2026/8/10
熊谷のまちを見渡してみると、いくつもの課題が見えてきます。
増えていく空き家。
空き店舗や人通りの減少。
放課後や長期休暇中の子どもの居場所。
そして、地域社会のつながりの希薄化。
一見すると、それぞれ別の問題のように見えます。
でも私は、これらを一つずつ別々に考えるのではなく、つなげて考えることで、新しい解決の形が生まれるのではないかと思っています。
熊谷市でも、人口減少や高齢化などを背景に空き家が増えています。
空き家は、管理されない状態が続けば、防災、防犯、景観など、地域にさまざまな問題をもたらします。
しかし私は、空き家を単に「困った建物」として見るだけでは、もったいないと思っています。
使われなくなった建物をもう一度、人が集まる場所へ。
子どもたちの居場所、高齢者や地域の人が関われる場所、地域の交流拠点などに生まれ変わらせることができれば、空き家は「地域の課題」から「地域の資源」へ変わる可能性があります。
まちの中から店がなくなり、人通りが少なくなると、単に買い物が不便になるだけではありません。
人が歩く。
店に立ち寄る。
顔見知りと挨拶をする。
地域の大人が子どもを見守る。
そうした日常の風景も、少しずつ失われていきます。
まちなかのにぎわいを取り戻すためには、大きな施設を一つ造るだけではなく、日常的に人が出会い、歩き、立ち寄る理由をつくることも大切ではないでしょうか。
熊谷市では現在、市内28小学校区でこども食堂が開催されるなど、地域の皆さんによる子どもの居場所づくりが広がっています。
こうした活動は、熊谷の大切な地域資源です。
その一方で、仕事などで保護者の帰宅が遅くなる日や長い夏休みなど、子どもだけで過ごす時間が長くなることに不安を感じる家庭があります。
熊谷市には児童クラブがあり、仕事などで昼間家庭に保護者がいない児童の生活の場として、大切な役割を担っています。
一方、夏季休業期間の利用については、受入可能人数に余裕がある場合に受け入れる仕組みで、申し込んでも入室できない場合があります。
既存の制度や地域の活動と競うのではなく、それぞれが役割を担いながら、子どもや家庭の状況に応じて選べる居場所が地域の中にいくつもあることが大切だと考えています。
そこで、今ある活動に加えて、もう一つの選択肢として私たちがつくりたいのが、
「放課後、日常的に通えて、食事や学習まで支えられる子どもの居場所」
です。
学校が終わったら「ただいま」と帰ってくる。
宿題をしたり、分からないところを教えてもらったりする。
地域の大人に見守られながら過ごし、夕方になったら温かい食事を一緒に食べる。
特別な日にだけ行く場所ではなく、子どもたちの日常の中にある居場所です。
「今日はここで宿題をして、ご飯を食べてから帰ろう」
そんな場所が身近にあれば、子どもにとっても、働く保護者にとっても、一つの安心につながるのではないでしょうか。
それが、私たちが準備を進めている**「熊谷こども未来ひろば」**の基本的な考え方です。
核家族化などを背景に、地域社会のつながりが希薄になっていることも課題の一つです。
子どもの安全を、家庭と学校だけで守ることには限界があります。
商店の人、近所の人、ボランティア、高齢者、学生など、地域のいろいろな人が子どもたちと顔見知りになる。
「おかえり」
「今日はどうしたの?」
「気をつけて帰ってね」
そんな何気ない声かけがある地域は、子どもにとって安心できる地域でもあります。
子どもの居場所をつくることは、子どもだけのためではありません。
そこに地域の人が関わることで、人と人とのつながりをもう一度つくっていくことにもなると考えています。
熊谷市には、空き家を地域コミュニティの活性化や子育て支援などに活用する場合、改修費の一部を補助する「熊谷市空き家利活用(地域活性化リフォーム等)補助金」があります。
今回の「熊谷こども未来ひろば」は、まさに空き家を子どもの居場所として活用する事業です。
そこで私たちも、この補助制度の利用を検討しました。
しかし、実際に申請することを前提に条件を確認していくと、私たちのような活動にとってはハードルが高く、今回は申請を断念することにしました。
市の担当者に確認したところ、この制度については、これまで利用実績が0件とのことでした。
制度そのものは、とてもよい目的でつくられています。
だからこそ私は、制度が「ある」だけでなく、本当に空き家を地域のために活用しようとする人たちが「使える」制度になっていくことも大切ではないかと思っています。
熊谷には、これからも空き家が増えていく可能性があります。
その一方で、子どもの居場所、地域の交流拠点、まちなかのにぎわいなど、必要とされている「場所」もあります。
だったら、この二つをつなげてみてはどうでしょう。
空き家の問題。
まちなかのにぎわい。
子どもの居場所。
地域社会のつながり。
これらを別々の問題として考えるのではなく、つなげて解決していく。
その一つの取り組みとして、現在、熊谷市肥塚にある空き家を活用した「熊谷こども未来ひろば」の開設準備を進めています。
目指しているのは、
放課後、日常的に通えて、
食事や学習まで支えられる
子どもたちの居場所。
学校が終わったら「ただいま」と帰って来られる、もう一つの我が家のような場所です。
まずは、一つの空き家から。
そこに子どもが集まり、地域の大人が関わり、人と人とのつながりが生まれる。
そして、この小さな取り組みを、やがて熊谷のまち全体へ。
空き家を生かして、人がつながる。
子どもたちの居場所づくりから、熊谷の未来をつくる。
「熊谷こども未来ひろば」は、その最初の一歩です。
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