2026/9/4

2026年7月、新宿区でも「5歳児健康診査」がスタートしました。
3歳児健診から就学までの間に、子どもの発達上の困りごとに気づき、できるだけ早く必要な支援につなげる仕組みを――。
私がこの問題を新宿区議会で具体的に取り上げたのは、2018年2月22日の予算特別委員会でした。
当時、足立区の先進的な取り組みを紹介しながら、4歳児全体を対象に、園での日常の姿を専門職が観察し、早期の「気づき」から相談や療育につなげる仕組みを新宿区にもつくるよう提案しました。
その後も発達支援の充実を繰り返し求め、2025年には「5歳児健診」の実施を具体的に提案。
最初の提案から8年。2026年7月、ようやく新宿区でも制度として動き始めました。
ただし、現在始まったのは「希望する方を対象・年4回」という限られた体制です。
始まったことを一歩前進として歓迎しながら、ここで終わらせない。
「健診を実施する」ことから、「必要な子どもを確実に支援につなげる」仕組みへ。
ここからが大切です。
新宿区議会議員の川村のりあきです。
先日、現職の保育園長である妻と、就学前の子どもたちへの発達支援について話す機会がありました。
「健診という、いつもと違うかしこまった場面だけでは分からないことがある」
普段の園生活では、友だちとの関わりや集団活動、気持ちの切り替えなどに難しさが見えることがあっても、健診のような短時間の特別な場面では、その特徴が表れないことがあります。
反対に、集団の中では目立たず「大丈夫そう」に見える子どもが、実は無理を重ねていて、小学校入学後に困難が大きくなることもあります。
これは、現場の努力が足りないという話ではありません。
限られた時間の健診だけでは、見えにくいものがあるということです。
実はこの問題は、8年前の議会でも議論していました。
2018年の予算特別委員会で、新宿区の健康づくり課長も、健診の場だけで日常生活の様子を把握することには一定の限界があるとの認識を示しています。
だからこそ、保護者や園が日常的に見ている子どもの姿と、専門職による健診をどう結びつけるのか。
ここが非常に大切だと、あらためて感じています。
私はこの課題を、最近になって取り上げたわけではありません。
2018年2月22日の予算特別委員会で、保護者の方から聞いた「もっと早期に療育につなげたかった」という声を紹介しました。
そこで取り上げたのが、足立区の「気づきからのしくみ」です。
公立・私立を問わず、小規模保育や認証保育なども含めた保育園の4歳児を対象に、園でチェックシートを作成。臨床心理士や作業療法士が子どもの行動を観察し、園へのフィードバックや、必要に応じた保護者面談、個別の支援につなげていく仕組みです。
私はこの取り組みを紹介し、
「4歳児の皆さん全体を対象に」
さらに、
「全体をそういった網羅するような、そういう仕組みというのも必要ではないか」
と、新宿区にも早期の「気づき」を支援につなげる仕組みをつくるよう提案しました。
さらに注目したのは、その後のフォローです。
保護者が面談を希望しなかった場合にも、5歳児前後に改めてフォローする。
私はこれを、
「支援が必要なお子さんを逃さない、しっかりとすくい取っていく」
姿勢として評価し、新宿区にも同様の視点を持って取り組むよう求めました。
振り返ってみると、現在の5歳児健診にもつながる問題意識――
「健診の一場面だけでなく、日常の姿から気づく」
「できるだけ広く子どもたちを捉える」
「気づいた後、実際の支援につなげる」
という課題を、この時すでに議会で提起していたことになります。
その後も、この問題を継続して取り上げてきました。
2019年3月の予算特別委員会では、児童発達支援・放課後等デイサービスの利用状況を確認し、発達障害等のある児童・生徒への支援体制と教員研修の充実を求めました。
2021年3月の予算特別委員会でも、発達障害のある子どもへの支援について質疑しました。
2022年12月1日の第4回定例会一般質問「発達障害児の支援について」でも、保護者・保育士・幼稚園教諭の皆さんから伺った声をもとに、早期の「気づき」から相談・支援につなげる体制の充実を改めて提案しました。
2023年3月の予算特別委員会でも、障害児通所支援の質の確保や特別支援教育推進員の充実を求めました。
そして、2025年3月7日の予算特別委員会。
