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与野党相乗りの内堀雅雄福島県知事は、なぜ「はっきり言えない」のか

2026/4/22

柏崎刈羽原発再稼働をめぐる福島県の曖昧さの正体

新潟県の柏崎刈羽原子力発電所6号機が営業運転に移行しました。
2011年の事故後、東京電力の原発が再び動き出すという、極めて象徴的な出来事です。

これに対し、内堀雅雄福島県知事は、「事故の教訓を踏まえ、安全安心を最優先に」と述べました。

――しかし、この発言を聞いて、多くの県民が感じたのは「結局どう考えているのか分からない」という違和感ではないでしょうか。


■ なぜ、ここまで曖昧になるのか

結論から言えば、それは政治構造の問題です。

福島県政は現在、いわゆる「与野党相乗り」体制、つまり共産党を除くオール与党体制にあります。
自民・旧民主系(県民連合)・公明といった本来は国政で対立する勢力が、同じ知事を支える構図です。

この構造のもとでは、

原発に賛成の立場

原発に反対の立場

どちらにも配慮しなければならず、結果として踏み込んだ発言ができないのです。

柏崎刈羽原子力発電所 - Wikipedia

■ 歴代知事を見れば構造は明らか

この曖昧さは、突然生まれたものではありません。
福島県の原子力行政は、歴代知事の流れを見ると、その根がよく分かります。

● 佐藤栄佐久知事時代

佐藤栄佐久元知事の告別式 内堀知事、政財界関係者が参列 功績偲ぶ 福島 | 福島のニュース│TUF

自民党公認知事でありながら、原子力政策には一定の距離を置き、安全性への疑問を持っていました。
いわば「慎重派」です。

● 佐藤雄平知事時代

元民主党参議院議員で、かつ電力総連の支援を受けたことで、原子力には比較的肯定的な立場でした。

福島知事 3選不出馬 「中間貯蔵施設、一定のメド」 - 日本経済新聞

しかし、福島第一原子力発電所事故が発生すると一転し
当時の首相である菅直人民主党代表に強く抗議。

asahi.com(朝日新聞社):福島県の佐藤雄平知事(左)を訪れ、知事室前であいさつする菅直人首相=21日午前9時36分、福島市、小宮路勝撮影 -  福島第一原発事故(2) - 写真特集

――ここに大きな問題があります。
それまでの自らの立場への総括がないまま、態度だけを変えたことです。


● 内堀雅雄知事時代

佐藤雄平知事の体制で副知事だったのが内堀現知事です。
当初は保守系候補を破って当選しました。つまり非自民。

しかしその後、自民党が相乗り
さらに野党系も含めた「オール与党体制」が成立します。

田村市で原子力災害に遭った荒井広幸参議院議員は、これに対抗するために新党改革推薦で知事候補者を擁立しましたが内堀氏が当選しました。

福島県知事選挙 | IWJ Independent Web Journal落選した熊坂氏

■ 「誰も責任を取らない構造」

この体制の本質はシンプルです。

 誰も対立しない代わりに、誰も責任を取らない

推進とも言わない

反対とも言わない

国に責任を押し付ける

今回の発言にある「原子力政策は国の責任」という言葉は、まさにその象徴です。

180821.jpg

■ 再エネでも露呈する限界

福島県は「再生可能エネルギー先駆けの地」を掲げています。
しかし、猪苗代町の“飛び地メガソーラー”問題では、交付金返還という事態に発展しました。

つまり、

原発 → はっきり反対できない

再エネ → 成功とも言い切れない

結果として、どちらも中途半端になっているのが現状です。

国防上の懸念」中国系資本によるメガソーラ-用地買収 防衛関係施設周辺も含まれ 専門家は現行制度の不備を指摘(1/3ページ) - zakⅡ

「国防上の懸念」中国系資本によるメガソーラ-用地買収 防衛関係施設周辺も含まれ 専門家は現行制度の不備を指摘

 


■ 曖昧なのは「個人」ではなく「構造」

内堀知事の政治家個人の問題として片付けるのは簡単です。

なにしろ役人上がりの知事なので政治的発想を持たず、なあなあでやっていくタイプだからであり、これは役人知事によくみられる傾向です。

良く言えば全員野球、悪く言えば談合。
しかし本質はそこではありません。

問題は、 与野党が一体化した政治構造そのもの

この構造の中では、強い意思表示はリスクになります。
だからこそ、言葉は常に「安全安心」「国の責任」といった無難なものに収まるのです。


■ 福島県民に問われていること

福島は、福島第一原子力発電所事故を経験した県です。
だからこそ本来なら、

●原発とどう向き合うのか

●エネルギー政策をどうするのか

について、全国で最も明確な意思を示すべき立場にあります。

それにもかかわらず曖昧さが続くのは、
政治の選択が曖昧だからです。


■ 最後に

「はっきり言わない知事」なのではありません。
👉 はっきり言えない仕組みが出来上がっている

この現実をどう変えるのか。
それこそが、これからの福島県政に突きつけられた最大の課題ではないでしょうか。

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著者

おおさか 佳巨

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肩書 土木技術者・元国務大臣秘書
党派・会派 無所属
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