2026/9/14
9月8日の一般質問では、「道路公園施設包括管理業務委託」について取り上げました。
この業務については、6月定例会や建設公営企業常任委員会でも繰り返し確認を続けています。 今回の一般質問では、これまでの質疑や資料確認を踏まえて、主に次の4点について改めて質しました。
それぞれについて、当局の答弁と自身の考えを整理しておきます。
まず確認したのは、プロポーザルにおける採点の集計方法です。
令和4年度、令和5年度に道路公園課が実施したプロポーザルでは、各委員の採点結果に係数を掛け、四捨五入したものを各委員の配点とし、それを合算して最終得点としていました。
一方、令和7年度の道路公園施設包括管理業務委託では、各委員の採点結果を先に合計し、その合計値に係数を掛けて四捨五入する方法が採用されています。
市は、従来の方法では四捨五入によって異なる評価が同じ点数になる場合がある一方、今回の方法では各委員の評価の差異を反映できるため、「より正確な計算結果になる」と説明しました。
また、専門委員会はプロポーザルごとに独立して設置されるため、過去の方法から「変更した」という概念ではなく、それぞれのプロポーザルで計算方法を決定するものとの考えも示されました。
今回の計算方法については、選定委員会に評価結果の資料を示して説明したものの、その説明内容について議事録には残していないとのことでした。
令和4年度、令和5年度に行われていた従来の計算方法が、直ちに不適切なものだったとは考えていません。
というのも、重みを付けるために係数を乗じた後の評価尺度が実際の配点に対応した評価尺度と位置づけられるからです。
これまでに行っていた計算方法では、評価のしやすさを重んじて便宜上10段階で評価していたものに係数を乗じ、10段階とは異なる評価尺度に置き換える計算になります。
実際に乗じられた係数は、以下のものがあります。
いずれも10段階評価とは異なる評価尺度となりますが、特に分かりやすいのが、10点満点から6点満点の尺度に変換される場合です。
市は、10段階評価で「6」と付けたものと「7」と付けたものについて、四捨五入すると同値(4)になると問題視しています。 しかし、それは評価結果がゆがめられた結果ではなく、10段階評価を更に粗い6段階評価に落としたことによって生じた整理です。 10段階では「6」と「7」に差があったとしても、6点満点の尺度に置き換えれば、いずれも「半分よりは良いが、満点に近いほど高い評価ではない」ことを示す4点という同じレンジに収まります。
これまで市が行ってきた計算方法は、便宜上10段階で行った採点を、実際の配点に対応した尺度へ変換するという考え方です。 これは一つの評価方法として成立するものだと考えています。
市が言う「より正確」という説明は、四捨五入による数値の変化をできるだけ少なくするという、算数上の精緻さを指しているものと理解しています。
一方で、これはあくまで「評価」です。 どの尺度で評価を確定させるのかという観点から見れば、数値を細かく残すことが直ちに「より正確な評価」を意味するとは限らないと考えています。
また、今回の計算方法については、専門委員会の中で協議した上で決定したとの説明がありました。
そうであるならば、最終的な選定を行う選定委員会に対しても、「専門委員会でこうした協議を行い、この計算方法を採用した」という経緯について、簡潔でも報告して然るべきだったと考えています。
というのも、答弁内容からすると、事務局(道路・公園課)は従来の計算方法に一定の問題意識を持っていたと考えられるからです。
具体的な計算方法を専門委員会で検討すること自体は問題ありません。 しかし、その前提となる「従来の計算方法には改善すべき点がある」という問題意識については、選定委員会でも共有した上で、専門委員会に検討を委ねるという手順が自然だったのではないでしょうか。
選定委員会でその問題意識が共有されないまま、専門委員会の中だけで計算方法が見直されているのであれば、選定委員会と専門委員会の役割分担や権限の整理として違和感があります。
次に確認したのは、専門委員が使用した手書きの評価シートと、その後に事務局が作成した集計表についてです。
市は、これらの資料について、以前の包括管理業務で使用した評価シートを流用して作成したと説明しています。
