菅野志桜里氏に聞く女性議員活躍の実情とは?女性総理はいつ誕生する?誰がなる?選挙ドットコムちゃんねるまとめ
2022/10/28
初の女性首長として那珂川町の舵取りを担う益子すみえ町長。
当選後の日々を「これからが本番。毎日忙しくもやりがいを感じ、ワクワク&楽しみながら仕事をさせていただいています。」と語る町長の表情には、強い熱意が滲みます。
町政にとって重要な10年に一度の振興計画策定というタイミングで当選を果たし、「私の思いを計画にのせ、役場職員の皆様とワンチームとして進めていきたい。」と、職員との協働への意欲を示します。
さらに、「町民の皆さんとしっかり対話の機会を設けながら、選んで良かったと言っていただけるよう頑張ってまいります。」と、町民目線での政治への強い決意を語りました。
本記事では、新町長としての揺るぎない覚悟に焦点を当ててお話をお伺いしました。
選挙ドットコム編集部(以下、編集部): 政治家を志した、最も大きなきっかけは何でしたか?
益子すみえ氏(以下、益子氏):政治家への強い志があったわけではなく、「故郷への危機感」が原点でした。
長男が宇都宮近くのアスレチックで遊んでいた時のことです。自分の学校名や「那珂川町」の話をしても、「どこ、それ?知らない」と言われてしまい、しょんぼりしている息子の姿が忘れられず、「自分の生まれた町に誇りを持てるようにしたい」「このままでは子どもが故郷を好きになれないのでは」という強い危機感が芽生えました。
当時小学1年生だった長男も22歳になりましたが、あの時のしょんぼりした姿は、子育てをする中で離れることはありませんでした。
それから数年後、息子が中学2年生、私が38歳の時に、突然町議会議員の補欠選挙が行われることを知りました。
ずっと心の中にあった「町を良くしたい」という願いを形にするための手段として、その時たまたま、政治という道が目の前に現れたような感覚でした。そんな導きに背中を押されるようにして、政治の道へ踏み出すことになりました。
編集部: 町議選と町長選では、その覚悟やプレッシャーはどのように違いましたか?
益子氏: 町議選は複数当選枠の中の一人という感覚で、比較的プレッシャーは少なかったです。一方、町長選は新人同士の一騎打ちであり、実質「1/2に選ばれるかどうか」の重い選択です。落選すれば、これまでの那珂川町に注いだ思いをリセットし、人生をやり直す覚悟が必要だと感じました。
編集部: 女性として、また母として政治活動を行う上での最も大きなハードルは何でしたか?
益子氏: 今回の選挙では「女性だから期待する」という声と同時に、「若い女の人に町長なんか務まらない」といった否定的な言葉も浴びました。性別を理由にした評価・偏見は根強く、「期待と差別の両方を受けながら前に進む必要がある」と痛感しました。
編集部: そのような中、ご家族や後援会はどのような存在でしたか?
益子氏:夫は当初から出馬を後押ししてくれましたし、子どもたちも「やってごらんよ」というスタンスで、私の挑戦を応援してくれました。町長選では正式な後援会組織を立ち上げましたが、後援会からも「帰れるときはちゃんと子どもとご飯を食べてあげなよ」と家庭への配慮の声もいただきました。特に上の子どもたち(22歳と19歳)は、旗持ちや挨拶回りなどを手伝ってくれ、家族全員で「どれだけ多くの人に支えられているか」を共有できたことは、何にも代えがたい経験です。
編集部:議員時代のご経験から、町長としてこれから那珂川町で最も実現したい政策は何ですか?
益子氏:私は子育てと介護の現場を経験した「生活者」の視点を最も大切にしています。特に力を入れたいのは「高校生への通学費補助」です。町外の高校への長距離通学で月2〜3万円かかるケースもあり、経済的な負担から進学先を諦める現実を変えたい。また、「住み続けたい町」にするため、高齢者向けの移動支援が不可欠であり、AIオンデマンドタクシーへ転換することを最優先で実現したいと考えています。
編集部: 行政のデジタル化については、町長としてどのようなビジョンをお持ちですか?
益子氏:「日常の不便を解消するデジタル化」を生活者目線で進めます。これまで議員として、押印廃止やコンビニ交付を取り上げ、住民票・印鑑証明書のコンビニ交付を実現してきました。今後は、町として導入したLINE公式アカウントの普及に力を入れます。行政情報を紙やHPだけでなく、町民にとって最も使いやすい手段と組み合わせて細かく届けていく方針です。
編集部: 若い世代の定住と高齢者の生活継続、その両方を実現するために描いている「住み続けたい町」の具体的なイメージを教えてください。
益子氏: 子育て世代向けの「複合拠点」と、高齢者向けの「移動支援」が両輪です。
子育て世代向けには、屋内遊び場がなく、図書館・文化教育拠点も十分でない現状を踏まえ、子どもが遊べ、保護者が孤立せず、世代間交流も生まれる複合拠点を構想しています。高齢者向けには、移動支援の充実が重要です。
この二つに加え、地域の資源を戦略的に活用し、住民自身が「うちの町、いい町だよね」と実感できる地域肯定感を高める取り組みも進めます。
編集部: 最後に、那珂川町の初の女性首長として、どのような町を目指し、町民にメッセージをお願いします。
益子氏: 「子どもから高齢者まで誰もが誇りと安心を持って暮らし続けられる町」を目指します。那珂川町で女性首長が誕生したのは史上初です。選んでいただいたからこそ、しっかりと責任感を持って毎日仕事に向き合っていきたい。
単なるポジションではなく、「選ばれた者」としての自覚と公的責任を強く意識しています。長期的には「地域肯定感」と「幸福度」を引き上げ、那珂川町が存続し続ける基盤づくりに取り組みます。私を支えてくれた皆様の期待に応えられるよう、生活者目線で着実に町づくりを進めてまいります。
【益子すみえ氏のプロフィールはこちら】
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