私は、発達障害の早期発見につながる**「5歳児健診を新宿区でも実施すべきだ」**と具体的に求めました。
区も、5歳ごろは言語の理解能力や社会性が高まり、発達上の特性が認知される時期であり、健診によって子どもの特性を早期に発見し、適切な支援を行うことは重要との認識を示しました。
【新宿区議会】発達障害の早期発見に5歳児健診を!新宿区で導入を求める質問
この議会質問の動画にも、多くのアクセスをいただいています。
それだけ、**「就学前に困りごとへ気づき、早く支援につなげてほしい」**という問題への関心が大きいのだと受け止めています。
こうした経過を経て、新宿区の令和8年度(2026年度)予算に**「5歳児健康診査」事業**が計上されました。
予算額は2,998万2千円。
そして2026年7月から実施が始まりました。
対象は、実施年度に満5歳になる幼児のうち希望する方です。
集団遊びの場で子どもの様子を観察するとともに、計測・診察、問診、個別相談を実施。小児科医師、心理職、保育士、栄養士、歯科衛生士など複数の専門職が、保護者の心配ごとに対応する仕組みです。
実施は年4回とされています。
国も、こども家庭庁が「1か月児及び5歳児健康診査支援事業」を創設し、5歳児健診を実施する自治体への財政支援を始めています。
5歳児健診は、1歳6か月児健診や3歳児健診のような法定健診ではなく、自治体の判断で実施する健診です。
だからこそ新宿区も、「始めたから終わり」ではなく、実施結果を検証しながら制度を育てていくことが重要です。
ここで、2018年に私が取り上げた仕組みと、今回始まった5歳児健診を比べてみたいと思います。
2018年に紹介した足立区の取り組みで私が特に注目したのは、4歳児全体を対象に、普段生活している園での姿から「気づき」を得ようとしていたことでした。
一方、新宿区で今回始まった5歳児健康診査は、希望する方が申し込む方式です。
もちろん、専門職が集団遊びの様子を観察することは大きな前進です。
しかし、8年前から私が求めてきた、
「支援を必要としている子どもをできるだけ逃さない仕組み」
というところまで考えれば、まだスタートラインです。
現在は、案内を受け取った家庭のうち、希望する方が申し込む仕組みです。
しかし、本当に支援を必要としている家庭ほど、困りごとに気づいていなかったり、健診の必要性を感じていなかったりする可能性もあります。
単に通知を送って待つだけではなく、保護者の同意を大切にしながら、保育園や幼稚園など、日常的に子どもを見ている現場の「気づき」を生かす仕組みをさらに充実させる必要があります。
これは、まさに2018年から求めてきた課題です。
2018年の議会質問でも、保護者から聞いた経験として、3歳児健診などで「様子を見ましょう」と言われ、その後の支援につながらなかったという声を取り上げました。
「専門医を受診してください」と紹介するだけでも、実際の受診まで時間がかかる場合があります。
大切なのは、診断名がつくかどうかだけではありません。
健診や相談の段階から、家庭や園でできる関わり方、環境の整え方について具体的に助言し、必要な支援につないでいく。
「気づいたけれど、支援が始まるまで何か月も待つ」時間をできるだけ短くする。
ここまでできて初めて、早期発見が早期支援につながります。
実はこの点も、2018年の議会で取り上げています。
当時、新宿区の子ども総合センターは、保護者の同意を得たうえで、療育の経過や評価を在園・在校する学校、幼稚園、保育園へ提供していると答弁しました。
教育委員会も、発達障害等のある子どもについて個別の支援計画を作成し、引き継ぎに活用していく考えを示しています。
この仕組みをさらに確実なものにする必要があります。
就学前に分かった子どもの特性や、うまくいった支援方法を、保護者の同意のもとで教育現場へ適切に引き継ぐ。
そして入学後、必要な支援や環境調整へ速やかにつなげる。
「就学したら一からやり直し」にしない。
保育・幼児教育から学校教育へ、切れ目なくバトンを渡せる新宿区にしていきたいと思います。
子どもの成長にとって、就学前の1年、2年は二度と戻らない大切な時間です。
「もう少し様子を見ましょう」で終わらせない。
困りごとに早く気づき、必要な支援につなぎ、その支援を小学校へ、さらにその先へつないでいく。
2018年、私は4歳児全体を対象にした「気づき」の仕組みを新宿区にもつくるよう提案しました。
