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牧島 かれん ブログ

こども、若者、デジタル、SNS、プラットフォーム、インターネット、アルゴリズム

2026/6/12

「情報社会においてこども・若者を守るための提言」がとりまとまりましので、木原稔官房長官、林芳正総務大臣、黄川田担当大臣に手交しました。

情報社会においてこども・若者を守るための提言

 

令和8年5月28日

自由民主党政務調査会

「こども・若者」輝く未来創造本部

青少年健全育成推進調査会

情報通信戦略調査会

デジタル社会推進本部

情報社会においてこども・若者を守るPT

 

1.問題の所在

近年、こども・若者のインターネットの利用が、認知や行動、心身に負の影響を与える点が指摘されている。インターネットによって構築される情報社会は私たちの現実社会と異なり、距離の概念が存在しない新しい形の社会である。

こうした社会の中で、とりわけ、SNSや動画配信・共有サービス等の爆発的な普及により、依存、いじめ・誹謗中傷、性被害、犯罪関与(加害、被害ともに)といった新たな社会問題が深刻化の一途を辿っている。多様化・複雑化する新たなリスクについて、包括的に対応する観点から整理すると、コンテンツリスク・コンダクトリスク・コンタクトリスク・消費者関連リスク・横断的リスクに分類される。

また、最近では、科学的見地からも、アルゴリズムを通じた情報提供のあり方や長時間利用の傾向がこども・若者の認知や行動、心身の発達に負の影響を与えるといった点が指摘されており、グローバルな動向を見ても、こうした環境の変化からこども・若者を守るため、SNSの規制強化の動きが顕著となっている。

このような状況の中、青少年インターネット環境整備法をはじめとする我が国の現行制度は、コンテンツリスクへの対応としてフィルタリング中心の枠組みであるとともに、被害発生後の対応や保護者を含む利用者側の自衛に依存する側面が強く、プラットフォーム事業者を含めた事前予防の枠組みが整っておらず、上述したリスクの多様化・複雑化といった目下の社会状況に適応できていない。また、現実世界においては危険なものから身を離すことができる一方で、SNSを含むインターネット空間においては距離がないため、特に発達段階にあるこども・若者にとっては危険の回避が困難な場合がある。大人世代が経験してきていないデジタル環境において、家庭環境によって安全確保の格差もあるため、家庭・学校の努力やリテラシー教育に頼り続けることには限界もある。

SNSを含むインターネット空間が、こども・若者にとって必要な「居場所」や「相談の入り口」として、孤独や孤立を防ぐセーフティーネットの機能を果たしている側面や、GIGAスクール構想のもとでデジタル技術を活用した個別最適化された学びを実現しているといった点やこどもたちは今後デジタル社会の中でいきていくという点に留意し、こども基本法の基本理念等を踏まえ、こどものバイオサイコソーシャル・ウェルビーイングを実現するため、適正な利用の機会をしかるべく確保しつつも、こども・若者の置かれたインターネット環境の安全性を高める観点から、制度の抜本的なアップデートが求められる。

 

2.参考となる諸外国の動向

諸外国においては、年齢確認の義務化、アルゴリズムに対する規制、違法・有害コンテンツへの迅速な対応、制裁措置の強化など、プラットフォーム事業者に対する規律強化が進められている。一方で、年齢による一律禁止型のアプローチやリスクベース型の規制など、その手法は多様であり、各国の法体系や社会的背景に応じた制度設計がなされている。

我が国としても、これらの動向を踏まえつつ、実効性とバランスの取れた制度設計を検討する必要がある。

 

3.PTにおける議論

本PTにおける有識者のヒアリング及び議論を通じ、以下の点が論点として提示された。

 

(1)SNSの利用や動画視聴が、こども・若者の目や耳をはじめとする心身や行動に与える影響は大きく、アルゴリズム等を通じた情報提供のあり方や利用時間の長時間化が、その影響を増幅させていること。

