2024/2/14
性犯罪などの被害者の氏名、住所など個人を特定する事項を加害者(被疑者、被告人)に知られないよう、逮捕状や起訴状に書かない制度が15日に始まります。これまでは、法廷では裁判員や傍聴人などに知られないよう、氏名などを隠しますが、加害者には知られる仕組みでした。
今回の制度は、ゆきずりの犯行などで氏名を知らなかった加害者が逮捕状や起訴状で被害者のことを知り、再度の犯行などに及ぶことを避けるのがねらい。
私が政治家になって間もなくから、犯罪被害者(特に性犯罪)の問題に取り組むきっかけになったのがこうした事件でした。
刑事訴訟法改正による、この新制度は、加害者が被害者の氏名などを知らない場合に限ります。
対象となるのは、①不同意性交罪などの性犯罪②児童買春や児童ポルノ禁止法違反③その他、特殊詐欺などでも被害者の個人特定事項が知られることで、被害者やその親族の身体または財産に害を加える行為がなされるおそれがあるものです。
被害者本人だけでなく、一緒にいた人や目撃者、事件現場の家の持ち主などの関係者も、個人特定事項が知られることで、その人や親族に害を加える行為がなされる場合は書きません。氏名の部分は単に「被害者」または、複数いる場合は「Aさん」「Bさん」というふうに表記する見込みです。
公判段階では、被告人に対しては氏名などの記載のない起訴状抄本を送り、一方、弁護人に対しては、「被告人に知らせてはならない」条件を付けて氏名など個人特定事項を書いた起訴状謄本を送ります。
この法改正については、「被告が『自分が犯人ではない』と証明しづらくなる」という見方もあったため、被告人の請求に対し、裁判所が「実質的な不利益が生じるおそれがある」と判断した場合のみ、被告人に個人特定事項を通知する仕組みを設けました。
私が2000年に初当選する少し前の頃、江東区の女性が元受刑者である男に殺されるという事件が起きました。犯人はかつて、この女性に対する強姦罪で懲役刑となった男で、「あの女のせいで自分は刑務所に入れられた」と逆恨みしたのです。
当時の法律はひどいものでした。強姦罪は親告罪だったため、「あいつが訴えなければ、自分は捕まらなかった」と考えたのです。また、当時は、加害者は弁護士を通じて被害者の情報を知ることができるのに、被害者は、加害者の個人情報や、「いつ逮捕、起訴され、裁判の結果どうなり、刑務所に入ったか、いつ出所したか」など、何も知らされませんでした。
「裁判で犯罪者の有罪を勝ち取るのは検察の仕事であり、被害者は証人の一人に過ぎない」という風潮が長く続いていたのです。
当選2、3回のころ、私は上川陽子さん(現外相)らとともに犯罪被害者基本法成立に尽力し、これにより、被害者の裁判参加も認められ、また、出所情報も知らされるようになりました。
さらに、法務大臣に就任した際の記者会見で「性犯罪の厳罰化」を主張し、その後の法改正で性犯罪は「親告罪」でなくなりました。
今回の改正で被害者の権利が一層守られることになり、本当にうれしいです。「継続は力なり」を実感しています。
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