2022/3/23
22日、「住宅確保要配慮者への住宅整備」をテーマに住宅土地・都市政策調査会を開きました。
講師は、豊島区で高齢者や障害者、生活困窮者など、住居確保が困難な人への支援を行っている住居支援法人コミュニティネットワーク協会の渥美京子理事長と、長谷工研究所の吉村直子主席研究員です。
高齢者が家を借りようとする際、家賃の支払いが滞ることや、居室内で亡くなった場合のことなどをオーナーが心配して、入居を拒否される実態があり、特に単身高齢者や障害者の住居確保が課題となっています。
また、単身高齢者が民営借家に住む割合は、最も高い豊島区で38.4%に達し(墨田区25.9%、荒川区28.5%、台東区27.1%。いずれも平成30年時点)、再開発その他で立ち退きを求められた際には、住む場所がなくなる危機に陥ります。
豊島区では戸建てやアパートの空き家を改修し、「セーフティーネット住宅」として活用。住まいに困っている人に貸し出しています。
築35年、7年半にわたり空き家だった戸建ては、改修により、4つの部屋(広さ6.5畳~5.7畳)と共用リビングダイニング、キッチン、お風呂、トイレ2つがある、清潔感のあるシェアハウス「共生ハウス池袋」として生まれ変わりました。
これまで、障害者手帳をもつ男性や、派遣切りにあった女性が入居し、その後の自立に役立ちました。また、麻雀店を経営していた83歳の女性は、コロナによる収入減で家賃を滞納し、家を追い出されたことをきっかけに入居。現在はコミュニティネットワーク協会が池袋駅前に開設した「共生サロン」で働き、健康麻雀を教えています。
家賃はシェアハウス型で3万9千円、ワンルーム型で4万7千円から。豊島区が家賃低廉化補助(国と自治体が最大4万円を半額ずつ補助)を行っているため、安く抑えられているのです。
また、空き家を活用した高齢者支援策として、駅から遠い木造賃貸アパートを改修し、通所介護施設に変更した事例もあります。
世田谷区の成城学園前駅から徒歩20分の築30年、2階建てアパートは、借り手もつかなくなり、更地にしても駅から遠いため、経営に行き詰まっていました。完成した頃は若い学生にとって「成城学園前」というだけで、それなりに人気があったのでしょう。
老朽化したアパートを何とか再生したいと、オーナー一族の若い人が駆けずり回って改修を実現。1階の3戸の壁を取り払い、ひと続きの空間にしてデイサービスを始めました。地域の交流スペースとしてカフェも併設しましたが、個人の住宅と比べて福祉施設には規制が多く、いろいろと苦労したということです。
石川県小松市では、廃寺を改修し、温泉やカフェ、駄菓子屋などが入る福祉施設が開設し、通所介護のほか、障害のある人が働く場所として役立っています。ここでは定年退職した人が漬物づくりや庭木の剪定、働く障害者のサポートをするなど、地域社会にも貢献しているとのことです。
今後、福祉施設を建設する際の行政の規制緩和や、地域の独自ルールのあり方、こうした施設を運営する組織の支援を考えます。


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