(2)依存や誹謗中傷、性被害、犯罪関与といったリスクが複合的に存在していること。

(3)SNS等をある一定年齢以下のこどもに使わせないような仕組みにするという考え方もある一方、SNS空間がこども・若者の「居場所」として機能しているという側面もあることから、単純な規制強化ではなく、バランスのとれた制度設計が必要であること。

(4)こども・若者、家庭や学校のみに責任を負わせるには限界があり、年齢確認の厳格化も含めて携帯電話事業者、プラットフォーム事業者、OS事業者等による対応が不可欠であること。特に、プラットフォーム事業者の責任を明確化し、同事業者の安全に対する取組の透明性の確保及び実効性の担保が重要であること。

(5)脳科学、メンタルヘルスなど各種専門家と連携し、エビデンスベースの対策をとるべきであること。

(6)特にSNS事業者はそのサービスの上で展開される、社会性を帯びたコミュニケーションに対して安心・安全を確立する義務を負うべきであり、そのコストを外部にアウトソースさせないようにすること。

 

4.今後取り得る措置

上記1〜3を踏まえ、心身への影響・安全性の確保と利用機会の確保を両立させることを前提に、ディープフェイク対策合同PT、SNS等に関するPTでの議論とも連携をとりつつ、各リスクに横断的・包括的に対応するため、PTにおいて引き続き下記の点を中心に検討を進めていく。

また、政府に対しては、こどもの最善の利益の観点を最優先に据え、医学・公衆衛生・成育医療等の科学的知見を踏まえつつ、こどもの意見表明権と知る権利を保障し、その意思・意見が尊重される形で、関係する法律・制度を所管する関係省庁一体となって検討を進め、その上で青少年インターネット環境整備法について見直しの検討を進め、令和9年通常国会への改正法案の提出を目指すことを求める。なお、その際、こどもは「管理の対象」ではなく、こども自身が「基本的人権」を持ち、「保護される存在」であるという視点にたち、法律のみならず、リテラシーの向上も含め、ガイドラインの策定など多面的なアプローチを検討する必要がある。なお、こうした検討を進めるに際し、プラットフォーム事業者等の関係者との対話の場を設けること。

 

(1)プラットフォーム事業者等に対する対応

プラットフォーム事業者等に対し、青少年に関するリスク評価及び必要な対策の実施を求め、特にアルゴリズムによる情報提供及び利用時間のあり方がこども・若者の心身に与える影響を踏まえた設計及び透明性の確保を義務化すること。
性被害や自傷行為等のリスクについても、利用環境の設計やデジタルタトゥーへの対応等を含め、実効性の確保に向けて適切な対応を求めること。また、プラットフォーム事業者等に対して自社のこどもの保護のための取組の周知や子育てに関する意義、留意点などの広報への協力を求めること。
事業者が行ったリスク評価及び講じられた対策については、政府または第三者機関による評価を実施し、必要に応じ是正措置を求めることを可能とするとともに、実効性確保のため、課徴金も含めた具体的な措置を検討すること。

(2)利用環境の整備

年齢や発達段階に応じて、デフォルト設定の厳格化や利用状況の可視化、保護者による管理機能やフィルタリングの活用の促進等を通じ、こども・若者が安心して利用できる環境整備を推進すること。そのための年齢確認は、講じる対策の前提となる重要な行為であり、厳格化を検討すること。

(3)相談支援体制の強化及びリテラシー教育の抜本的拡充

SNS上のトラブルに対応する相談支援体制の強化を図るとともに、学校教育の段階に応じたリテラシー教育を政府主導のもと、国、基礎自治体及び教育委員会の責務としてより明確化し、こども・若者が自らリスクを認識し適切に対応できる力を育成すること。また、自発的にインターネットを利用する年齢ではない乳幼児のこどもを持つ保護者をはじめとして、妊娠期から健康診断や相談等の機会をとらえながら、保護者のリテラシー強化も促すこと。
こども・若者にとっての「居場所」や「相談の入り口」としての機能に配慮した支援の充実を図ること。

 

