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2023年12月22日に公開された動画のテーマは……「安倍派裏金疑惑 安倍・二階派の会計責任者を立件へ」。
いよいよ派閥事務所の家宅捜索が始まりました。今回の裏金疑惑、いったいどのくらいの規模の事件になるのでしょうか。
【このトピックのポイント】
・安倍・二階派、両派閥の問題はどこが違うの?
・支持率が低下し続ける岸田政権。「青木率」は意味があるの?
・過去の「政治とカネ」の問題から見た、今回の落とし所は

東京地検特捜部は12月19日、清和政策研究会(安倍派)・志帥会(二階派)の両事務所を家宅捜索。
ゲストの今野忍氏は、政治資金規正法違反で会計責任者が立件される可能性は「かなり高い」と指摘します。
会計責任者は派閥で雇用された職員で、すべてのお金の流れを把握し、収支報告書に自身の名前を記名して提出するほどの役割。議員秘書や、党本部での勤務経験者が多いとのことです。
一方、東京地検特捜部は、地検の中でもエースが集まっているところ。今野氏は、彼らの厳しく、巧みな追及をかわすのは難しいとにらみます。
MC山本期日前「コメントで来ているんですけど、(キックバックなど、記載しなかったお金を)何に使われているんですかね?」
今野忍氏「それこそ今後特捜部の調べで出てこないとわからない」
今野氏は、「記載しなかった」お金の使い道としてはいろいろあったと推察します。たとえば、国費で負担されない選挙対策の地元の秘書の人件費や事務所代、議員同士の贈り物に使う費用や……
今野氏「ないとは思うけど、愛人を囲ってて。妻にもばれないから記載しない。人それぞれ」
万が一、このお金を政治資金以外に使っていたら、脱税にもかかる可能性があると、今野氏は指摘します。
今野氏「だから、意地でも政治資金に使いましたって言うと思う。裏金で領収書取ってないわけだから。いずれにせよ不記載になっちゃうんですけどね」
ところで、今回、内閣の大臣の中で安倍派は交代され、二階派が続投になった違いはどこにあるのでしょう?

派閥のパーティー券販売で議員にノルマを与え、ノルマを超えた分をキックバックしたという点では、安倍派も二階派も同じです。
しかし、安倍派では派閥幹部が全員更迭されたのに対し、二階派は「派閥の責任だけを問う」という判断になっているとのこと。
「両派閥の事務処理に大きな違いがあるから」と今野氏は解説します。
安倍派は、派閥で受け取ったノルマ超過分を、収支報告書に記載せず、議員にキックバックとして渡しています。この時、渡す派閥側も受け取る議員個人の側も、収支報告書に何も記載していません。
一方二階派は、ノルマ超過分の入金を派閥の収支報告書には不記載でありながら、議員個人に払う際には記載しているのです。
| 派閥への超過分の入金 | 議員個人へのキックバック | ||
| 派閥の収支報告書 | 派閥 | 議員 | |
| 安倍派 | 記載せず | 記載せず | 記載せず |
| 二階派 | 記載せず | 記載 | 記載 |
この様子を今野氏は、いわば組織的な安倍派に対し、二階派は「頭隠して尻隠さず」と呼びます。
二階派では、このことについて、派閥への入金、議員への出金で会計責任者が違っていたと説明していますが……
MC山本「シンプルミスなのか、それともこっち側の人だけが企んでいたのか」
二階派で不記載となっている1億円超は派閥の裏金とされますが、個々の大臣に通す際には記載があることから、二階派では派閥の責任だけを問うという判断になったそうです。しかし、この1億円がどこに行ったかがわからない。
MC山本「二階派を離脱しながら大臣を続投する、小泉法務大臣、自見英子万博担当大臣というのは」
今野氏「個人でもらってたわけでない。あくまで派閥で裏金になっちゃってた、という話。更迭された人とはちょっと違う」
ただ、小泉氏には別の問題があると今野氏は指摘します。
今野氏「小泉さんの場合、よりによって法務大臣だった。こっちのほうが大きいんですよ。法務大臣は東京地検特捜部の上司、トップなんです」
法務大臣は、捜査を止めることができる指揮権を持っています。
今野氏「野党は突きますよね。派閥を辞めるって、そんな形だけだろうって。二階派だったおかげで大臣になった人が、よりによって法務大臣。捜査の指揮権を止められるような立場にいていいんですかって」
もともと小泉氏は、郵船民営化の際に自民党を離れ、二階氏が党幹事長だった頃に自民党に復党して、大臣にまでなったような経緯があります。
今野氏「二階さんにしてみたら恩知らずねって。逆だろう、大臣辞めて帰ってこいというくらいなんじゃない?」
二階派のシステムと同様に入金元がわからない不明金は、岸田派にも3000万円ほどあります。入金元がわからない不明金とされていますが……
今野氏「岸田総理も爆弾を抱えているから、あんまり更迭更迭ってやっちゃうと、今度岸田派に同じ問題が出てくると総理退陣問題」
最大派閥だった安倍派から閣僚がいなくなった現在、無派閥だけで政権ができる日も……?無派閥といえば石破氏や菅前総理ですが……
今野氏「石破さんはもう、いてもたってもいられなくて、毎日テレビに出てます」
MC山本「早く9月になってくれって」
今野氏「一切表に出てこなくて、裏で何してるかね、菅さん。こういう時、テレビの出演依頼とかあっても受けない。これがほんとの怖い政治家」

