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大原 ゆうき ブログ

道路公園施設包括管理業務委託。事業者提案の履行をいつまで待つのか

2025/8/8

今日は建設公営企業常任委員会。閉会中の継続調査事件として指定されている「道路公園施設包括管理業務委託の実施について」に関する所管事務調査を行いました。

委員会資料があります。市議会HPにもアップされていますが、2年で消えちゃうので僕の方でアップしておきます。

道路公園施設包括管理業務委託の実施について(建設公営企業常任委員会説明資料)

委員会による自発的な調査

これは行政から話ではなく、委員からの発案によるもの。委員会の調査権を活用しての取り組みになります。

同事業については、予算審査の折に「令和7年度からの一般会計予算の執行に当たり、適切な道路及び公園施設等の維持管理業務を講じるよう求めるもの」との附帯決議をしています。正直、踏み込みは浅いですが、議会として意見を付しているものです。

こうした附帯決議でよくあるのが、附帯決議がゴールで終わってしまうことです。でも付けたからには少なくとも令和7年度予算執行中には監視の目を光らせる必要があります。そういう意味では、委員会の調査権を活用して調査を実施する今日の取り組みは非常に意義ある取り組みだったと思ってます。

行政から引き出せた情報も相応にありますので、そこを中心に書いておきます。

「市内企業」の考え方

道路包括事業においては、「芦屋市内に本店又は支店を有する企業」と定義されています。

こうした定義があるため、前から含まれているんですが、協力会社にはセコムが含まれています。確かに市内に支店はあります。ですがご存じのとおり、全国区の大企業です。「セコムは市内企業だ」という市民は一人もいないんじゃないかなと。

「市内企業の活用」が重要視される

ここにこだわるのが、今回、事業者選定の折に「市内企業の活用」という部分の配点が重くなっているからです。つまりは「市内企業」が優遇される形になる。本来、特定の事業者を優遇するというのは民間に委ねる際に避けて通れない自由競争の考え方からすると、外れた考え方です。よって、そこには納得感のある理由が必要となります。

芦屋市や他の自治体においては、「市内企業の育成」「市内経済の活性化」といった目的で優遇をしてきています。市内企業はまちづくりへの寄与という部分もありますが、災害対応の部分でも力を発揮してくれています。「市内にしっかり企業がある」というのは市民にとってもプラスです。だから「市内企業」の定義づけは「市内に本社または"主たる"事業所がある」です。

道路包括においては「市内に支店があればOK」となる

が。この道路包括事業においては「すぐに駆け付けられる」というところに重きが置かれているとのことで、市内に支店があればOKと考えられています。これはこれまで芦屋市が取り組んできた方針とは少し異なっていると思います。

現に、全国展開されている大企業であるセコムが「市内企業」としてカウントされており、それも含めた市内企業数のカウントによって配点されており、結果として選定を受けています。

これははっきり言って、前例になります。「なぜ市内企業を優遇するのか?」の部分が危うくなると思います。市全体の方向性との整理はしてませんとのことだったので道路包括の部分だけで適用される定義づけになるようです。

本社は別の地方にあって、かつ全国展開しているような大企業なのに、数ある支店の一つが芦屋市にありさえすれば、それは市内企業だ。というのは感覚的にもおかしい理屈だし、市民に理解される考え方ではないと思います。

ノウハウがない企業による下請業者への丸投げも認められている

「植栽等維持管理」に携わる協力会社に造園業の経験やノウハウがない企業が名を連ねています。自社社員でスキルのある人がいないのだから、下請けに丸投げになるのは当然。実際に市内で選定業務を行っている事業者を見る限り、市外業者がやってます。しかも丹波篠山とか、かなり遠方の。

委託事業者である(株)笠谷工務店・池本健建設(株)・(株)協立道路サービスJV(以下、笠谷工務店JV)は選定時の提案の中で「協力会社のうち、8割の企業を市内企業にします」と謳っています。しかし実態は、自社にノウハウがなく下請けに丸投げせざるを得ない企業も協力会社に入れている。これってどうなんでしょうね。

従前から、人手不足の現場に対しては、パートナーとして他の事業者の応援を受けていたのはあると思います。でもそれはあくまで、経験のあるプロパー社員が現場責任者として監督する形で市外事業者の人を使うということです。これは僕は下請けとは言わないし、市外事業者を使っているとも言わないと思います。

管理者や芦屋市は下請業者に指示が出せない

そしてもう一つ問題があります。下請業者に対して指示を出せるのは元請業者だけです。今回で言うと、笠谷工務店JVが管理者に当たる訳ですが、下請業者に指示を出せません。伝言ゲームにはなりますが、元請業者にノウハウがあれば、適切な指示も可能だとは思います。

ですが残念ながら、今回協力会社に挙がっている企業の中にはノウハウがない企業があります。この間、市民などから多数の苦情が届いています。芦屋市からも改善の指示が行っていると思います。そうした指示は下請業者に届くのでしょうか。

提案の履行について、いつまで待つのか

公募型プロポーザルにおいては、提案されている内容を実行するのが当たり前です。今回、笠谷工務店JVは以下の提案をしています。

  • 協力会社のうち、8割を市内企業にする
  • 発注金額のうち、9割を市内企業に支払う

しかし実際には、企画提案書への添付が義務付けられていた協力表明書の添付はなく、実現性については疑問が残る形での提案でした。

そうした背景もあり、150点満点の配点のうち、102点を獲得しています。一方、全ての協力会社の協力表明書をきっちり添付していた次点事業者である芦屋市造園協同組合については150点満点中、117点を獲得しています。

