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2017/05/09
「憲法記念日」の5月3日に公開した「選挙ドットコムちゃんねる」では、高市政権下で進む憲法改正に向けた動きを「国民投票」の観点から解説します。JX通信社の米重克洋氏とMCの政治ジャーナリスト・今野忍記者が大阪都構想の教訓や「プロスペクト理論」から、国民投票特有のハードルと、可決に向けた戦略の核心に迫ります。
MC今野記者:今日は5月3日、憲法記念日にあえて語る「国民投票」というテーマです。国民投票といえば米重さんは色々研究されてますよね。
米重氏:ええ、やっぱり選挙の一種と考えれば非常に面白く見ることができるわけですよね。最近だとイタリアでも国民投票があって、司法制度改革で検察や裁判官制度をどういう風にいじっていくかという観点でメローニ政権が推進していましたが、結果としてこれは否決されました。
MC今野記者:メローニさんがやろうとした司法改革が頓挫した。
米重氏:そういうことですね。それ以外にも日本国内でも「住民投票」がありますよね。一番直近の例で分かりやすいもので言うと、2020年に大阪都構想の住民投票がありました。
MC今野記者:2015年と2020年、2回やってますもんね。
米重氏:そうです。2回とも僅差で否決をされている。その前には沖縄の県民投票もありました。有権者が1人1票で直接意思を表明するのが、国民投票や住民投票の意義です。選挙とは何が違うかと言うと、小選挙区だったら1人を当選させるために過半数の人が票を入れていく必要は必ずしもなく、構図によっては(得票率)30%とか40%でもその人が通っていく。与党が多数を占めることが結構容易にできたりするわけですけど、国民投票のように1人1票の積み上げで賛成多数を取っていくことは、これとはちょっと違う難しさがあります。こういうところに、妙味というか、みどころがあります。
MC今野記者:何が一番難しいのでしょうか。例えば今回の衆院選だと、高市(早苗)総理の自民党が316議席という日本の憲政史上でも稀に見る議席を取りました。ただ、有権者数に占める得票割合の「絶対得票数」で自民党に入れた割合は26%ぐらい、4人に1人なんですよね。4人に1人の票で3分の2以上の議席が取れる。これはルールの妙も結構あると思っていて、その中で国民投票や、私も取材したことがある大阪都構想の住民投票が難しいのは、過半数を取んなきゃいけないじゃないですか。そこが一番の違いですよね。
米重氏:はい。賛成か反対かなので、過半数をとらなきゃいけないのが難しいところです。特に衆院選の場合、自民党は圧倒的に多数を取ってるんだけれども、議席で多数を取っていることと得票で多数を取っていることは違うんですよね。自民党は比例得票率36%ですから、投票に行った人たちの中でも3分の1ちょっとぐらいしか自民党には入れてない。3分の2弱の人は違うところに入れている。「3分の2議席取れたんだから、国民投票でも過半数取れるだろう」と思っていると全然話が違ってくる。シンプルに言うとそういうことです。
MC今野記者:ここの難しさを誤解しちゃうと、(衆院選で)あんなに勝った高市さんなら憲法改正の発議さえできればいけるんじゃないかということになる。結構難しいなと思うのが、大阪(都構想に関する住民投票)がまさにあれ1〜2%の差とか、本当に僅差なんですよね。
米重氏:そうなんですよ。日本維新の会があれだけ強い大阪にあって、やっぱり住民投票ではなかなか賛成多数が出ない。次も今のままでは難しいと思います。こういう状況をみていくと、憲法の国民投票がいかに改憲勢力、もっと言えば与党に対してハードルが高いかということを示してると思います。次も普通に考えると、憲法改正の国民投票で多数をとることは相当難しい。特に9条とか安全保障をテーマにやるのであれば、私は結構ハードルが高いと思います。
MC今野記者:たとえ自衛隊明記という加憲であっても、現状で何も変わらないとか。大阪都構想を取材していて思ったのが、最後結構反対派が強くなるなと。「情緒的」と言ったら怒られるかもしれませんが、「大阪市のままでいいじゃないか」「大阪市なくなっていいんですか?」みたいな反対の訴えが意外に最後響いて、「確かに、わざわざ現状を変えなくて良いかな」みたいになる。
米重氏:都構想の住民投票から学べることとしては「プロスペクト理論」というか、要は人間は利益よりも損失の方を大きく感じやすいという心理学的なバイアスがあるわけですよ。損失可能性を回避したいと考える。「大阪市役所がなくなっていいんですか?」「住民サービスに本当にダメージはないんですか?」という問いかけはすごく有効に働きます。
MC今野記者:投資なんかでもありますよね。利益が出ることよりも損失が出ることを防ぎたい、人間が本能的に持っているものですね。
米重氏:そういう考え方で投票をすることがあるので、世の中の人が、そもそも今あって世の中が回っているじゃんと思うものを変えにいくことは結構ハードルが高いんですよ。
実際、憲法改正については朝日新聞の去年の憲法記念日の郵送世論調査でも「変える必要がある」という人は53%で、「変える必要はない」が37%。変える必要があるという人が過半数を超えてるんですよ。ただ一方で、今の憲法は全体としてよい憲法だと思いますかという質問にはよい憲法だという人が51%、そう思わない人が37%なんです。要するに、総論賛成、各論反対。全体としては時代に合わないところがでてきているから変える必要はあるけれども、全体としては今のままでもいいよねっていうのが日本国民のマジョリティー。そうなってくると、おそらく各論をいじり始めた途端に紛糾し、プロスペクト理論的な投票行動によって国民投票は否決される。これがこの憲法の難しさです。だから、仮に否決されないように政治課題として憲法改正を考えるならば、本当は高市さんが旗を振るのではなくて野党も含めて一致できるところに与野党が連携して旗を振る、政党ラベルを超えていかないと憲法改正が国民投票で賛成多数にはならないと考えています。
MC今野記者:今、衆議院の憲法審査会の議論を聞いてると、国民民主党の玉木(雄一郎)さんは、まさに米重さんがおっしゃった理論で「緊急事態条項」「国会議員の任期延長」、ここだけでやった方がいいんじゃないかとおっしゃっていますよね。イデオロギー的にならない、自然災害とか感染症とかで選挙ができなくなった時に任期延長するところだけ。内閣が(緊急)政令で国会的な機能を持つとかそこまでいっちゃうとまたイデオロギー的なもの入ってくる。ましてや憲法9条だと、たとえ自衛隊明記であっても完全にイデオロギー的な戦いになっちゃうからとおっしゃってる人も一部にいますよね。
米重氏:そうですね。国民民主党が賛成すれば与野党の枠組みを超えて賛成する方向に行く。緊急事態条項であればチームみらいも前向き(なスタンス)だと思いますので、この点だったら一致して推進できるよねという論点に対して改正がかかっていくなら分かるんですけど、9条に自衛隊明記するとか、集団的自衛権的な話になってくると、多分一気にハードルが上がるんだろうなと思いますね。
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