2026/3/4
令和8年2月26日に開催された予算特別委員会第1分科会において、神戸市選挙管理委員会に対し、選挙運動に対する妨害行為と公職選挙法に定められる「選挙の自由妨害罪」の運用について質疑を行いました。
近年、しばき隊など選挙運動に対する妨害行為が激しさを増しており、全国的にも注目される事例が発生しています。公職選挙法第225条には「選挙の自由妨害罪」が規定されていますが、実際の運用や摘発のあり方、また候補者が妨害を受けた場合の対応などについて整理されているのかという観点から、市選挙管理委員会の認識と対応について確認しました。
以下、選挙管理委員会との質疑・答弁です。
上畠寛弘分科員
次に、選挙運動に対する自由妨害罪について伺います。
選挙運動に対する妨害行為は、近年かなり激しさが増していると感じています。神戸市内でもそうした事例があったのではないかと主観的には感じていますし、全国的にも話題となった事例がありました。例えば東京15区の補欠選挙では、選挙運動に対する妨害行為が大きく取り上げられました。
公職選挙法第225条には選挙の自由妨害罪の規定がありますが、実際には妨害行為を十分排除できていないのではないかと感じています。
同条第1号では、暴行または威力を加え、あるいはかどわかした者を処罰するとされていますが、ここでいう「威力を加える」あるいは「かどわかす」とは、具体的にどのような行為を指すのか教えてください。
庄田拓二選挙管理委員会事務局部長(選挙担当)
選挙の自由妨害について、公職選挙法第225条第1号では、暴行もしくは威力を加え、またはこれをかどわかした者は4年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金に処することとされています。
ここでいう「威力を加える」とは、選挙人・候補者・選挙運動者等の選挙に関する自由な意思決定を抑圧するため、暴行以外の不法な勢力を加えることを指します。脅迫のような強度の威嚇行為に達しなくても、社会的・政治的・経済的な地位などによって圧迫を加えるような行為も含まれると解されています。
また、威力による選挙の自由妨害罪は、威力を加える行為があれば成立し、実際に選挙の自由が妨害されたかどうかは問わないとされています。
さらに「かどわかす」とは、他人を欺罔または誘惑して現在地から他の場所へ連れて行くことを指し、虚偽の事実によって欺いて連れて行く場合や、虚偽の事実を用いずに誘惑して連れて行く場合などが含まれると考えられています。
上畠寛弘分科員
私自身も公職選挙法の逐条解説を読んでいます。これは全国の選挙管理委員会や警察の捜査部門でも参照されているものです。
その中でも、威力による選挙の自由妨害罪は「威力を加えることによって成立し、現実に選挙の自由が妨害されたかどうかは問わない」とされています。つまり、威力を加えた事実だけで成立する犯罪です。
脅迫に至らない場合でも成立し得るとされている以上、例えば大声で威圧的に叫ぶなどの行為があった場合、それが社会通念上やり過ぎではないかと感じるケースもあります。
そのような行為があった場合、なぜ選挙の自由妨害罪が適用されないのか、また摘発されるためにはどのような対応が必要なのか。
選挙管理委員会としてできること、あるいは警察が責任を持って対応すべきこと、さらに候補者や陣営が妨害を受けた場合にどのような対応を取ることが適切なのか、その整理はされているのでしょうか。もし整理されていないのであれば、その点についてもお聞かせください。
庄田拓二選挙管理委員会事務局部長(選挙担当)
個別具体の事案については、事実関係に即して判断されるべきものです。
選挙管理委員会には実質的な調査権限がないため、個々の行為が公職選挙法違反に当たるかどうかを判断する立場にはありません。
ただし、選挙の自由妨害を含む選挙違反に関するルールの周知や啓発はこれまでも行っており、法令に抵触する可能性のある事案の情報に接した場合には、警察当局と情報交換を行いながら適切に対応していく考えです。
上畠寛弘分科員
今回の衆議院選挙などを見ても、候補者に対して抗議の域を超えた悪口や誹謗中傷が行われる事例が発生しているという実態があります。
これは組織力のある政党であれば対応できる場合もありますが、無所属候補や人員の少ない政党では対応が難しい場合もあります。そうした状況の中で、公平な選挙運動の機会が確保されているのかという問題があります。
このような状況が続けば、「こんな状況になるなら立候補しない方がいい」と萎縮してしまう可能性もあります。被選挙権は日本国民であれば保障されているわけですから、自由な立候補が阻害されるような状況は望ましくありません。
神戸市選挙管理委員会としてもこの実態を把握し、必要であれば兵庫県警や兵庫県選挙管理委員会、さらには総務省とも情報共有を行いながら対応を検討していただきたいと思います。
選挙管理委員会として直ちに統一見解を出すことは難しいと思いますが、今回の予算委員会でこのような議論があったことを委員会として共有していただきたいと思います。
委員長にお伺いします。
長谷選挙管理委員会事務局長
選挙管理委員会としては、選挙の自由妨害罪を含めた選挙違反となるケースについて、ホームページなどで周知を行っています。
また、市長選挙などの際の立候補予定者説明会でも丁寧に説明を行い、候補者に対する注意喚起を行ってきました。
こうした事案が存在することについては選挙管理委員会でも認識しており、本日の御質問については、3月に開催予定の選挙管理委員会でも共有させていただきます。
上畠寛弘分科員
候補者に対する説明を行っていることは理解しています。候補者は公職選挙法を守ろうとして選挙運動を行っています。
しかし問題は、候補者側ではなく、妨害行為が行われた場合にどう対応するのかという点です。例えば女性候補者が男性の抗議者から強い言動を受けた場合、恐怖を感じることもあります。
そうした状況の中で、自由な立候補が萎縮してしまわないかという点が私の問題意識です。
候補者への説明だけではなく、こうした実態について選挙管理委員会としてもしっかり議論していただきたいと思います。3月の委員会でも共有されるとのことですので、委員長としても実態を把握した上で検討していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
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