2024/9/17
児童養護議連及び虐待から子どもを守る議員の会の事務局長として長年児童虐待対策に取り組んできました。それでも尚悲惨な事件が後を絶たない、厳しい現実に目を背けることなく常に対策を強化して行かなければならないと痛感しています。
(委員会質問でも触れていますので動画もご覧ください)
こども家庭審議会児童虐待防止対策部会児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会による「こども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第20次報告)」が出されました。動画もあるのでご覧ください。
心中による虐待死、ネグレクト、身体的虐待によるもの、こどもの成長発達を促すために必要な関わりを持てていないケースなど、現地調査員、ヒアリングなどを受けて精査されています。
児童相談所や関係機関の対応過程において「こどもが死亡する」という結果に向かう分岐点があるのではないか、という分析、考察もなされています。対応家庭における分岐点を探ることで、対応の転機を逃さず命を救う結果へと導いていきたい、という思いがこの考察からは感じられます。分析を6つにグループ化しています。
1、転居の度に書き換えられる情報のロンダリングのプロセス
2、措置解除(施設に入所していたが家庭復帰)に伴い新たなリスクが出現するプロセス
3、保護者による(支援機関との)関係構築の拒否がリスクにつながっていくプロセス
4、親子関係以外の大人(主たる加害者となる)が家庭システムを変容させていくプロセス
5、保護者のメンタルヘルスの課題への関与の不備が孤立化につながるプロセス
6、一時保護解除時に生じた新たなリスクが影響するプロセス
いずれもこれまでも複数のケースで見られてきた特徴です。
・転居元の支援機関において把握されていたリスクは引き継ぐこと
・措置解除後の家庭復帰では単なる見守りではなく要対協等による支援を強化すること
・保護者に危機感のある積極的な対応を取ること
・家族全体にかかる情報を踏まえたリスクアセスメントによる援助をすること
・保護者のメンタルヘルスの課題を虐待リスク要因として認識すること
・一時保護解除の検討の際には要対協個別ケース検討会議等意見を聞くこと
など、対策も何度も繰り返し議論されてきたことではありますが、徹底に至るにはまだ難しさが残っています。それはなぜなのか。
1、関係機関との連携が不足している
2、支援機関が陥りやすいバイアスがある
・初期アセスメントにとらわれ、硬直化、固定化させてしまう
・保護者との関係性を優先するあまり的確なアセスメントができなくなってしまう
・過去同様案件あり大丈夫バイアスがかかってしまう
・インシデントを見落としてしまう、など。
3、虐待対応期間の体制上の問題がある
・ケース数の増加や人員人材の不足が課題である、など。
国としては妊娠期から出産後までの切れ目のない支援体制の整備をこれからも強化していくこと、人員体制強化と専門性の確保と資質の向上を支援すること、こども自身の意見を適切に表明できる仕組みを検討することなど、提言に沿って進めていく必要があると思います。
一方で、妊娠の届出が出ていない、母子健康手帳が未発行である、健診に来ていない、虐待が疑われる情報の提供を受ける、きょうだいへの虐待歴がある、などは、地方自治体、保育所、学校、など生活に身近なところで気づき対策を検討されることが多いものです。地方公共団体への提言も併せて第20次報告では出ていますので、関係者にはぜひ確認いただきたいと思います。
この記事をシェアする
ホーム>政党・政治家>牧島 かれん (マキシマ カレン)>児童虐待防止、こども虐待による死亡事例等の検証、虐待死、ネグレクト、身体的虐待への対応