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2024年10月30日公開された動画のテーマは、「あの政党は何で議席を減らしたの?」です。
ゲストに、選挙プランナーの松田馨氏をお迎えして、今回の衆院選で議席数を減らした自民党、公明党、日本維新の会、共産党の敗因について解説していただきました。
【このトピックのポイント】
MC鈴木邦和「前回の動画では議席が増えた側の解説をいただきました。今回は減らした側を松田さんに解説していただきます。自民党は、選挙前勢力247に対して、今回191ということで、議席を減らしました」
松田馨氏「減らしましたねえ……」
自民党の議席数が200を切ることは「さすがにないんじゃないか」という見方があった一方で、直前の各社の報道では、150~190議席という予想もありました。
松田氏「小選挙区で大きく減らしましたが、それでもかなりなんとか、踏ん張った」
比例区では、前回と比べて、533万票減りました。
MC鈴木「これは凄まじい……。見方としては、自民党支持層が他の党に入れたのか、そもそも行かなかったのでしょうか?」
松田氏「全体ボリュームとして自民党支持層が少し減ったこともありますが、この人たちが投票に行ってないと考えられます」
自民党支持層の方は、「今回は、お灸をすえる」と他の野党系候補に投票した方の他に、そもそも今回は投票に行かないという方も一定数いたのではないかと言及しました。
総選挙の後、30日以内に特別国会が開かれます。
衆議院では、立憲民主党より43議席上回り、比較第一党であり、参議院は与党で過半数を取っています。一定の効力は発揮できますが、今までのように法案がなんでも通る状況ではありません。
松田氏「自民党からしたら、大敗、惨敗、大惨敗」
MC鈴木「例えば、石破さんではなく、違う人が総理だったら、選挙結果が変わっていたという方もいます。松田さんはどう思いますか」
今回の選挙で立憲民主党は、政治とカネの問題を戦略的に追及していました。
選挙戦の終盤には、自民党が非公認とした候補者の政党支部にも2000万円の活動費が振り込まれていたことが報道されて、さらに大きな批判の声が寄せられました。
松田氏は、仮に高市氏が総裁だった場合でも「かなりきつかった」と言及。
高市氏は、総裁選でも、裏金議員と言われる方への対処が一番甘いと言われていました。
小泉進次郎氏の場合は、刷新感があり裏金問題に対して厳しい姿勢を出していたので「比較的やりやすかったんじゃないか」と予想。
しかし、政治とカネの問題も含めて、批判されてきたことの蓄積があるので「どなたがやられても、しんどかったと思う」とまとめました。
また、石破総理については「石破さんらしさとか石破さんの良さを自分で潰してしまった」と話し、「やはり、総裁選で言ってたことは守るべきですね」とコメントしました。
MC鈴木「続いて公明党です。こちらも非常に苦しい戦いとなりました」
選挙前勢力32に対して、今回24。特に、石井代表が落選し、自民党と同じぐらい厳しい結果でした。
松田氏は選挙結果について「与党ということでまとめて批判を受けた」と語りました。
公明党が、政治とカネの問題は関係ないと言っても、余波を受けます。自民党が公認せずに無所属になった候補者に推薦を出したケースがあり、批判を受けました。
また、物価高に対する、与党全体への批判については、連立与党を組んでいるため批判を受けざるを得なかったと解説しました。
比例区では、596万票を獲得し、前回よりも115万票減らしました。
松田氏「これも衝撃……」
公明党は、2017年総選挙では700万票を下回り、2021年総選挙では700万票ぐらいに戻しました。
今回は、600万票を切った結果に、とても驚いたと語っていました。
MC鈴木「公明党も、支持層の方が減ったり、投票に行かなかったり、他の党に投票したりしたのでしょうか?」
松田氏は「支持者の高齢化に伴う活動量の低下」を要因の一つとしてあげました。
