持続可能な社会保障制度のために財源どうする?減税して本当に大丈夫?【参院選2025ネット党首討論会要約テキスト化】

2025/07/09

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選挙ドットコム編集部

YouTube「選挙ドットコムちゃんねる」では2025年7月5日「参議院議員選挙2025 ネット討論会」を公開!テーマは「持続可能な社会保障制度」で、各党の代表者に財源の問題にも踏み込んで議論していただきました。

今回の討論会は、政党助成法における政党要件を満たす10党の党首の皆さまに声をかけ、自由民主党、立憲民主党、日本維新の会、公明党、国民民主党、日本共産党、れいわ新選組、参政党、社会民主党の9党に参加していただきました。なお、日本保守党は欠席でした。

【関連記事】各党の意見表明はコチラ→「持続可能な社会保障制度」へ各党の意見は?参議院議員選挙2025ネット党首討論会

【討論会出席者】
自由民主党 石破茂総裁
立憲民主党 野田佳彦代表
日本維新の会 吉村洋文代表
公明党 斉藤鉄夫代表
国民民主党 玉木雄一郎代表
日本共産党 田村智子委員長
れいわ新選組 高井たかし幹事長
参政党 神谷宗幣代表
社会民主党 福島みずほ党首
※日本保守党は欠席

今回は、各党の代表が相手を指名して質問。テーマである持続可能な社会保障について討論を行いました。

最初に手を挙げたのは公明党・斉藤鉄夫代表。立憲民主党・野田佳彦代表に、同党が掲げている物価高対策として食料品消費税を8%から0%に下げるという消費税減税公約について質問を投げかけました。

斉藤代表「消費税は社会保障制度を支えている。高額療用費制度は最後のセーフティネットで急激なスピードで伸びており、財源を確保していかなくてはならない。今回、一時的な物価対策として消費税の軽減税率の部分を1年で上げ下げすると訴えているのは、13年前に野田総理(当時)のもとで行った『社会保障と税の一体改革』の精神に反するのではないか。また、その一旦下げたものは何%に戻すのか」

野田代表「社会保障と税の一体改革を推進した立場ではあるが、この物価高は食卓の危機で、そのための有効な対策だと考える。財源は2年間で10兆円だが、政府の基金を取り崩し、赤字国債には頼らない。つまり社会保障に穴をあけることはない。将来は『給付付き税額控除』にシームレスに移行できると考える」

続いて、社会民主党・福島みずほ党首は自由民主党・石破茂総裁に防衛費増大による社会保障制度への影響について質問しました。

福島党首「防衛予算が急激に上がっている。米政府が日本に防衛費をGDPの3.5%、あるいは5%まで引き上げるよう求めているとの報道もある。それが実現すれば社会保障制度は圧迫されて壊れてしまう。防衛予算と社会保障制度の費用や、米政府への対応についてどうお考えか。また、消費税だけが社会保障の財源ではない。公平な税制の実現についての考えも聞きたい」

石破総裁「我が国をとりまく安全保障環境は最も厳しい状況にある。だからこそ防衛費は我が国の判断によって必要な増額を行わなければ、国が存立していかないことを国民の皆さんにもご理解いただきたい。社会保障の財源について、応能負担は必要。消費税だけに頼ることは考えていない」

参政党・神谷宗幣代表は自民党・石破総裁に社会保障の財源について質問しました。

神谷代表「財源について1番の問題はこの30年間経済成長ができなかったこと。各国と同じレベルで経済成長していれば社会保険料や年金の支払いが厳しくなることはなかったように思う。今はプライマリーバランスの黒字化よりも減税と積極財政で経済成長を促し税収アップすることが必要だと思うがなぜその転換ができないのか。かつて自民党が行っていた地方の公共事業を計画的につくっていくことはできないのか」

石破総裁「2010年代、企業の売り上げは7%増え、配当・利益も140%増えたが賃金は2%しか上がらなかった。経済成長のためにはもっと賃上げと投資に力を入れたい。コストカット型から付加価値を創出する経済に大胆に転換することでGDPを600兆円から1000兆円に増やす。賃上げ、関連企業への支払いの増大、投資の拡大をしていかなくてはならないし、その余地は十分にあるので飛躍的に増やしたい。AIやGXも最大限に活用していく」

自民党・石破総裁は立憲・野田代表に消費税減税について質問しました。

石破総裁「消費税は消費税法で医療・年金・介護・子育てなどに充てなければらないと定められている。これらに必要な34兆円に対し消費税収は20兆円と今でも足りていない。それを引き下げることは問題ないのか。基金の取り崩しや租税特別措置の見直しで消費税減税を続けることは持続可能な、責任ある財源確保の仕方といえるのか」