(4)調査研究及び技術基盤の強化

国において、こども・若者の心身に対する影響や利用実態についての調査研究を推進するとともに、EBPMの観点からも関係事業者との適切な連携の下で必要なデータの活用を図りつつ、アルゴリズムの影響分析や安全対策に資する技術の高度化を図ること。

(5)継続的な検証と見直し

デジタル環境の変化を踏まえ、関係省庁が一体となり、また官民連携して、EBPMの観点から施策の効果について必要な指標の設定等を通じて継続的に検証するとともに、段階的な対応の観点から、必要に応じて制度の見直しを定期的に行うこととし、それを制度として組み入れる。

(6)各国政府との連携

プラットフォーム事業者等はグローバルに展開している企業が多く、各国政府も手探りで対応を続けているところ、本件についての国際協調の流れを構築し、日本政府としてEU、英国、豪州、米国などと定期的な情報・意見交換の場を構築し、各国の取組が本来の目的を果たせているかを検証するとともに、各国における実効性ある取組を我が国に取り入れられる体制を整えること。

 

以上

 

「こども・若者」輝く未来創造本部、青少年健全育成推進調査会、

情報通信戦略調査会、デジタル社会推進本部

情報社会においてこども・若者を守るPT

開催一覧

令和8年5月19日現在

 

「こども・若者」輝く未来創造本部、青少年健全育成推進調査会、情報通信戦略調査会、

デジタル社会推進本部 合同会議【第1回】

令和8年3月25日(水)12:00~13:00 @701号室

 〇インターネットの利用を巡る青少年の保護の在り方について

   ※合同会議にてPTの設置が決定

 

情報社会においてこども・若者を守るPT

【第1回】令和8年3月31日(火)12:00~13:00 @リバティ2・3号室

 1.諸外国の制度について

 2.「青少年インターネット環境整備法の在り方等に関する検討ワーキンググループ」

    での議論について

 

【第2回】令和8年4月9日(木)08:00~09:00 @101号室

 〇インターネットの利用を巡る青少年の保護の在り方に関する有識者・関係団体から

  のヒアリング

  ・川島 隆太 東北大学加齢医学研究所応用脳科学研究分野教授(リモート出席)

  ・認定NPO法人第3の家族

  ・NPO法人ぱっぷす

 

【第3回】令和8年4月14日(火)11:45~12:45 @リバティ2・3号室

 〇インターネットの利用を巡る青少年の保護の在り方に関する有識者・関係団体から

  のヒアリング

  ・齋藤 長行 仙台大学体育学部スポーツ情報マスメディア学科教授

  ・一般社団法人全国高等学校PTA連合会 田名部 智之 会長(リモート出席)

  ・山本 龍彦 慶應義塾大学大学院法務研究科教授

 

【第4回】令和8年4月20日(月)13:30~14:30 @704号室

 〇インターネットの利用を巡る青少年の保護の在り方に関する有識者からのヒアリング

  ・岡田あゆみ 岡山大学医歯薬学域准教授(リモート出席)

  ・関  正樹 医療法人仁誠会大湫病院 児童精神科医(リモート出席)

  ・井出 草平 多摩大学情報社会学研究所客員教授(リモート出席)

  ・土井 香苗 国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ日本代表

  ・遠藤 智子 一般社団法人社会的包摂サポートセンター事務局長

 

【第5回】令和8年4月23日(木)08:00~09:30 @リバティ2・3号室

 〇インターネットの利用を巡る青少年の保護の在り方に関するSNS事業者からの

  ヒアリング

  ・Google(YouTube)

  ・Meta

  ・X

 

【第6回】令和8年5月14日(木)08:00~09:00 @704号室

○インターネット利用を巡る青少年の保護の在り方について

 ・政府からの論点提示

 ・提言骨子案について

 

【第7回】令和8年5月19日(火)08:00~09:00 @704号室

 ○「情報社会においてこども・若者を守るための 提言(案)」について

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著者

牧島 かれん

牧島 かれん

選挙 第51回衆議院議員選挙 2026年 (2026/02/08)
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