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東芝 ひろあき ブログ

【かつらぎ町】八月六日の日に

2026/8/6

81年前、広島に原爆が投下されてから81年目の朝だった。
自宅を7時27分に出て中飯降の駅に向かった。映画「黒川の女たち」のチラシを配布する日だった。駅に着くと3人の女性が既にチラシを配布していた。8時前、雲が日差しを遮ってくれた。紀の川高校の高校生たちが、駅のホームから坂道を登ってくる。高校が9時に始まるので、8時45分までチラシを配布した。

いつもは8時から始まる広島の平和式典を見る。今日はいつもとは違う1日の始まりとなった。
広島のことと原爆のことを違う形で刻みたいと思うので、原爆詩人と呼ばれた峠三吉の詩を引用したい。

八月六日
          峠三吉

あの閃光が忘れえようか
瞬時に街頭の三万は消え
圧しつぶされた暗闇の底で
五万の悲鳴は絶え

渦巻くきいろい煙がうすれると
ビルディングは裂け、橋は崩れ
満員電車はそのまま焦げ
涯しない瓦礫と燃えさしの堆積であった広島
やがてボロ切れのような皮膚を垂れた
両手を胸に
くずれた脳漿を踏み
焼け焦こげた布を腰にまとって
泣きながら群れ歩いた裸体の行列

石地蔵のように散乱した練兵場の屍体
つながれた筏へ這いより折り重った河岸の群も
灼けつく日ざしの下でしだいに屍体とかわり
夕空をつく火光の中に
下敷きのまま生きていた母や弟の町のあたりも
焼けうつり

兵器廠の床の糞尿のうえに
のがれ横たわった女学生らの
太鼓腹の、片眼つぶれの、半身あかむけの、丸坊主の
誰がたれとも分らぬ一群の上に朝日がさせば
すでに動くものもなく
異臭のよどんだなかで
金ダライにとぶ蠅の羽音だけ

三十万の全市をしめた
あの静寂が忘れえようか
そのしずけさの中で
帰らなかった妻や子のしろい眼窩が
俺たちの心魂をたち割って
込めたねがいを
忘れえようか! 

この詩を、現代に生きる私たちが、リアルに把握しようとすれば、広島の平和記念資料館を訪れる必要があるかも知れない。81年という時間が全てを押し流すからこそ、原爆が引き起こした現実を記録に留め、人間の記憶も含めて伝える努力が必要になる。

そこから何を学ぶのか。ぼくとしては、現実の課題として核兵器廃絶を求めたい。

8月6日という日に、午後からは全県町村議長会による全議員研修が、かつらぎ総合文化会館で行われた。
電車の接触事故で講師の方が30分程度会場に来るのが遅れたので、40分ほど中阪町長が、かつらぎ町の取り組みを即興で語った。日頃、中阪町長が考えていることを語ってくれた。真剣に考えているからこそ、よどみなく、準備したかのように縦横に町政に対する取り組みを語ることとなった。準備もないのに話を組み立て、語ったのは見事だった(語った内容に対しては、深い質疑をしたいものがいくつもあったけれど)。

そのあと、元経産省や内閣官房の官僚だった人が、日本のエネルギー事情を語った。電車の事故で遅れた分、30分ほど短い講演となった。広島の原爆記念日に、今後日本はもっと原子力発電所を稼働させ、伸びざるを得ない電力需要に対応すべきという話は、なんという悪夢のような話だと思った。使用済み核燃料の最終処分場については、安全上何の問題もないと語っていたので、少し調べてみた。聞いた相手はGeminiだ。

安全だと言われている技術は、以下のとおり、リスクを抱えている。
「高レベル放射性廃棄物をガラスで固め、分厚い金属容器に封じ込め、さらに特殊な粘土で覆って地下300メートルより深い安定した岩盤に埋設する「多重バリアシステム」を指していると考えられる。この精緻な工学的設計の枠組みの中では、『人間の生活環境から隔離できるため安全である』というのが、推進側の基本的なロジックです。」
ということだが、この技術は、検証のしようがないという根本的な問題を抱えている。
「科学や技術の信頼性は、本来「実験し、観察し、検証し、修正する」というプロセスの繰り返しによって担保されます。しかし、高レベル放射性廃棄物の地層処分に関しては、その大前提となる「検証」そのものが不可能です。
その理由として、主に以下の点が挙げられます。

失敗が許されない一発勝負
通常の技術であれば、運用中に不具合が見つかれば修理や回収が可能です(可逆性)。しかし、地下深くに埋設し、最終的にアクセス不能にする地層処分では、万が一数百年後にバリアが破綻し地下水が汚染されたとしても、事実上取り返しがつきません。
誰も確かめることができない、つまり「結果に責任を持つ者が誰もいない」状態のまま、限定的なシミュレーション結果だけを根拠に「安全上問題ない」と断言することは、科学的な態度というよりも、ある種の過信と言わざるを得ません。そして、その不確実なリスクを抱え込むのは、処分場を受け入れた地域の未来の住民たちです。

人類の経験を絶する時間軸(実証不可能性)
放射能が天然のウラン鉱石と同等レベルに下がるまでに数万年から十万年かかるとされています。人類の文明の歴史を遥かに超える未来において、多重バリアが設計通りに機能し続けているかどうかを、今を生きる誰かがその目で見届けることは物理的に不可能です。

変動帯におけるシミュレーションの限界
推進側が提示する「安全」は、過去の地質データに基づく「計算機上の予測モデル」に過ぎません。しかし、日本列島のように無数の活断層が走り、地震や火山活動が繰り返される複雑な地殻環境において、数万年先の地下水脈の変化や地盤の動きを完全に予測することは、現在の科学の限界を超えています。予測不可能な自然のダイナミズムを、机上のモデルで完全に制御できると考えること自体に無理があります。」

核兵器廃絶の展望を切り開こうとするこの8月6日に、人類の技術で制御不可能な原発の再稼働を推進するような話をして、安全だと言い切り、国策を地元に受け入れて、国のお金を貰うべきだというのは、まさに「我亡き後に洪水は来たれ」というような話だった。気候変動に対する危機感は1ミリも表明されなかった。とりわけトイレのないマンションである原発の話は、もっときちんと語ってほしいものだと思った。

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著者

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