本来、今回の評価には不要となった部分を削除しておくべきだったものの、過去のシートをそのまま流用したため、使わない数字などが残っていたとのことでした。
しかし、資料を確認すると、手書きの評価シートと集計表で一次評価部分の数字が一致していない箇所があります。

後から作成された集計表(画像下部)では、各委員の採点に係数を掛けた後に四捨五入されています。 一方、先に作成された手書きの評価シート(画像上部)ではその四捨五入がされておらず、両者の合計には1点のずれが生じています。
また、関数による計算だけでは出ない数字が残っている資料もあります。

後から作成された集計表(画像下部)では、各委員の採点に係数を掛けた後に四捨五入されています。 一方、先に作成された手書きの評価シート(画像上部)では、74点と記載されています。 しかし、各項目に記載された数字から計算すると、四捨五入をしても79点、四捨五入をしなくても78点となり、74点という数字は再現できません。
両者は、同じ資料を流用して作成していると言われています。 しかし実際には、同じ元資料を参照しているのであれば一致しているはずの数字が変わっています。
仮に、先に作成された手書きの評価シートの数字に誤りがあり、後から作成した集計表で修正したということであれば、今度は「今回の評価では使用しない数字を、なぜ修正したのか」という疑問が生じます。 市の説明では、これらは今回の評価では使わない数字です。それであれば、修正を加えるよりも削除してしまう方が自然です。
実際に作成されている公文書と、市から説明されている作成経緯が合致しない違和感が残っています。
今回、特に問題だと考えているのが、障がい者雇用の評価です。
このプロポーザルでは、企業の社会性を評価する項目として障がい者雇用の有無が設けられており、障がい者を雇用している場合には加点される仕組みとなっていました。
その確認資料として、市は「障害者雇用状況報告書」を提出書類として定めています。
市は、受託事業者から提出された障害者雇用状況報告書をもって、障がい者雇用の有無を確認したと答弁しました。
一方で総務部長からは、事業者の規模によっては、この書類が評価資料として必ずしも十分ではなく、振り返れば「改善の余地がある」との趣旨の答弁もありました。
また、令和8年度から改定されたプロポーザルのマニュアルでは、この書類を提出資料として求める記載はなくなっています。
市自身が確認方法に改善の余地があったと認めている以上、「今後は改善します」で終わるのではなく、実際にその資料をもって加点評価した今回のプロポーザルについても、きちんと総括する必要があると考えています。
この点については、障害者雇用状況報告書の性質や、法的な報告義務の有無なども含めて、改めて別の記事で詳しく取り上げたいと思います。
受託事業者から提出された障害者雇用状況報告書については、建設公営企業常任委員会で資料請求を行いましたが、障がい者数の部分は黒塗りとされていました。
市は、障がい者数について、法人の人事に関する情報であり、公にすることで法人の利益を害するおそれがあることなどを理由に、非公開としたと説明しました。
この判断については、すでに障がい者雇用ありとして加点されていることとの関係も含め、疑問が残っています。
障害者雇用状況報告書による確認方法とあわせて、改めて別の記事で詳しく取り上げたいと思います。
今回の一般質問では、採点方法、評価資料、障がい者雇用の確認方法、情報公開のあり方について確認しました。
市からは、令和8年度のマニュアルを改定するなど、今後について改善していく姿勢も示されています。
改善すること自体は必要です。ただ、一番確認が必要だと思っているのは、今回のプロポーザルそのものについて、市がどのように振り返り、総括するのかという点です。
確認方法に改善の余地があったのであれば、なぜそのような方法になっていたのか。実際にその方法によって行われた評価について、どう考えるのか。
本件で生じている疑念は一つや二つではありません。市が行う一つの事業としては、あまりにも多すぎるものであり、市民からも疑問の声が寄せられています。単に「次から気をつけます」で終わらせるのではなく、今回の選定についてもしっかりと検証する必要があると考えています。
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