野田代表「消費税は足りていないが、実質賃金が下がり続けている今、物価高対策は手をこまねいていてはいけない。そのような判断で消費税減税を打ち出し、財源を明示している。消費税減税は最大で2年と定めているし、その後は給付付き税額控除でシームレスに対応していくので責任ある減税だと考える。社会保障に穴をあけることはない」

立憲・野田代表は自民党・石破総裁に介護職員の待遇改善について質問しました。

野田代表「今、介護職員は人手不足が深刻化しており、その最大の原因は待遇の問題だと考えている。だから我々はこの国会で介護職・障害福祉職の待遇改善の法案を出したが自民党では議論してもらえなかった。ただ、自民党は議論しなかったにもかかわらず、この参院選の公約では介護職の待遇改善を打ち出している。国会中に対応してくれなかったのはなぜなのか」

石破総裁「介護の現場の処遇は抜本的に改善をしていきたい。そのためにきちんとした財源を見出して現場にふさわしい手当を進めていきたい。さらに、人手不足の時代に対応するためにAIやロボットを活用して現場の負担を減らすのは喫緊の課題だと認識している」

日本共産党の田村智子委員長は自民党・石破総裁に医療費の削減について質問しました。

田村委員長「今、介護も医療も基盤崩壊の危機を迎えている。医療機関は7割が赤字で、採算が取れにくい小児科や産科では診療の縮小が始まっている。そのもとで医療費は削減するのではなく、むしろ5000億円規模を投入すべきだと考えるが、医療の危機についてどうお考えか」

石破総裁「予算を投入するのであればその財源を確保しなければならない。医療の現場は人件費・資材の高騰、人手不足で経営も逼迫していると承知している。その現場に手厚い手当をするのは当然であるが、本当に大変な思いをしている人に手当していくために、医療の提供体制は今のままでいいのか、病床数や薬の出し方は適正なのかといったことをチェックする必要がある。人間の尊厳ということを中心に考えて医療の改革と財源の確保を進めていく」

日本維新の会・吉村洋文代表代表は自民党・石破総裁に歳出削減と献金について質問しました。

吉村代表「社会保険料が高すぎる。現役世代はこのままではもたない。維新が掲げる社会保険料を下げる改革のためには保険の原理から見て不要なものを見極め、歳出削減に取り組む必要がある。自民党は減税しない理由に社会保障を挙げるが、歳出削減しなければ消費税は今後も上がり続けてしまう。また、自民党は献金を受けている業界に配慮しすぎている。献金を受けるのをやめてはどうか」

石破総裁「業界団体からの支援で政策を曲げたことはない。吉村代表のおっしゃることのなかで保険の原理を回復させるかという点には大いに共感する。国民皆保険制度が始まったときは結核と労働災害が想定されていたが今は認知症・がん・生活習慣病に変化している。それらを減らしていくことについても力を入れていく必要があると考える」

れいわ新選組の高井たかし幹事長は立憲・野田代表に野党第一党の責務について質問しました。

高井幹事長「今国会は少数与党なので野党がまとまれば法案を通すことができたはずだった。しかし通ったのは政策活動費廃止法案だけだった。野党第一党が野党をまとめる努力をしたのかは疑問だ。今回、消費税減税は全野党が揃ったのだから実現できる。野党第一党がそれをまとめる努力をしてほしい」

野田代表「今国会では一定の成功体験はあった。参議院はまだ自公が多いので(ガソリン税の)暫定税率の廃止については衆議院を通過して廃案になってしまった。参議院でも少数与党に追い込むために全力を尽くしたい。消費税減税については、野党がそろった。あとは、内容と財源の問題で一致できるところは丁寧に誠意ある対話を進めていきたい。与党で減税を訴えている人との連携も目指していきたい」

国民民主党・玉木雄一郎代表は自民党・石破総裁に後期高齢者医療制度の問題について質問しました。

玉木代表「健康保険組合や協会けんぽに払った保険料は、半分が後期高齢者医療制度への拠出金になっている。後期高齢者医療制度の財源は公費の割合も高く、保険の機能を発揮していないのではないか。拠出金にメスをいれないと若い人の保険料負担は減らないと思うが、政府としてはどう対応するのか」

石破総裁「75歳を超えると罹患率が跳ね上がる傾向がある。そのため、若い人と同じ保険制度では難しいというのが後期高齢者医療制度のはじまりである。高齢者の中にも負担能力を持つ方はいる。その方たちにどうやって負担をしていただくかは重点的に考えなければならない。そうでなければこの制度が続かないことは承知している」

【関連記事】各党の意見表明はコチラ→「持続可能な社会保障制度」へ各党の意見は?参議院議員選挙2025ネット党首討論会

動画本編はこちら!

社会保障制度を持続可能なものとするためには?消費税減税、防衛費増大、医療費の削減など様々な切り口から徹底議論!

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