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2024年6月14日に公開された動画のテーマは「衆院注目選挙区特集 和歌山2区」
和歌山2区では、区割り変更に加え、地元とする自民党重鎮の二階俊博元幹事長の引退、世耕弘成参院議員の自民党離党と、大きな変化が。地元の事情から都知事選までつなぐ、選挙芸人・山本期日前氏の怒濤のネタをお楽しみください。
ゲストの山本期日前氏が「本当は、二階さんと世耕さんでもっと遊びたかったんですけど……かなわなくなってしまったんで」と切り出した和歌山2区では、大きな動きがありました。
まずは、ここを地盤としていた自民党・元幹事長の二階俊博氏が次期衆院選出馬を見送り、二階氏の引退を機に和歌山2区で衆院へのくら替えを狙っていた世耕弘成参院議員が自民党を離党したことがあります。
もうひとつは区割り変更です。
和歌山県は3区から2区に1減しました。二階氏の地盤である旧3区(和歌山県南部)はすべて2区へ、旧2区に属していた海南市、橋本市、有田市、海草郡、伊都郡と合併する形になりました。
MC鈴木邦和「もともと二階俊博さんの地盤であった部分の大部分が和歌山2区に引き継がれていると。和歌山のほぼ全域」
山本期日前氏「2区で戦うのは超大変です」
面積もあり、山もあるため街がまばらな和歌山2区。「どうやっていつも選挙活動やってるんだろう」と興味津々なふたりです。
山本氏「絶対行きたいんです、『二階ロード』を車で走らせたいんです」
そんな和歌山2区の予想される顔ぶれはこちらの2人です。
二階伸康氏は二階俊博衆院議員の三男。ANAでのサラリーマン経験を経て二階氏の秘書を10年ほど務めています。
山本氏「二階番の記者さんに聞くと、長男、次男に関してはもごもごされるみたいな感じになるんですけど、伸康さんに関しては『いい人だよ』って言われるんで、かなり評判いいですね」
対するくすもと氏は「選挙マニアには知られた存在」。長年、二階氏のお膝元の御坊市で市議・県議を務めてこられました。2019年の和歌山県議会議員選挙では定数1の御坊選挙区で、自民党系候補を抑えて勝ったくすもと氏は、共産党が和歌山の1人区で勝った唯一の実績を持つ「伝説の人」だそうです。
この選挙の引き金となったのは、2016年の御坊市長選挙です。当初は引退を考えた現職市長が、二階氏の長男の出馬を見て「任せられない」と出馬を決意したことで、保守分裂の激しい選挙戦となりました。
山本氏「(選挙戦には)小泉進次郎議員や稲田朋美議員や、かなり兵力を投入したんですけど、二階さんの長男が負けてしまったっていう……」
この時の市長選から、御坊市内ではしこりが残りました。
くすもと氏は2017年の衆院選に出馬。御坊市では二階氏を追い詰めるほどの接戦を演じ、2021年衆院選の共産党候補より高い得票率を獲得したとのことです。また、勝利を収めた2019年の県議会議員選挙では、徹底して保守系市民の票を獲得する戦略を取ったとのことです。
MC鈴木邦和「お互い強そうな候補が出てきて……」
二階伸康氏が出馬する経緯は、県内21町村で作る和歌山県町村会からの出馬要請によるものだそうです。かなり地元の支援が固いのでしょうか?
