(更新履歴:2022年6月16日に公開した記事を2025年1月26日に最新情報に更新しました)
2025年7月28日の任期満了に伴い、第27回参議院議員通常選挙(以下、参院選)が7月にも実施される予定です。
参院選については近年の公職選挙法改正により、選挙のしくみに変化があることをご存じですか?
また、参院選は昨年10月に行われた衆院選とは異なるしくみが採用されています。
本記事では、参院選2025のしくみを詳しく解説します。参院選がはじまる前にしっかりと理解して選挙に備えましょう!
参院選では定数248の半数ずつが3年ごとに選挙(改選)となります。
参院選の選挙方式には、「選挙区選挙」と「比例代表選挙」の2種類があります。選挙区選挙で74、比例代表選挙で50の計124の議席が改選されます。2025年の参院選でははさらに、東京選挙区の欠員1(※)とあわせて選挙が予定されています(合併選挙)。
(※1 2022年参院選で当選した蓮舫氏が東京都知事選立候補のために辞職したことによる欠員)
選挙区選挙と比例代表選挙には、選挙区の設置方法や当選者を選ぶしくみなどに大きな違いがあります。
この後わかりやすく解説していきますので、このまま読み進めてくださいね。
選挙区選挙のほとんどは都道府県単位で選挙が行われますが、2015年の公職選挙法改正により、鳥取県と島根県・徳島県と高知県はそれぞれまとめて1つの選挙区(合区)とされることになりました。
それぞれの選挙区は人口に応じて1~6の範囲で定数が決められており、全国45の選挙区から74人を選ぶことになります。定数は多い順に以下の通りです。
12人区(一度の選挙で6人改選)1都:東京都
8人区(同4人)1府3県:神奈川県、大阪府、愛知県、埼玉県
6人区(同3人)1道3県:千葉県、兵庫県、北海道、福岡県
4人区(同2人)1府3県:静岡県、茨城県、広島県、京都府
2人区(同1人)32(2合区含む):宮城県、新潟県、長野県、岐阜県、栃木県、群馬県、岡山県、福島県、三重県、熊本県、鹿児島県、徳島県・高知県、沖縄県、滋賀県、山口県、愛媛県、長崎県、奈良県、青森県、岩手県、鳥取県・島根県、大分県、石川県、山形県、宮崎県、富山県、秋田県、香川県、和歌山県、山梨県、佐賀県、福井県
投票所に行くと投票用紙を2枚渡されます。そのうち選挙区選挙用の投票用紙には、お住まいの選挙区で立候補している「候補者名」を書きます。
政党名や比例区の候補者名を記入すると無効票となってしまうので注意しましょう。
今回選ばれる124人のうち、50人は比例代表選挙で選ばれます。参院選の比例代表選挙ならではのしくみが採用されていますので、しっかりと確認しておきましょう。
参院選で配布される2枚の投票用紙のうち、比例代表選挙用の投票用紙には「政党名」か「候補者名」のいずれかを書きます。
衆院選の比例代表選挙では「政党名」への投票しかできませんが、参院選の場合は政党名・候補者名のどちらでも投票できることになっています。
ここでいう候補者名とは、もちろん比例区で立候補している候補者の名前です。選挙区で立候補している候補者ではありませんので、注意しましょう。
候補者名で投票された場合、その候補者が属する政党の得票数としてカウントされます。政党名と候補者名の得票数を合計し、得票総数に比例した数の議席がドント方式で政党に配分されることになります。
※ドント方式とは、各政党の得票数を1、2、3…の整数で割り、その答え(商)の大きい順に定数まで議席を配分する方式です。
では、当選する候補者が誰なのかはどのように決められるのでしょうか。
参院選の比例代表選挙では、候補者名の得票順で当選が決まる「非拘束名簿式」を採用しています。そのため、政党が候補者名簿に当選順位をつけることはありません。
※ちなみに、衆院選の比例代表選挙では「拘束名簿式」が採用されています。これは、政党の得票総数に比例して配分された議席数と、政党があらかじめ決めた候補者の当選順位によって当選者が決定するしくみです。
衆院選と参院選では同じ比例代表選挙でも当選のしくみが異なりますので、理解しておく必要があるでしょう。
上記で紹介した通り、参院選の比例代表選挙は、基本的に候補者名の得票順で当選が決まります。それに加え、前回2019年の参院選からは新たに「特定枠」が導入されました。
特定枠とは、候補者名の得票数に関係なく、あらかじめ政党が決めた名簿順に当選者が決まるしくみです。「拘束名簿式」を部分的に導入した制度と言えるでしょう。特定枠の候補者は「非拘束名簿」とは切り離して上位で扱われます。
これは、2018年の公職選挙法改正によって新たに導入された制度です。全国的な支持基盤を持っているとは言えないけれども国政上有為な人、あるいは政党がその役割を果たす上で必要な人材を当選しやすくするために導入されました。
2019年の参院選で初めて導入され、自民党の三木亨氏、三浦靖氏、れいわ新選組の舩後靖彦氏、木村英子氏が特定枠で当選しました。
参院選の比例代表選挙は、全国1ブロックで実施されます。全国から票を集められる候補者として芸能人やスポーツ選手、文化人などの有名人の候補者も多く、「タレント候補者」として毎回話題になっています。
2010年には柔道元オリンピック金メダリストの谷亮子氏、2013年には元プロレスラーのアントニオ猪木氏、2016年には元女優の三原じゅん子氏や元「SPEED」の今井絵理子氏、2019年には元格闘家の須藤元気氏、2022年には漫画家の赤松健氏や作家の猪瀬直樹氏らが立候補し、議席を得ました。
また、前回参院選にはYouTuberのガーシー氏が全国比例で立候補・当選して話題となりました(その後、除名)。SNSを活用した候補者や政党が選挙で躍進した昨年に続き、今年はこの流れがどう変化していくのか注目です。
今年は参院選と都議選が同じ年に実施される12年に一度の選挙イヤーです!今後、各政党の公認候補予定者の発表や立候補の表明などに注目していきましょう。
(執筆協力:Ricca)
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