岡本 のぶじ ブログ
兵庫・猪名川町【いながわの木喰学 第5回/いながわ木喰】
2026/7/10
7/10 今回は、猪名川町の文化財研究に大きな足跡を残された牧野正恭(まきの まさやす)先生をご紹介します。牧野先生は、兵庫県立猪名川高校で物理を教える傍ら、町内に残る木喰仏の調査・研究を体系化した第一人者として知られています。その功績は、郷土史の枠を大きく超え、学術的にも高い評価を受けています。

先生は、仏像の光背に刻まれた梵字や銘文を一字ずつ丁寧に読み解き、像の由来を再検証し、過去の誤読を正すなど、地道で高度な研究を重ねてこられました。その集大成が、1981年刊行の名著 『九十才の微笑仏―猪名川木喰由来縁起』 (写真はカバーイラスト=天乳寺の得大勢至菩薩)です。
中でも象徴的なのが、天乳寺木喰仏の光背に刻まれた23文字の梵字の解読です。牧野先生は、はっきり読める梵字を丹念に照合し、これが災厄を除き心に光明をもたらすとされる「光明真言」であることを突きとめました。
オン アボキャ ベイロシャノウ
マカボダラ マニ ハンドマ
ジンバラ ハラバリタヤ ウン
この発見は、猪名川の木喰仏が「ただ古い仏像」ではなく、祈りの言葉を刻んだ精神文化の結晶であることを示す重要な手がかりとなりました。
さらに、私自身が猪名川の文化財を学ぶ中で、地域に精通した先生方から多くのことを教えていただきました。阿古谷の乾俵吉先生、柏原の中前磐先生、銀山の中元十三先生など、郷土史に詳しい教職員OBの皆さまが、現地の伝承や古文書の読み方を丁寧に伝えてくださり、理解を深めるうえで大きな支えとなりました。猪名川町には、こうした先人たちの情熱と知恵が積み重なっています。【つづく】
これからも 「いながわの木喰学」として、少しずつ丁寧にお伝えしてまいります。
応援の「いいね」をいただけると嬉しいです。
著者
| 選挙 |
猪名川町長選挙 (2025/07/20) [当選] 5,079 票
|
| 選挙区 |
猪名川町
|
| 肩書 |
猪名川町 町長 |
| 党派・会派 |
無所属
|
| その他 |
|