山本氏「県内の21町村が全部和歌山2区に含まれているんですよ。その反対を押し切ることは、まず無理です」
MC鈴木も「この手法は珍しい」と目を丸くするこの手法ですが、山本氏によると「二階さんはこの手法をやります」とのこと。
山本氏は「今回、東京都知事選挙でも、小池都知事が都内52人の首長から推薦を受けて……あれ?二階さんと小池さん、関係性いいじゃないですか」と、小池都知事も、二階氏からやり方を学んだ可能性を指摘します。
2022年の和歌山県知事選でも、当初は世耕氏が推していた総務省官僚に出馬要請をする予定でしたが、県町村会が岸本周平氏(国民民主党)を推すことになり、ひっくり返ったのだとか。
MC鈴木「二階さんの……和歌山県知事選もそうだし、もともと小池さんを推したのもそうだけど、自民党の党内のことだけを考えたらありえない動き。それでもそれを最終的に通して、しかも選挙に勝って。しかも自分の支持基盤が壊れないってなかなかすさまじいこと。どうしてなんですか?」
選挙ウォッチャーの山本氏も「わからない」と首を傾げますが、
山本氏「紀伊半島の道路政策など、地元住民には大いに感謝されているようです。全国的に批判があったとしても、関係なく評価が高いようです。二階さんに恩を感じているっていうかたが、ものすごく多いと聞きますね」
MC鈴木「ちなみに二階番の記者さんから見た、二階さんの政治のすごさはどこだと聞きますか?」
山本氏「マメだって聞きます。あと、懐が深いといわれてます」
伸康氏はどこまで二階ブランドを引き継ぐのかという点も、かなり注目です。
和歌山2区の選挙結果、山本氏の見立ては「二階伸康さんがものすごく強いのは間違いないです」とのこと。自民党の収入不記載問題に関しては、「今回、二階(俊博)さんが引退して、ほかの自民党の裏金問題の議員さんが辞めない中、大将として責任を果たしたみたいな形で見ている人もいるんじゃないかな」と観測します。
山本氏「伸康さんも裏金について聞かれたときには、『責任があるので有権者に問いたい』と言っていたので、当選したら責任を果たしたという文脈になっているのではないか」
このタイミングで二階(俊博)氏が引退を表明した理由には、世耕氏との関係もあるのでは、という問いに対しては「タイミング的には完璧でしょうね」と答える山本氏。
世耕氏は、祖父の時代から新宮市を地盤にしています。和歌山2区へのくら替えを狙っていた中での、今回の自民党離党は痛恨だったでしょう。
山本氏「でも、世耕さんの離党を受けたあとに、関西系のテレビ局で、世耕さんが無所属で衆院選に出るという報道が出たんです。世耕事務所は事実無根と反論していたんですけど」
MC鈴木「その可能性はあるんですか?」
山本氏は、自民党の森山裕総務会長が5月、来年参院選の改選を迎える世耕氏に対し、和歌山選挙区への刺客擁立に反対する発言をしたことを受け、世耕氏の次期衆院選立候補の可能性を否定します。
山本氏「世耕さんは対抗馬を立てられないなら、そのまま無所属で出る可能性がある。そしたら今、自民党に喧嘩を売らないほうがいいという考え方になる可能性もあるんじゃないかなって思うんで」
さらに、山本氏は和歌山県町村会の会長が、世耕氏のくら替えを「自分の欲望のためだ」とコメントしている、と紹介。
山本氏「たぶん町村会も乗っからないんじゃないかなって」
MC鈴木「二階さんの政治力の強さをひしひしと感じるいろんなエピソード」
ここで山本氏が、維新が候補者を擁立する可能性を示唆します。
維新は近畿ブロックで比例枠がたくさんあります。大阪は前回、維新の候補者は小選挙区で全員当選していて、兵庫で負けた候補者が全員比例復活できたというほどです。
山本氏「関西圏で維新の小選挙区で出るのはめちゃくちゃおいしい。勝てないにしても比例復活できる。たまに維新が不祥事起こして繰り上げ当選できることもある。枠もある中で、比例復活を考えると出る可能性があるんじゃないかなと思います」
山本氏が指摘する、維新が候補者を擁立できない可能性は2つ。ひとつはエリア的に厳しいことですが……
山本氏「2点目が、二階さんが大阪万博議連の会長をやってるんですよ。だから維新としては大阪万博をなんとしても成功させたいときに、二階さんに喧嘩を売るようなことができるのかどうかみたいな……」
MC鈴木「永田町界隈ではひとり挟むと必ず二階人脈に当たるというのだそうです。あらゆるネットワークが広がっていて……維新も選択肢がないですね」
2023年の統一地方選と同じタイミングで行われた衆院和歌山1区補選。結果は維新の林ゆみ氏が当選しましたが、当初、自民党から鶴保庸介参院議員が出馬するとの話がありました。万博議連の重鎮である鶴保氏が立候補するなら維新は候補者を立てないというほど、「万博には配慮している状況」だったそうです。
立候補を決めた二階伸康氏に「自分の靴に聞け。とにかく地元は歩いて回れ」と指導したという二階俊博氏が培った和歌山2区にご注目ください!
二階氏の後継から小池都知事まで……注目選挙区、濃すぎる和歌山2区とは?
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