デモだけが政治活動じゃない、「10代の若者は選挙をどう変えるのか」イベント報告【前編】
2015/11/01
7月23日公開の「選挙ドットコムちゃんねる」では、毎日新聞政治部・田中裕之記者とMCの選挙芸人・山本期日前氏が、高市政権発足後初となる本格的な国会を振り返ります。高市カラーとなった予算や法案、与野党対決法案なども一挙に振り返ります。
田中記者:今回は高市(早苗)さんが衆院選で勝った後の特別国会だったけれど、事実上の通常国会ですよね。1年のうち150日間行うと憲法で定められているメインの国会です。高市さんにとっても、去年総理大臣になった直後に行ったのは短い臨時国会でしたから、今回、本格的な国会に初めて臨んだんです。高市さんが最初に何をやったのかというのは、やっぱりこの国会に表れてくるわけです。
MC期日前氏:では、これを振り返っていきたいと思います。こちらが今国会で成立した主な議案になります。ご説明をお願いできますでしょうか?
田中記者: はい、まずは分かりやすく今国会で何が成立したかということですが、7月23日現在で大きくは、「予算」「政府提出法案(閣法)」「議員立法」と分けていますが、まずは何と言っても予算でした。2026年度当初予算は「高市カラー」が出たと言える過去最大の122兆円。「責任ある積極財政」と銘打って、初めて編成した1年間の当初予算です。高市さんこだわりの「危機管理投資」「成長投資」としてAIや半導体などに重点投資し、防衛費も過去最大の9兆円を計上しました。一方、積極財政だから、借金の返済等に充てる国債費も増えて31兆円。いずれも過去最大の巨大な予算となりました。
それからもう一つ、6月に成立した補正予算があります。これは中東情勢の悪化に伴う原油価格高騰に対応するためのもので、まさに今(7月から9月)の電気・ガス料金の補助に充てられます。標準的な家庭で3カ月で約5000円の負担軽減になる計算ですが、こうした原油高や物価高に対応するための補正予算も通しました。この予算二つが、経済対策を含めて高市さんが編成した大きな予算です。
MC期日前氏:これ、予算案が年度内に決まるかどうか(という雰囲気)も懐かしいですね。そもそも衆議院の審議が年度内に終わるのかというのがあって、今回で参議院の重要性や独自性を初めて知った方も多いんじゃないかなと思うのですが。
田中記者:そうですね。この予算を通す時も、かなりの波乱がありましたからね。ただ、高市政権で初めて編成された本格予算ですが、本当の本当に高市さんがやりたいことを全部詰め込む予算は、実は来年度(2027年度)予算なんですよ。概算要求の段階から「骨太の方針」を掲げて、霞が関に「こういうコンセプトで予算を編成しなさい」と白いキャンバスから描けるのは、今まさにこれから作る来年度予算なんです。今回の2026年度当初予算は石破(茂)政権から引き継いでいる部分もあるので、必ずしも全部高市さんというわけではないんですよね。
MC期日前氏:元々組まれていた枠組みに対して乗っけた形ですね。
田中記者:そう。「責任ある積極財政」で122兆円まで規模を出してきたところは完全に高市カラーなんだけれども、100%高市さんかと言うと、石破さん(の要素)も混ざった予算ではある。
MC期日前氏:具材にちょっと石破さんが入っている。ちょっと「石破さんの味」がするなみたいな。
田中記者:実は入っているんだよね(笑)。こうした部分が閣法にも少し残っている。防災庁の設置とかは石破さんのレガシーです。
閣法(内閣提出法律案)で言うと、今国会最大の重要法案は改正皇室典範でした。それから「改正刑事訴訟法」は再審制度裁判の見直しです。
MC期日前氏: 懐かしいな……。 「稲田の乱」が起きた。
田中記者: それから、国家情報会議設置法。これは紛れもない高市カラーの政策。内調(内閣情報調査室)を「国家情報局」に格上げして、総合調整権を持たせるというような組織法なんですけど。ただ、インテリジェンス機能強化というのは、これから第二弾以降の話になっていきます。(中略)
あとは改正個人情報保護法ですね。あまりメディアでは取り上げられなかったんですけど、これ結構、参政党とか中道改革連合の長妻(昭)さんとかが問題視して、実は結構「与野党対決法案」になっていたんですよね。AI開発の促進などなんですけど、病歴とか重要な個人情報が同意なく共有されちゃうというところで結構反対論があった。これも閣法でした。
それから議員立法、議員が出すやつですけれどもの、国旗損壊罪のやつですね。これも高市カラーだな。それからあと改正公職選挙法、情報流通プラットフォーム対処法というのは、SNS選挙対策のやつで、虚偽情報に対応する事業者に対して必要な措置を求めるやつですね。
MC期日前氏: AIの使用表示に義務化とかのやつですよね。
田中記者: そうそう。それから副首都法案です。本数で言うと、7月23日現在で閣法は提出64件中62件成立していて、これは会期を延長したおかげで100%になりそうです(編集部補足:収録後の7月25日に64件の法案が全て成立し、特別国会が閉会しました)。(中略)閣法成立率100%というのはなかなかないんじゃないかな。
MC期日前氏: 結構珍しいことなんですか?
田中記者: 何本かは落とすものが結構ある。延長するから成立できたというものです。議員立法は野党も含めていっぱい提出するので、なかなか成立しないんですけど、10件成立ということでした。
この中で高市カラーが出ているのは、当然予算もそうなんだけれども。改正刑事訴訟法は高市さんというよりも、自民党の井出庸生さんとか稲田朋美さんとか、そういう人たちがすごく頑張ったやつなんで、高市カラーではなかったんですよね。官邸は結構距離を置いていたから。やっぱり閣法で高市カラーが出たのは「国家情報会議設置法」かな。(中略)
MC期日前氏:こう見ると、経済政策がメインになったものはありましたか?
田中記者:それはこれからです。国民会議で消費減税と所得に応じた給付については8月上旬までに高市さんが決めれば間に合うといっているので、特別国会が閉じた後の臨時国会の話です。
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