鈴木 こうじ ブログ
川西市 川西市立総合医療センター整備事業について(視察)
2025/1/19

川西市 川西市立総合医療センター整備事業について
【説明】
説明部署健康医療部、保険医療政策課、病院経営企画課など
・川西市が抱えていた背景①赤字経営②医師大幅減③施設老朽化といった課題あり。平成26年に資金不足比率が20%を超え財政健全化団体となった。
・平成29年「市立川西病院事業新経営改革プラン」
政策医療(小児・周産期・救急など)、高度急性期病床確保、医療の圏域内完結、市の基幹病院としての地域包括ケアシステム構築を主たる目的とする。
・4つの課題①赤字経営(短期貸付金6億円)②病院老朽化(築35年)③病院立地④経営形態の見直し
・川西市立総合医療センター構想案
独立行政法人化は債務負担超過のため断念。指定管理者制度とするしか道がなかった。建設費は全額地方債による借入(指定管理者50%負担、残り半分を市の負担だが、40%は国からの地方交付税措置であったため、実際の市の負担は10%)
・市の職員は民間病院の職員となるため希望する全ての職員は指定管理者側で採用。公務員に比べ給料は下がるため給料の差額補償を4年間限定で実施。公務員として引き続き継続雇用希望者は川西市の事務職として採用した。
・基本構想における重要ポイント:①デザインビルド方式②病床の全室個室化(全室個室化は患者からの満足度が非常に高い)
・指定管理者制度導入後、市の資金繰入は建設費用の10%程度のみにとどまる。
・建設後の現状①入院患者数:コロナ禍では2,000人受け入れ。令和5年度は入院患者数374.8人/日、病床稼働率92.5%。②救急患者数:令和5年度587.9人/月、救急不応需率10.6%(川西救急5.1%)
・今後の課題:院内モニタリング、市民モニター会議、経営評価委員会にて評価実施。市民の評価、診療単価上昇、満床時の不応需率向上、医師確保、地域との連携体制構築といったことが課題。
【以下質疑応答】
Q:病床を400床とした根拠は。
A:経営改善をすることが目的であったので400床が妥当と判断した。
Q:1床あたり90平米という「ゆとりある設計」であるのに、坪単価140万円、総額で建築費用が140億円で収まった理由は。
A:コロナ前で建設のタイミングが良かった。清水建設は決して安いから依頼したわけではない。価格から言えば3番目。全室個室化などのアイデアが良かったため採用。
現在新たに病院建設を法人として箕面市で考えているが、予定価格坪300万円では応札がなかった。(入札不調)そのため設計変更を余儀なくされている。
Q:指定管理となったのは建設前からか。
A:新病院を建設するために指定管理制度採用を前倒しにした。
Q:全室個室化としたら看護師負担が増加するのでは。
看護部長
A:看護部も事前に全室個室化の病院を見学した。清水建設の提案が良かった(ムダのない、固定概念を取り払った動線・物品配置)。全室個室化は採用のウリにもなっている。病院建設と同時にスマートフォンを導入し電子カルテも閲覧できるようにした。患者さんの部屋も全てiPadでテレビを見るなど医療DXをはかった。それにより各部屋にテレビ回線を敷く費用も浮いた。部屋で栄養指導、服薬指導ができるので患者さんが動くことがなく職員が部屋に行くスタイル。PFM・PFC(患者支援センター)事務職員など全部署で固定の机がないフリーアドレス制の導入。ノートPCでどこでも入力可。
【その後センター内を案内していただきました】