2026/6/18
【6月県議会の知事提案で、補正予算でエネルギーコスト削減、中東情勢価格高騰対策、部活動移動安全対策などの方針が説明されました】
本日6月定例会が開会して、知事から議案説明が行われました。
国際情勢の不安定化、特に中東情勢による供給力や価格安定化、構造転換への対応、県民の安全・安心の確保、観光振興と地域経済の再設計、県民参加による県政の推進など、県民生活に直結する論点が幅広く盛り込まれました。
まず大きな柱となっているのが、中東情勢の緊張に伴う県内経済への影響対策です。エネルギー価格の上昇や供給不安は、家庭生活だけでなく、地域産業、中小企業、農業、医療、福祉など、県内の幅広い現場に影響を与えています。県は対応チームを設置し、関係機関との連携や事業者への聞き取りを進めながら、「暮らしと産業を支える中東情勢対応方針」を取りまとめ、供給安定化、価格高騰対策、構造転換の視点から総合的に対応する方針を示しました。
その中身としては、LPガス料金への対応、中小企業の資金繰り支援、省エネ設備導入の後押しなど、目下の負担軽減と将来に向けた体質強化の両面が意識されています。足元を守りながら次の波にも備える、いわば“守りと備え”を同時に進める構えです。県議会としては、こうした施策が本当に必要な現場に届くか、制度の使い勝手は十分か、実効性を伴っているかを丁寧に見ていく必要があります。
次に、県民の安全・安心な暮らしの確保も重要な論点です。今回の定例会では、「長野県人権尊重の社会づくり条例案」が提出されました。インターネット上の誹謗中傷をはじめ、複雑化する人権課題に対応するため、都道府県として初となる「人権オンブズパーソン」の設置が盛り込まれています。理念を掲げるだけではなく、相談や救済につながる仕組みを県として整えようとしている点は大きな意味を持ちます。
また、先月発生した部活動遠征中の高校生のマイクロバス事故を受けて、移動のあり方を見直し、安全対策を強化する方針も示されました。未来ある命が失われたことを重く受け止め、再発防止につながる体制整備を進めることは、県政の責任として極めて重要です。教育活動を支えるうえで、命と安全の確保は最優先でなければなりません。
さらに、地域医療の確保など、暮らしの土台を支える課題にも目配りがなされています。人口減少や地域ごとの医療資源の偏りが進む中で、将来を見据えた医療提供体制の構築は避けて通れないテーマです。日々の安心は、制度の看板ではなく、必要なときに必要な支えがあることで初めて成り立つものだと改めて感じます。
観光政策では、今月1日から宿泊税の賦課徴収が始まりました。県はこの財源を活用し、信州観光MaaSの構築、二次交通の充実、観光地の受入環境整備、バリアフリー化などを進める考えを示しています。観光は単なる交流人口の拡大策ではなく、地域経済を支え、地域の魅力を再編集し、結果として県民の暮らしにも還元されるべき政策です。税を集めることが目的ではなく、地域に価値を返していけるかどうかが問われます。
また、今回の議案説明では、県民との共創による県政の推進も打ち出されました。象徴的なのが「県民提案・投票制度~信州みらいスイッチ~」です。県民や長野県にゆかりのある方々から提案を募り、LINEを活用した投票で選ばれた提案を事業化する仕組みであり、行政が一方的に決めるのではなく、県民とともに県政をつくる姿勢が示されています。人口減少時代の県政は、従来の延長線だけでは進めません。だからこそ、参加と共創の仕組みをどう実効あるものにするかが重要です。
加えて、長野県誕生150周年という節目にも触れられました。節目は振り返りの機会であると同時に、次の時代への助走を始める機会でもあります。歴史を土台にしながらも、人口減少、地域交通、医療、観光、産業、人権といった課題にどう向き合い、新しい信州をどう形にしていくのか。150周年を“記念”で終わらせず、“次の構想”につなげられるかが重要となります。
物価高への対策、人権と安全の確保、観光政策の再設計、県民参加の仕組みづくり。テーマは多岐にわたりますが、根底にあるのは、人口減少や社会変化の中でも、安心して暮らし続けられる長野県をどう築くかという問いです。県議会としても、示された方針が現場で機能するのか、地域差なく届くのか、将来への投資として意味を持つのかをしっかり検証してまいります。




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