各社世論調査の結果では、岸田内閣の支持率が低迷していると報道されています。
今野氏「よくこの数字で(政権が)持ってるよなって。20%なら危険水域と言われたけれど。選挙ドットコムさんでも20%切ってますもんね」
とはいえ、今回の問題は「岸田さん個人の失策ではないですもんね」と今野氏。
そもそも、清和政策研究会が「安倍派」になったのは2021年9月のこと。安倍氏は総理だった期間、派閥を抜けていたのです。そうしたことから、安倍派と呼ばれ、安倍氏が存命の間に派閥がどんどん成長していったといえ、亡き安倍氏が当時の細かいお金の動きまで把握していたわけではないと思われることも、念頭においておく必要がありそうです。
ところで、危険水域の指標となる青木率。比較的支持率が高く出やすいと言われる、日経など「大手町三社」でもかなり危険水域です。

今野氏は、青木率は、野党が強い時代には非常に有効な指標といえるが、これだけ野党が「多弱」な状況では、青木率の有効性を失いつつあるのではないかとコメントします。

MC山本「茂木派は今回に関しては無傷なんですか?」
今回、ここまでのところ「無傷」な茂木派。
今野氏は、過去の「政治とカネ」問題をひもときます。
茂木派は2004年、日歯連から当時の平成研究会(旧橋本派)へのヤミ献金事件で、当時官房長官だった村岡氏が立件された一派の流れをくんでいます。
今野氏「ヤミ献金に対して耐性があった。清和はこの時無傷だったから。歴史のあれですよね」
近年の、主な政治資金規正法違反と立件額は、このようになっています。

MC山本「出ているメンバーの中で、今回の件に似ているかたっていらっしゃいますか」
今野氏「似ているのは薗浦健太郎さん(元衆院議員)。政治資金収支報告書の不記載で起訴されました。金額も大きい。この時は個人、今回は派閥ですが、似てますね。あとは、派閥の不記載という点では、村岡兼造氏」
今回の件は、どのくらいの規模の問題になるのでしょうか。
今野氏「形式犯なので、ガンガン政治家を逮捕されるってことにはならないんじゃないかって言われている。大山鳴動して鼠一匹になる可能性もなくはなくて」
たかが不記載といっても、その額が一千万円単位であれば略式起訴の可能性もあるかもしれない、と今野氏は解説します。
政治資金規正法はお金の流れを見える化する法律です。共謀を問わなければならない。秘書がやっていたことを議員を知らなかったと言われたら、検察には立証責任がある。
MC山本「ところで、キックバックは文化だという名言を残された?あの方は……」

「キックバックは自民党の文化だ」と発言した鈴木前総務大臣。安倍派で、先日更迭された鈴木氏が、引き継ぎの日に記者団に囲まれた時の発言とのことです。
鈴木氏は地元の市議出身。この発言からは、地方で自民党は、収支報告書への不記載を続けてきたのではないかと推察されます。
今野氏「この件はまだまだ来年も続きますよ。政権にも直結するし、外交にも影響を与えかねない」
選挙ドットコムちゃんねるでも、この問題は引き続き取り上げる予定です。お見逃しなく!
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