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7年ぶり、6月の中朝首脳会談の背景にあった中国側の懸念とは?【鈴木拓也氏×山本期日前氏】

2026/7/14

選挙ドットコム編集部

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6月14日公開の「選挙ドットコムちゃんねる」では、2026年6月8~9日にかけて中国の習近平国家主席は北朝鮮を7年ぶりに訪問したニュースについて、元朝日新聞政治部記者で日韓関係や北朝鮮問題を長らく取材してきた鈴木拓也氏が解説!背景にある米国やロシアとの力関係も含めた両国の距離感とは?MCの選挙芸人・山本期日前氏が深掘りしてお話を伺います。

MC期日前氏: 中国の習近平国家主席が北朝鮮を6月8日~9日の2日間訪問されました。この訪問自体が2019年以来7年ぶりの出来事だったというところで、こちらについてお伺いしたいと思うんですが、この訪問の中でサプライズみたいな内容というのは何かありましたか?

鈴木氏: 表に出てきているところではサプライズはないですね。一つは、おっしゃった通りで習近平さんが訪問するのは7年ぶりなんですけども、去年9月、金正恩氏が1回北京に行って会談しています。今回はそれの返礼みたいな意味もあるんですけど、ただ、今年初めて習近平さんが外遊した1カ国目なんですよ。この6月に一番最初に外遊したのが北朝鮮だったというのは意味があります。

あともう一つ、昨年9月もそうなんですけど、北朝鮮の核問題いわゆる「非核化」という言葉が公式的に出てきていない。中国は国営メディア、北朝鮮も官製メディアを通じて、事実上政府が発表している内容がそういうメディアを通じて出てくるわけですけど、その中には少なくとも「非核化」という言葉、要するに「中国が北朝鮮に求めた」といったことは一切なかった。それは今回もなかったです。いろいろ報道されている通りですね。

MC期日前氏: 元々、米中会談でアメリカのホワイトハウス側が非核化について話し合ったと言って、それを中国側が否定していましたが、今回の件では話し合われなかったということですか?

鈴木氏: いや、中では話してはいると思うんですよ。だけど、表には出しませんよと。今、期日前さんがおっしゃった通り、ここがすごくポイントです。金正恩総書記の妹・金与正氏が、その前の米中首脳会談で「非核化についてアメリカ側が話し合いましたと言ったのは虚偽です」「そんなことは話し合っていないということを確認しています」ということを、わざわざ習近平さんが北朝鮮に行く直前に発表しているわけですよ。これってすごい挑戦的だと思いません?

MC期日前氏: ああ、確かに。普通は会談が終わってからですよね。

鈴木氏:北朝鮮が、今から来る大国である中国の習近平さんはトランプさんと会って話した時に「一切我が共和国の非核化問題について話はしていない」と言い切っちゃっているんですよ。本当にこんなことを北朝鮮が言うのを、中国が良いと思っているはずがないんですよ。

間違えちゃいけないのは、「中国がもう北朝鮮の核保有を、事実上ロシアと同じように容認した」とかいう報道も目立つんですけど、私はそう思っていないんですよね。原則はやっぱり「北朝鮮の非核化」という方針を維持している。ちょうどこの中朝の会談が終わった後とかに、僕も結構外務省の幹部の方とかと意見交換したり、政府関係者・官邸の方と話したりしているんですけども、大体そこは共通していますよね。中国は基本的にはやっぱり(核を)持ってほしくない」んですよ。まあ、持っちゃっているんですけども。

これなぜかと言うと、北朝鮮は中国からすると『裏庭』なんですよね。今のトランプさんで言うところの南米と一緒です。しかも中華思想がまだ色濃く残っている。習近平さんは特にそこが強いと思うんですよ。「世界の中心は我が国だし、そこの最高指導者である私が一番偉いんだ」という意識がすごく強いと思うんです。