公明党の熱心な支持者は、10人、20人、100人と、学会員ではない方も含めて普段付き合いがある方に「公明党に入れてね」と言う人が一定数いました。
「このような方が高齢化でお亡くなりになっていくと、票の減り方としてはただ単に1人が減るのではなくて、100票、200票減っていく」と解説しました。
MC鈴木「埼玉14区で石井代表が実際に1万票以上の差をつけられて負けてしまいました。日本の政党の中で、最も選挙の見立てが正確な政党だというのが私の認識でした。そこに対して、票を見誤ったというのは、相当、公明党にとっても想定外の選挙だったのでしょうか」
松田氏「それだけ、逆風が強かったということだと思います」
MC鈴木「日本維新の会は、選挙前勢力44に対して、今回38。事前にかなり厳しいと言われた中で、結構踏みとどまったとも言えますが、議席としては減りました」
維新に関して松田氏は、兵庫県の前知事の問題の影響や「政治とカネに関しては、自民党と同じじゃないかという批判もあった」と述べました。
MC鈴木「でも、一番批判してたのは橋下徹さん……」
松田氏「橋下さんが言うと、維新からすると、むちゃくちゃイメージダウン」
松田氏の日本維新の会の議席予想も38議席位であり、小選挙区では予想以上に勝てたところもあったと語ります。MC鈴木も「自民党が非常に厳しかったので、維新が結果的に勝った小選挙区もいくつかありました」と同意しました。
一方、比例区については「ダメージがひどい」と松田氏。
比例区は、前回の800万票から300万票近く減り、509万票でした。
MC鈴木「どこに票が流れたのでしょうか?」
「一つは国民民主党で、一部は立憲にも流れている」と松田氏。「小選挙区で大きく負けている政党に共通しているのは、比例でも大幅に減らしている」と解説。
松田氏「維新は、前回の統一地方選挙で非常に躍進をして、右肩上がりで来たなかで、ここである種の危機というか、勝負どころを迎えたという感じ」
MC鈴木「ただ、大阪で全勝したのはすさまじい!」
松田氏も「強いですね!」と同意。「大阪では今でも圧倒的に支持されている」とコメントしました。
MC鈴木「日本共産党は、選挙前勢力は10で今回8。小選挙区は1で変わりませんが、比例で2議席減らしました。比例票も80万票位、減っています」
松田氏「420万票から80万票を減らしているので、結構、割合としてはデカイ減り」
小選挙区の候補者数を前回よりも100人以上増やして挑戦しましたが、結果的には議席を減らしてしまいました。
松田氏「これだけ候補者を立てたので、比例票は持ち直すか、前回並みぐらいという見立てだったんですけど、ここはちょっと外してしまいました」
MC鈴木「小選挙区で候補者を多く立てると、それだけ比例票が掘り起こせるというのは一般的なのでしょうか?」
松田氏「一般的なこれまでの小選挙区比例代表並立制の戦い方」
参政党は同じような戦略で議席を確実に取っていたため、「通常は票数は増えるはず」と解説しました。
政治とカネの問題は、しんぶん赤旗が発端であり、自民党2000万円問題もしんぶん赤旗が報じました。
松田氏は「今回の自民党のこれだけの議席減を生み出したのは共産党なんですが、そこが評価されて票になるというか、支持には結びつかなかった」と語りました。
また、共産党にも高齢化の問題があり、赤旗の発行部数は減少し、共産党員以外で、比較的共産党に好意的だった人も減少しています。
若い支持層を獲得するためにTikTokなども始めましたが、若い層はれいわ新選組や国民民主党に流れ、なかなか支持層の獲得には苦戦。
今回は、委員長が交代して、田村委員長の初陣でしたが、党内の運営に関してパワハラと批判される問題もあり、「なかなか存在感を発揮できなかった」と解説しました。
自公過半数割れで一強他弱の終わり?!公明党支持層に何が起こっているのか?!
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