2026/9/13
9月1日に開催された民生文教常任委員会では、第60号議案「芦屋市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例等の一部を改正する条例の制定について」が審査されました。
主な改正内容は、子ども性暴力防止法への対応、満3歳以上の児童のみを対象とする小規模保育事業への対応、理学療法士等を保育士としてみなすことができる規定、兵庫県の地域限定保育士制度試験開始に伴う規定整備などです。
本議案は民生文教常任委員会において、賛成多数で原案のとおり可決すべきものと決しています。
子ども性暴力防止法では、子どもに関わる業務に従事する方について、特定性犯罪の前科を確認する仕組みなどが設けられます。
また、日頃からの研修や相談体制の整備、被害が疑われる場合の調査や被害児童への支援、性暴力のおそれがあると判断された場合に子どもと接する業務に従事させない措置なども求められます。
個人的には、この方向性については当然に評価しています。むしろ、「ようやくこうした制度ができたのか」という印象です。
性暴力は、単に身体を傷つけるだけではなく、相手の意思を無視し、その尊厳そのものを踏みにじる行為です。特に子どもが被害を受けた場合、その傷がその後の人生に長く残る可能性があります。
被害を受けた子どもには何の責任もありません。子どもはもちろん、その家族にとっても一生消えることのない深い傷を与える行為です。加害者側の社会復帰や就業機会よりも、まずは何の責任もない子どもたちの安全を優先すべきだと考えています。
子どもに対する性犯罪に実際に及んだ人については、二度と子どもと恒常的に接する仕事に従事できないぐらい厳格でも良いと思います。
更生そのものを否定するものではありません。ですが、自らの欲望を抑制できず、何の罪もない子どもに対して性犯罪に及んだ人間が、「更生したから」何もかも元通りというのは甘すぎる。今回の制度についても、もっと厳格であって良いと考えています。
今回の改正では、満3歳以上の児童のみを対象とする小規模保育事業についても基準が整備されます。
制度として選択肢を設けること自体を否定するものではありませんが、本市で実際にどれだけ利用される制度なのかについては疑問があります。
0~2歳児については、単純に考えて3歳児以上よりも手がかかります。よって保育士の配置基準も手厚く、多くの子どもを一つのクラスで受け入れることが難しい事情があります。しかし、育児休業からの復職時期などを考えても、0~2歳児にも高い保育需要があります。つまり、需要に対する供給不足が起こりやすい背景があります。
安全面や園庭の有無などを鑑みると、本来は認可保育所等で需要を充足できることが望ましいものの、0~2歳児の枠をたくさん用意するのは難しい。不足傾向にある受皿を確保するために、小規模保育事業が一定の役割を果たしてきたと認識しています。
また、0~2歳頃までは、友達同士でルールや感情を共有しながら遊ぶというよりも、それぞれが自分の世界を広げていく時期であると考えています。そのため、少人数で保育することにも一定の合理性があります。
一方、3歳頃からは友達との関係が大きく広がっていきます。様々な性格や考え方を持つ子どもたちと一緒に過ごし、時にはぶつかり、譲り合いながら集団生活を送ること自体が大切な経験になります。
その年代になって、あえて少人数の固定された集団の中で保育することに、どこまでメリットがあるのかという疑問があります。
もちろん、3歳以上の保育需要が供給を大幅に上回っている地域や、大規模な保育施設を整備することが難しい地域であれば意味のある制度だと思います。
しかし、本市では3歳以上の受入れには比較的余裕があります。また、3歳児以降は0~2歳児と比較して保育士の配置基準も緩やかになるため、既存施設でも受入人数を確保しやすくなります。
現時点では本市において、この小規模保育事業を始めたいという具体的な相談もないとのことでした。制度として用意することに異論はありませんが、実際に事業者が手を挙げるケースはかなり限定的ではないかと思います。
あわせて、小規模保育事業所等において、一定の条件のもとで理学療法士等を保育士としてみなして配置人数に算入することができる規定も整備されます。
市からは、医療的ケア児など特別な支援を必要とする子どもの受入れにあたり、専門的な知見を保育現場で活用することなどが制度の趣旨として説明されました。
これについても、制度として選択肢を設けること自体は理解できます。ただ、実際の運用についてはかなり限定的ではないかと思います。
医療的ケア児の受入れは、理学療法士等を1人配置すれば可能になるというほど単純なものではありません。必要な人員体制や緊急時の対応、施設全体として責任を持って受け入れられる体制を整える必要があります。
これは小規模保育事業者に限った話ではありません。私立の認可保育所や認定こども園であっても、人員や体制に余地がなく、責任を持って受け入れることが難しいケースがあります。
サービスを必要としているにもかかわらず、民間だけでは十分な受皿を確保できない方を受け入れることこそ、公立施設が果たすべき重要な役割の一つだと考えています。
公立施設は一般会計によって支えることができます。民間で対応できるものは民間に委ねつつ、採算性や人員体制の問題から民間では担うことが難しい分野については、公が最後の受皿になる必要があります。
その意味でも、今回の「みなし」規定によって医療的ケア児の受入れが大きく広がるとは考えにくく、実際に活用される場面はかなり限られるのではないでしょうか。
本市においては、満3歳以上の小規模保育事業も、今回の「みなし」規定も、実際に活用される場面はかなり限定的で、「絵に描いた餅」に近い制度になるのではないかというのが、現時点での感想です。
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