MC期日前氏: そっか。だからそこに対して「北朝鮮のこの独裁体制は何ぞや」と。

鈴木氏:要するに、自分たちの「子分」だと。親分である自分がいるのに、子分のくせに勝手に許可もなく核兵器みたいなのを作っていくなという意識はまず一つあって、懸念材料であることは間違いないんですよね。

それがきっかけとなって、特に今はトランプさんじゃないですか。何をやらかすかわからないので。さすがにイランの時のように、間違って北朝鮮に非核化を求めて攻撃するということは、ここまで北朝鮮が実際に核を持ってしまっているとさすがにやらないです。イランと同じようなことをやっちゃったら大変なことになるので。でも、中国はそこをやっぱり恐れるところがある、という風に見ている日本の外務省の方とかもいるにはいるんですよね。やっぱり中国としてもそこは懸念材料。その一方で、北朝鮮はご存知の通り、ロシアのウクライナ侵略以降、ロシアと蜜月関係になって、事実上ロシアが核保有を容認するような状態になっちゃっていますよね。軍事的な技術支援までして、他の経済的支援もすると。今もうすごい戦争特需になっているわけですよ。北朝鮮のミサイルを買ってくれるじゃないですか。この短距離弾道ミサイルはめちゃくちゃ精度が悪いと言われているわけですけど、ウクライナで使っているわけですよね。

あれは北朝鮮にしてみると、要するに在庫を処分できるわけです。ミサイルとかも古くなると結局捨てなくちゃいけないじゃないですか。それを売れているから、やっぱり北朝鮮としても美味しいわけですよ。

MC期日前氏: 北朝鮮の中で「いらない」となって、先進国ならいらないようなものを、ロシアが欲しているのですね。

鈴木氏: 今買ってくれているので、本当にもう戦争特需ですよね。

MC期日前氏:ちょっと気になるのが、ロシア・ウクライナ戦争のところで、北朝鮮がこの武器と、人を出して、それで経済支援をしてもらうという流れがあるわけじゃないですか。でも中国って、北朝鮮の武器とか一切いらないじゃないですか。その時に、じゃあ北朝鮮からすると、中国に提供できるものはあるんですか?

鈴木氏: だから、特に国連制裁があるんで、基本的に中国というのは「国連中心主義」ということを言っていますし、だから「国連制裁は守っている」というのは公式的にはそうなんですよね。まあ、裏で何やっているかは別にして、公式的にはそうなので、そうすると貿易統計を見ても、かつらとか櫛とかそういうものだけ輸入しているんですよね。

MC期日前氏: あ、そうなんですね。

鈴木氏: そうです。まあ、安い労働力で作るんで。本来、国連制裁がなかったら、そういう安い労働力で作るような労働集約的な仕事によって生み出される製品を、やっぱり北朝鮮から輸入したいというのはあるんですけど。まあ、どちらかというと、あそこは地政学的に抑えておきたいんですよね。南北分断されて、韓国側には在韓米軍がいるじゃないですか。 だから北朝鮮がなくなっちゃうと、米軍が中国の国境まで来ちゃうわけですよ。あそこは緩衝材ですよね。

MC期日前氏:なんとか緩衝材としてそのままいてほしい、国が崩壊しないレベルで金家を維持させるということですね。金家は認めているのですか?

鈴木氏: もちろんですね。なので、北朝鮮が核開発してること自体が本当は許せないんですよ。原則は非核化を求めたいんですよ。結局、ロシアと北朝鮮の関係が強くなって、ほぼ軍事同盟関係みたいになっちゃったっていうところで、中国としては自分の子分がフラフラと他の親分に行っちゃったみたいなとこがあるんで戻したいんですよね。なので今回は、かなり北朝鮮側にとっても利益になるような形で、結構譲歩して行ってあげているとこはあるんですよね。 それで、中国の親分の言うこともちゃんと聞いてくれということと、ちょっとロシアに近づきすぎたんで関係を戻したいというところは一つあるんですよ。

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