2025/4/3
本州で規模が最大の陸上自衛隊富士駐屯地(静岡県小山町)を3月末、訪問し、駐屯地内にある富士学校に勤務している女性隊員の隊舎や労働条件の悪い整備工場を視察、機動戦闘車(約26トン)に試乗しました。また、現場の自衛官の方々の話を伺いました。
私は自民党政調会長代理として国防部会を担当し、戦後、最も厳しい安全保障環境にある中、自衛官の定数を満たすための処遇改善や、隊舎や老朽化の著しい倉庫、整備工場の改良など、勤務環境の改善に取り組んでいます。
駐屯地内にある陸上自衛隊富士学校は、自衛隊が発足した昭和29年(1954年)に設置され、普通科(いわゆる歩兵)、特科(大砲、ロケットなど)、機甲科(戦車、機動戦闘車など)の教育訓練を行い、「戦闘職種の総本山」の位置づけです。全国15の自衛隊学校からも専科を学びに来るほか、各職種が協同した机上演習も行われます。
富士総合火力演習を担当する富士教導団が教育、指導しています。
富士駐屯地は、10式(「ひとまる」。2010年から調達開始)戦車と、16式(「ひとろく」。2016年から調達開始)機動戦闘車という最新の装備も保有しています。両方に乗りました。
10式戦車は世界的にも珍しい自動装てん装置を備えています。各国では戦車の大型化が進む中で、機動力も求められる日本では、小型・軽量化を実現し、高い防御力も備えています。
16式機動戦闘車にはクローラー(いわゆるキャタピラ)がついていません。大口径の主砲を備えていますが、クローラーで移動する戦車と異なり、車輪で一般の路上(高速道路)を走行し、橋も渡れるため、たとえば、鹿児島まで自力で移動できます。
戦闘服とヘルメットを装着し、大きめの戦車靴(被弾などにより狭い戦車内部から急いで脱出する際、装備品に挟まれても脱げやすいよう、ワンサイズ大きい靴を、ベルトをはずして履くのが戦車靴の特徴だそうです)を履いて、高さ約3mの車体上部にのぼり、座席がある「穴」に体を落とし込むのは怖かったです(高所恐怖症ですし)。
16式機動戦闘車には、車体の揺れを抑える新技術が使われ、高速走行やスラローム(蛇行)走行をしても(私は車や船に酔いやすい体質ですが)酔うことはなく、高い機動性能を体感しました。この技術により、射撃の正確性も増すとのことです。
富士駐屯地司令兼富士学校長の兒玉恭幸陸将は、「隊員が働きやすい『プラチナ駐屯地』を目指しています。月に数件、隊員から私に直接、相談や提案があり、いいなと思ったら即採用しています」と話しました。数千人の部下を持つ児玉陸将は話もわかりやすく、楽しく、「(厳めしい)軍人」のイメージではありません。
隊舎では女性隊員の居室を見せてもらいました。ひとつの部屋に女性隊員3人が暮らし、それぞれにベッド、小さめの学習机、ロッカーが備えられていますが、ベッドの間には、仕切りはおろか、カーテンさえついていないのに驚きました。病院の4人病室よりも環境が悪いと感じました。今後、生活環境の改善を進め、1年以内にカーテンを設置し、プライバシーを確保できるようにします。
隊舎内では6時に起床ラッパで起き、消灯は23時に消灯ラッパ。家族のいる人は駐屯地内の官舎や、駐屯地の外の自宅から通勤しています。
隊歴1年目から20数年目までの5人の女性隊員と懇談しました。隊員同士で結婚し、隊務と2人の子どもの育児を両立する隊員も複数いて、頼もしく思いました。かつて、女性隊員の職種は限られていましたが、現在は大幅に広がり、戦車に乗ることもできます。彼女らが頑張ってきた成果だと思います。
「子どもの頃から体育が得意だったの?」と聞くと、全員「はい」「好きでした」。数十kgの背のう(リュックサック)を背負って30km歩く訓練もこなしているのだから当然ですね。私は無理だなぁ。
戦車や機動戦闘車などを整備する工場では、機械の不足により100kg近い工具を隊員が手搬送せざるを得ず、また、冬場には氷点下になることもある気候下で、冷暖房設備もないなど、危険で過酷な環境にあります。倉庫にも築60年を超え、雨漏りしているところもあります。今後、改修や建て替えを後押ししていきます。








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