2025年には、5歳児健診の実施を具体的に求めました。
そして2026年7月、新宿区でも5歳児健康診査が始まりました。
8年前から求めてきた方向へ、確実に一歩前進しました。
しかし、本当に問われるのは、
「健診を始めたか」ではありません。
その健診によって、どれだけ子どもの困りごとに気づき、必要な支援につなげることができたのか。
そこまで検証してこそ、制度を始めた意味があります。
そしてもう一つ。
8年前から求めてきた**「全体を網羅するような気づきの仕組み」**という課題も残っています。
保育・幼児教育の現場で子どもたちと向き合う先生方、保護者の皆さま、専門職の知見を結びつけながら、新宿区の仕組みをさらに前へ進めたいと思います。
乳幼児期から就学、そして自立まで、切れ目なく支える新宿へ。
これからも議会で具体的に提案していきます。
「うちの子の時はこうだった」
「園ではこんな課題を感じている」
「健診の案内が来たけれど申し込むか迷った」
そんな皆さまの経験や現場の声も、ぜひお寄せください。
皆さまからいただいた声を、次の議会質問と制度改善につなげていきます。
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・2018年2月22日
予算特別委員会で、保護者の「もっと早期に療育につなげたかった」という声を紹介。足立区の取り組みを例に、4歳児全体を対象として園での行動観察から早期の気づき、保護者面談、支援へつなげる仕組みを新宿区にも提案。5歳児前後のフォローを含め、「支援が必要な子どもを逃さない」体制の必要性を訴える。
・2019年3月
予算特別委員会で、児童発達支援・放課後等デイサービスの利用状況、発達障害等のある児童・生徒への支援体制、教員研修の充実を質疑。
・2021年3月
予算特別委員会で、発達障害のある子どもへの支援について質疑。
・2022年12月1日
第4回定例会一般質問「発達障害児の支援について」で、早期の気づきから相談・支援につなげる体制の充実を改めて提案。
・2023年3月
予算特別委員会で、障害児通所支援の質、特別支援教育推進員の充実を要望。
・2025年3月7日
予算特別委員会で、5歳児健診の新宿区での実施を具体的に要求。
・2026年2月5日
令和8年度予算に「5歳児健康診査」事業を計上。予算額2,998万2千円。
・2026年7月
新宿区で5歳児健康診査がスタート。
・2026年8月
保育現場との対話を踏まえ、実施後の改善課題を整理。
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「発達に不安があるが、どこに相談すればいいか分からない」
「健診の案内が来たが申し込むか迷った」
皆さまの声を、今後の議会質問と制度改善につなげます。
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発達支援や子育てのことに限らず、暮らしのなかでお困りのことがございましたら、お気軽にお寄せください。
📱 川村のりあき公式LINE:@819zzafp
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川村のりあき(川村範昭)
日本共産党新宿区議会議員 6期24年
「区民のためなら、あきらめない」
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・新宿区「令和8年度予算新宿区推進事業」記者会見資料
新宿区資料
・こども家庭庁「『1か月児』及び『5歳児』健康診査支援事業」
こども家庭庁資料
・こども家庭庁「乳幼児健診に関する取組み」
こども家庭庁「乳幼児健診に関する取組み」
・新宿区「子どもの健診」
新宿区「子どもの健診」
・足立区「4歳の気づきのしくみ」関連資料
足立区資料
・新宿区議会 平成30年3月予算特別委員会(2018年2月22日-02号)
・新宿区議会 令和4年第4回定例会会議録(2022年12月1日)
新宿区議会会議録
・新宿区議会 令和7年度予算特別委員会会議録(2025年3月7日)
新宿区議会会議録
・動画「【新宿区議会】発達障害の早期発見に5歳児健診を!新宿区で導入を求める質問」
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