノベーション・コースト構想を活用し、県内企業(例:東北ネヂ製造株式会社など)に太陽光パネルや関連部材(フレーム、インバーター)の生産を委託。産業技術総合研究所 再生可能エネルギー研究所(FREA、郡山市)と連携し、県内での高効率パネル開発を支援。
風力発電のタワーやボルトは東北ネヂ製造株式会社が実用化開発を進めています。これを県内中小企業に拡大し、風車部品やバイオマス発電機の製造を地元で賄うことです。
福島県の「再生可能エネルギー事業化実証研究支援事業」(2025年2月公募)を利用し、県内企業が国産設備の技術開発・生産に取り組む費用を補助。補助対象は市場性・採算性調査や実証研究で、県内生産基盤の構築に活用します。
中国産パネルは低コスト(1Wあたり約10円、2024年推定)ですが、品質や環境負荷に課題があります。国産パネル(例:京セラ、約15円/W)は耐久性と信頼性が高いものがあります。県内生産のコスト削減のため、FREAの技術支援や県の補助金(福島特定原子力施設地域振興交付金)を活用し、生産規模を拡大していきましょう。
そしてメガソーラー発電についてですが、そのような大規模集中型ではなく、個人・地域単位の自家発電システムを構築するには、以下のアプローチが必要です。これからの太陽光発電は小規模化かつ国産が必要でしょう。
●屋根上太陽光の普及
各家庭、事業所、農場に3~10kWの小型太陽光パネルを設置。福島県の「地域参入型再生可能エネルギー導入支援事業」を活用し、設置費用を補助(例:1kWあたり5万円)。国産パネル使用を条件に補助額を上乗せ。
●農地併用型(ソーラーシェアリング)
農地に高さ2m以上の支柱を立て、太陽光パネルを設置。米や野菜の生産を維持しつつ、発電した電力で農機具を稼働。JAふくしま未来と連携し、農家への導入支援を強化。
●コミュニティソーラー
地域住民が共同出資する小規模太陽光発電所(50~100kW)を町内会やJA単位で設置。発電電力は地域内で消費し、余剰分は「おむすび通貨」で還元。
●風力発電
福島県の沿岸部(浜通り)は風況が良好。個人・小規模事業者向けの小型風力タービン(1~10kW)を導入し、住宅や農場で自家発電。県内企業によるタービン部品生産を支援(例:東北ネヂ製造)。
風力発電は再生可能エネルギーとして地産地消型エネルギー自給に有効ですが、環境被害(鳥類衝突、低周波音、景観影響など)が課題として指摘されています。
鳥類衝突については、環境影響評価(EIA)を厳格化し、風力発電所の建設前に鳥類の飛行経路や生息地を詳細調査。福島県環境影響評価条例に基づき、専門家(例:日本野鳥の会)と連携し、渡り鳥の主要ルートを避けた立地選定することです。
低周波音については、地産地消型の自家発電に適した小型風力タービン(1~10kW)を住宅や農場に設置。低周波音の発生が少なく、集落単位での導入に適する。県内企業(例:東北ネヂ製造)の部品生産を活用することです。
景観への影響については、高さ20m以下の小型タービンを優先。景観への影響を最小限にし、農地や空き地に分散設置することです。
生態系の影響については、既存の送電線や道路近くに設置し、新規開発を最小限に。耕作放棄地(福島県内約1.5万ha)を優先利用することです。また、建設後の土地に在来種を植栽し、生態系を復元。福島県自然保護課と連携し、モニタリングをして監視していきましょう。浜通りの沿岸部で洋上風力(浮体式)を試験導入。陸上生態系への影響を回避し、漁業との共存モデルをよく調査することです。
●バイオマス発電
米ぬか、籾殻、木材チップを活用した小規模バイオマス発電(10~100kW)を農家や地域コミュニティで導入。JAふくしま未来と連携し、農業副産物のエネルギー転換を促進。
●小水力発電
山間部(会津地方)の河川を活用した小水力発電(5~50kW)を集落単位で設置。環境影響評価を簡略化し、導入コストを低減。
●地熱発電
福島県は地熱資源が豊富(例:磐梯熱海温泉)。小規模地熱発電(100kW以下)を温泉地や地域施設に導入し、電力と熱を地元で利用。
●蓄電池の導入
国産リチウムイオン蓄電池(例:東芝、村田製作所)を各家庭・事業所に設置。夜間や悪天候時の電力安定供給を確保。県の補助金で設置費の50%を支援することです。
小水力発電によって蓄電していくことにより、地産地消発電は可能となります。また将来的には宇宙太陽光発電によるワイヤレス送電についても検討すべき課題です。
●おむすび通貨との連携
自家発電した電力を地域内で販売し、「おむすび通貨」で支払い。通貨は県産米や地元産品と交換できるようにします。ソーラーシェアリングやバイオマス発電を導入した農家に通貨を優先配布。米生産増(10%増、4万トン)とエネルギー自給を同時達成していきます。
地域イベントでは 「こども商店街」で子供たちが再生可能エネルギーや米の価値を学び、通貨で模擬売買。地産地消意識を醸成していくことです。
以上、福島県内で国産(県産)の再生可能エネルギー設備を活用した地産地消型自家発電システムを考えてみました。太陽光・風力・バイオマス・小水力を組み合わせ、FREAや県の補助金を活用することで実現可能となることでしょう。そして「ふくしまおむすび通貨」で米生産増(10%増)とエネルギー自給を連動させ、地域経済を強化してまいりましょう。
以降、林業と水産業についても考えてみます。
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