2026/7/12
今日、シンポジウムがあるため、昨夕、旭川入りしました。利用予定のJRが大雨のため運休となり高速バスでの移動となりましたが、無事に到着しました。
1)余裕のない状態からの積極財政
昨日、高市内閣の積極財政について言及しました。
私は、「どのような客観的指標を継続的に点検し、どのような状況になれば政策の規模や内容を見直すのか。その判断基準や政策修正の考え方をあらかじめ国民に示してこそ、『責任ある積極財政』と呼ぶにふさわしい財政運営になる」と指摘しました。
しかし、改めて考えると、日本の財政は、積極財政を新たに始める前から、既に今、金利上昇に対して脆弱な状態にあります。
日本の一般政府債務残高はGDPの200%を超える水準にあり、普通国債残高だけでも1,000兆円を超えています。金利が上昇すれば利払い費が増加することは財務省自身も前提としており、IMFも2026年の日本の一般政府債務残高はGDP比214.5%と見込んでいます。日本は、先進国の中でも債務残高の大きさが突出しており、金利上昇の影響を特に慎重に考える必要があります。
実際、政府の2026年度予算では、10年国債の積算金利を3.0%としています。また、財務省の後年度影響試算では、市場に織り込まれた将来金利を加味し、2029年度には3.6%となるケースを置いています。金利上昇は単なる抽象的な可能性ではなく、既に予算編成や中期的な財政見通しの中で、現実的なリスクとして扱われています。
もちろん、金利が上がったからといって、既発国債の利払い費が直ちにすべて増えるわけではありません。過去に低金利で発行した国債も多く残っているためです。しかし、国債の借換えや新規発行が進むにつれて、より高い金利が徐々に国債費へ反映されます。つまり、金利上昇の影響は、時間をかけて確実に財政を圧迫します。
利払い費が増えれば、社会保障、教育、地方財政、防災など、国民生活に直結する政策に使える財源が圧迫されます。現在の日本にとって現実的な危険は、直ちに国債が償還できなくなることだけではありません。むしろ、巨額の債務を抱えたまま金利が上昇し、利払い費が予算の自由度を徐々に奪っていくことです。
さらに、積極財政によって始めた公共事業や制度は、金利が上昇したからといって簡単に中止できません。公共事業は契約や工期を伴い、教育、介護、子育て支援などは一度拡充すれば恒常的な支出になります。金利上昇後に財政支出を縮小しようとしても、現実には容易ではないのです。
だからこそ、現在の日本で積極財政を行う場合には、単に「将来の成長につながる」という期待だけでは不十分です。金利がさらに上昇した場合でも継続できるのか、利払い費がどこまで増えるのか、成長による税収増がその負担を上回るのかを、厳しい前提の下で検証しなければなりません。
日本は、まだ余裕のある状態から積極財政に踏み出すのではありません。既に巨額の債務を抱え、金利も上昇している局面で、さらに財政を拡大しようとしているのです。
したがって、「責任ある積極財政」に必要なのは、支出拡大の理由だけではありません。最悪の場合を含む金利や成長率の見通し、将来の国債費、政策の優先順位、状況が悪化した場合の修正方法まで、具体的に示す必要があります。そうした説明がなければ、「責任ある」という言葉だけが先行しているとの疑念を拭うことはできません。
さあ今日も、ブレずに曲げずに、確実に前進します。
【26年7月12日 その6894『逢坂誠二の徒然日記』8591回】
#逢坂誠二 #歩く歩く聞く聞く
#函館 #積極財政
この記事をシェアする
ホーム>政党・政治家>おおさか 誠二 (オオサカ セイジ)>余裕のない状態からの積極財政 【26年7月12日 『逢坂誠二の徒然日記』8591回】