2026/2/24
国会では、高市早苗総理の施政方針演説に対する代表質問が続いている。
本会議は、かつての国会を知る者からすれば、拍子抜けするほど静かだ。自民党の若手には指示があったようで、総理答弁に対する拍手はあっても野党質問に対する野次はなし。後方席のベテランから散発的に野党質問への批判が飛ぶ場面はあったが、全体としては抑制が効いていた。
トップバッターは中道改革連合の小川淳也代表。
冒頭で「挑戦なき国に未来はない」と総理の施政方針に呼応し、「私どもも全く同じ思いです」と述べた。これまでの野党第一党の代表質問には見られなかった入りだ。
締めくくりも印象的だった。総理の激務に敬意を表し、心身の健康を気遣う言葉で終えた。野党席から高市総理の答弁に対する野次もほとんどなく、自民党席から「異論のない国会は物足りない」と案じる声すら漏れていた。
総選挙の結果を見ても、批判一辺倒の野党から若い世代の気持ちが離れていることは、小川代表自身も自覚しているはずだ。野党第一党の地位を辛うじて維持する中道改革連合が持続するかどうかは、目指す社会像をどこまで具体化できるかにかかっている。
旧立憲民主党議員の政策面での最大の懸念は、依然として安全保障政策だ。
小川代表は「平和は武装ではなく対話から訪れる」と述べた。奇しくも代表質問が行われた2月24日は、ロシアがウクライナへ侵攻した日だ。NATO加盟国でもなく、独自の抑止力も持たない国家が侵略を受けたという事実から目を背けてはならない。
小川代表は「競争力のある福祉国家」を掲げ、人口減少社会に対応する大改革の必要性を繰り返し訴えてきた。近く具体的なプランを示すという心意気は評価したい。
かつて民主党が掲げた「医療・介護・保育分野の賃上げで経済を良くする」という政策は、成長なき再分配という構図に陥った。当時は震災の影響もあった。ただ、成長戦略の軸が明確でなかったことは否めない。
民主党政権下で株価が低迷した事実は、経済のエンジンを回さずに社会保障の財源を確保する難しさを示している。成長なくして分配は続かない。
安全保障と経済政策という国家の基本政策において、野党第一党が現実路線に向かうことを期待したい。
もちろん、より厳しく問われるべきは政府与党の側だ。
我々自民党の公認候補は「日本列島を強く豊かに」と訴え、議席を預かった。「産業政策の大競争時代」という認識のもと、高市政権は官民で投資をテコ入れする17分野を掲げている。選択と集中を誤れば財政負担だけが残る。PDCAを回し、投資の絞り込み、できる限り、国民に結果を示さねばならない。
物価上昇のなかで実質賃金の減少が続く状況に、国民の忍耐は長くは持たない。まずは4月の賃上げ、そして夏のボーナス時期までに実質賃金をプラスに転じさせることができるかどうか。政権の最初の真価が問われる時期は遠くない。
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