造園組合の方が15点多いんですが、その差はパーセントで言うと約10%の差。実現可能性の担保もない提案が何故か65%近い点数を取っています。優良可で言うと、可でありギリギリ合格点。

実現可能性の担保もない提案に対してどうやって65点もあげてるのか謎ですが、それは一旦置いておいて、実現できないとこの点数は嘘になります。

特に笠谷工務店JVの場合、4月1日のスタート時点から約4割と目標値には全然届いていません。7月1日時点では約5割と改善はみられるものの、提案数字からすると程遠い数です。

提案書では「造園業を含むことができるので8割を市内企業にします」というような記述があります。市内の造園業者のほとんどが加入している造園組合との分断が明確化してしまっている状況下において、提案している条件をきちんと履行できるのでしょうか。

期限は設けずに待つとのこと

スタートから提案内容に全然届いていない状況であり、早急な改善が求められるはず。市としては、そこは「早く履行しろよ」と指導しても良い立場だと思います。

年度途中で一時的に8割を下回っている状況なら良いですが、スタートから全然届いておらず、選定の正当性にも疑問が残る状況ですから、一刻も早い是正が求められます。市としては、デッドラインを引いても良いと思います。だって騙されてる訳だから。

ですが、今日の答弁では特に期限は設けず、都度指導しますとのこと。都度都度と言ってると、3年なんてあっという間に来てしまうと思いますけど。市のスタンスとして、それでいいのかと思います。プロポーザルの正当性が疑われるというのに随分と悠長なスタンスです。

二つの包括管理業務の一本化を急ぐ理由が分からない

この包括管理業務は、以下のように元々二つに分かれていました。これを一本化したのが今の包括管理業務委託となります。

  • 街路樹等包括管理業務(委託事業者:芦屋市造園協同組合)
  • 道路・公園施設等包括管理業務(委託事業者:株式会社笠谷工務店)

市としては、一本化をする目的として以下の点を挙げています。

  • 道路包括センターと街路樹包括センターの二つに分かれていると「分かりづらい」
  • 道路の管理を複数の事業者でやらないといけない

「分かりづらい」ことによる苦情件数はほぼなし

「分かりづらい」ことによって生じた苦情件数は市としては把握できていないとのこと。僕がセンターで働いていた人に聞いたところ、月に1回あれば良いぐらいの感覚だったとのこと。要するに、ほとんどありません。

しかも、市が「分かりづらい」と言っている両センターは、実際には同じ建物の隣同士のお部屋です。仮に間違えたとしても「隣ですよ」っていうだけ。分かりづらい!とはあんま思わないと思います。

道路の管理も支障ではなかった

道路管理についても、両方の委託事業者間で密に連携しており、特に運営上の支障はなかったと聞いています。市が心配するほどの問題ではなく、運用で普通に回避できている事態だったということです。

新たな問題を生み出してまでやることか?

市が推し進めた包括管理の一本化によって、芦屋市という狭い街の数少ない市内事業者間での大きな分断を巻き起こしました。話を聞いている限り、そう簡単には埋まらないだろうなという大きな分断です。

「二つあった包括管理業務を一本化しなければならない」明確な理由はありません。効率を考えて、将来的に進めるということは無きにしも非ずですが、今年度から性急にやらなければならない取り組みだったとは思いません。少なくとも、分断という大きな問題を産み出してまで性急に進めるべき取り組みではありません。

市はこうなることを予期していなかった?

大きな問題を産み出すことが予期できていたのであれば、一旦ペンディングにして問題が起こらないように措置するということも考えられたと思います。今年度にやらなければならない切羽詰まった問題はありませんから。

だから、市に「予期できてなかったの?」とYes or Noを問う質問をしたところ、YesともNoとも答えてくれませんでした。まあ、こうした事態を予期できていたのに強行する訳ないよね?と思うので、「きっと予期できてなかったんだな」と受け止めています。

市役所OBOGの採用

笠谷工務店JVの提案書には、次の記述があります。「芦屋市の道路公園事業経験のあるOBOG社員の再雇用受け皿として活用すること」

これって俗に言う天下りです。この記述が選定の際のプラス評価にはなってませんね?と確認したところ。「天下りが疑われるため、むしろマイナス評価でした」との回答がありました。

また、笠谷工務店にはこの道路公園事業経験のあるOB社員が入社しています。笠谷工務店JVのプレゼンを聞く場に、当該のOB社員は来ていたのか?と確認したところ、「来ていた」そうです。

当該のOB社員の人が来ていたとしても、選定の評価には影響していない?と確認したところ、「影響していない」とのことでした。まあ、影響してましたと言われたら大問題すぎて大変なことになっちゃいますけど。

個人的に。民間事業者が公務員のキャリアや経験値を評価し、採用することは一概に悪いとは言えないと思います。ただ、選定のときに出てくるのは良くないです。特に、選定委員の人は市職員でしたから、みんな顔見知り。まったくフラットにっていうのも難しいんじゃないのかなと思います。

今日は時間もなかったからそこまで問いませんでしたが、「本当にフラットに評価したんだろうね?証拠は?」と聞かれるとつらいと思います。OBOGを採用することは否定しませんが、選定の場に出てきてしまうと疑いの目を持たれても仕方ない。もう少し気を付けてほしいと思います。

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著者

大原 ゆうき

大原 ゆうき

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