2026/9/17
午前4時頃から起き出して、新聞を読んだり、資料を整理しています。こんな生活がずっと続いていますが、先日、生活習慣の見直しを行い、ストレッチ、筋トレの割合も増やしています。
1)今後の「黄線区」の議論について
JR北海道が、利用者の減少などから単独での維持は困難としている、いわゆる「黄線区」をめぐる議論が、新しい段階に入ります。
黄線区とは、JR北海道が単独では維持することが困難としている8区間です。2025年度の営業赤字は8区間合計で約156億円に上り、線区によって利用状況にも大きな違いがあります。
JR北海道は今年4月、黄線区を維持するための方策として、利用促進や利便性向上などに加え、線路や駅などの鉄道施設を自治体側が保有・維持する「上下分離方式」などを示しました。
しかし、自治体に大きな財政負担が生じることなどへの懸念が強く、本格的な協議に入ることができませんでした。
こうした中、JR北海道は昨日16日、上下分離を沿線自治体との協議テーマから撤回し、国の主体的な関与のもと、新たな協議の枠組みを設ける考えを正式に発表しました。
新たな枠組みは「黄線区の持続可能な運営の在り方に関する協議会」(仮称)です。
北海道運輸局、北海道、沿線市町村、JR北海道が参加し、北海道運輸局が事務局を担います。8線区に共通する問題を扱う「全体会」と、線区ごとの8つのワーキンググループを設け、来年3月末を目途に「抜本的な改善方策」をまとめる方針です。
これは重要な転換です。
そこで、関係者から伺った話や公表資料、報道なども踏まえ、これからの議論について、先日の日記とも重なりますが、私なりに整理してみました。もちろん、これは現時点での私的な整理であり、今後の方向が決まったということではありません。
大切なのは、最初から「どの路線を残すのか、廃止するのか」という二者択一で考えないことです。
まず、北海道全体として、将来どのような交通・鉄道ネットワークが必要なのかを考える必要があります。
鉄道の役割は、輸送密度や赤字額だけでは測れません。
通学や通院など地域住民の移動、観光、地域間交流、貨物輸送、災害時の交通確保、防衛など、それぞれの線区が果たしている役割を幅広く捉える必要があります。
そして、黄線区8区間それぞれが、北海道全体の交通体系の中でどのような役割を担っているのかを整理する。
その上で、必要とされる線区についても、現在の運行形態をそのまま維持するということではなく、運行本数やダイヤ、駅のあり方、観光利用、他の交通機関との接続など、地域の実情に応じたサービスのあり方を考えていくことになります。
国の検討でも、地域のモビリティは地域が主体となって考える一方、広域的な地域間移動を支える公共交通ネットワークのあり方を検討することは国の役割と整理されています。
さらに国では、「維持すべき基幹的ネットワーク」について、単に路線を維持するだけではなく、必要なサービス水準、将来のコスト、その負担方法や分担まで検討する必要があるとしています。
もちろん、黄線区8区間すべてが、この「維持すべき基幹的ネットワーク」に位置づけられているわけではありません。
だからこそ、それぞれの線区がどのような役割と価値を持つのかを、これから丁寧に議論する必要があります。
同時に、JR北海道自身の経営努力も欠かせません。
昨日、JR北海道は「稼ぐ力」プロジェクトチームの提言も公表しました。鉄道以外の事業による収益力を高め、不動産、物流、観光など新しい事業を積極的に展開する方針です。黄線区についても、釧網線や石北線などを観光資源として活用する可能性が示されています。
しかし、この提言自身が、非鉄道事業の収益性が向上したとしても、黄線区を含めた地域交通体系をどう再構築するかは「避けては通れない課題」だとしています。
つまり、JRが「稼ぐ力」を高めることだけで、黄線区問題が解決するわけではありません。
最終的には、JR北海道、国、北海道、沿線自治体などが、それぞれどのような役割を担うのか。そして、必要なネットワークを維持するための費用を、どのように持続可能な形で確保するのかという問題を避けて通ることはできません。
国の検討でも、運賃収入だけで公共交通を維持することが難しくなっている現状を踏まえ、「維持すべき基幹的ネットワーク」を持続的に支えるためには、安定的な財源の確保が必要ではないかとされています。
したがって、今後の黄線区の議論を、単純に約156億円の赤字を誰が穴埋めするのかという話にしてはならないと思います。
まず、北海道に必要な交通・鉄道ネットワークは何かを考える。
次に、黄線区8区間がその中でどのような役割を担っているのかを整理する。
その上で、地域の実情に応じて必要なサービスのあり方を考える。
JR北海道自身も最大限の経営努力をする。
そして、国、北海道、沿線自治体などの役割を整理し、必要なネットワークを持続的に支える仕組みを考える。
これまでの議論などから、こうした方向になるかと見ています。
黄線区問題は、単なるJR北海道の赤字問題ではありません。
人口減少が進む北海道で、将来にわたって人や物が移動できる基盤をどう維持するのか。そして、北海道と日本に必要な交通・鉄道ネットワークを、次の世代にどう引き継ぐのかという問題です。
新しい協議の枠組みが、その将来像について国、北海道、JR、沿線自治体が一緒になって考える場になることを期待しています。北海道があまり積極的ではないのが気がかりですが。
私自身も関係者との連携を深めながら、この問題にしっかりと取り組んで参ります。
さあ今日も、ブレずに曲げずに、確実に前進します。
【26年9月17日 その6961『逢坂誠二の徒然日記』8658回】
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